ほの研ブログ - 最新エントリー
大青田の森です。ボランティアの人々により里山を切り開いて作られた場所で、時々観察会やイベントが開かれているようです。この日はウォーキングクラブで50人くらい集り、カシニワオープンガーデンを見ながらのウォーキングでした。里山の中は沢山の木のおかげで涼しく、とても落ち着きました。おまけに、「カシニワ・フェスタ2015」のイベントの一つとしてオカリナの演奏もあったので、さらに居心地よく感じました。
木の緑が好き! 若葉の黄緑はさらに好き! ケヤキやモミジの新芽は何とも言えない色でした。

柏市大青田の森
コメント:きらりびと T.O.さん
見ただけで音楽が心地よく聴こえてきそうな写真にうっとりします。今すぐ行きたくなりますね。Oさんの居心地の良い〜というお話もよくわかります。緑の色や空気が感じられて心も身体もリラックスです。
木の緑が好き! 若葉の黄緑はさらに好き! ケヤキやモミジの新芽は何とも言えない色でした。
継続コース参加者 C.O.さん

柏市大青田の森
コメント:きらりびと T.O.さん
見ただけで音楽が心地よく聴こえてきそうな写真にうっとりします。今すぐ行きたくなりますね。Oさんの居心地の良い〜というお話もよくわかります。緑の色や空気が感じられて心も身体もリラックスです。
いつもは水族館に行ってもただ見て回るだけでしたが、今回は珍しい名前の魚を見つけたので撮影しました。魚の名前はオジサンといいます。オスでもメスでも、赤ちゃんの時でも、オジサンと呼ぶそうで、みんな爆笑でした。特徴のある2本の長い髭は餌を探すセンサーであり、舌の役目もあるので味も感じるそうです。南のサンゴ礁で生息していて、食べられますが、そう美味しくはない魚とか。
帰宅後、魚の図鑑を見てさらに話が盛り上がり、楽しい思い出になりました。

オジサンという名前の魚
コメント:市民研究員Y.T.さん
オジサンという珍しい名前の魚をよくみつけましたね。
海水魚のオジサンとのことで、淡水の多い家庭の水槽ではほとんど見かけません。そのせいか、継続コース共想法で話題提供された写真を見た時も、知らない人ばかり。びっくりした後、思わず皆さんの顔がほころんでいましたね。
私も水族館に行って、ぜひオジサンに会ってみたくなりました。
帰宅後、魚の図鑑を見てさらに話が盛り上がり、楽しい思い出になりました。
継続コースA.K.さん

オジサンという名前の魚
コメント:市民研究員Y.T.さん
オジサンという珍しい名前の魚をよくみつけましたね。
海水魚のオジサンとのことで、淡水の多い家庭の水槽ではほとんど見かけません。そのせいか、継続コース共想法で話題提供された写真を見た時も、知らない人ばかり。びっくりした後、思わず皆さんの顔がほころんでいましたね。
私も水族館に行って、ぜひオジサンに会ってみたくなりました。
日曜日、家の畑で草むしりをしました。
ひとしきり草を取り終えた後、フェンス脇に植えてあるいちじくに目をやると、ひょうたん型の実がなっているではありませんか。触ってもまだ固く、力を入れて押してもびくともしません。青々とした緑の葉に隠れるように育っているいちじくがなんともいえずいとおしくなり、思わずシャッターを押しました。「早く大きくなっておくれ」と声をかけながら…。

まだ若いイチジクの実
コメント:市民研究員Y.T.さん
大きい葉影に見つけた、小さく硬いイチジクの実をいとおしく思うK.T.さんの優しさがわかります。大きくはじけた甘い実に育つといいですね。
ひとしきり草を取り終えた後、フェンス脇に植えてあるいちじくに目をやると、ひょうたん型の実がなっているではありませんか。触ってもまだ固く、力を入れて押してもびくともしません。青々とした緑の葉に隠れるように育っているいちじくがなんともいえずいとおしくなり、思わずシャッターを押しました。「早く大きくなっておくれ」と声をかけながら…。
継続コースK.T.さん

まだ若いイチジクの実
コメント:市民研究員Y.T.さん
大きい葉影に見つけた、小さく硬いイチジクの実をいとおしく思うK.T.さんの優しさがわかります。大きくはじけた甘い実に育つといいですね。
ほのぼの研究所は、2007年に研究拠点として設立してから、今年で8周年を迎えます。今年度は、人材の発掘と育成をテーマに、次の三つの重点事業に取り組みます。
第一に、これまで講演会や共想法の各コース等に参加頂いたことがある方にお会いし、意見交換する場を設け、今後の活動への参加と実施への協力を呼びかけます。共想法の広まりと共に、全国各地、施設で実施したいとの要請があることから、共想法を実施する人材に必要な知識や技能を整理し、研修のための資料や問題集を作成します。新メンバーにとっては、それ自体が研修の場となり、また、すでに実施の輪に加わっているメンバーにとっては、知識と技能の再確認と相互学習の場となります。以上を通じ、要請のある医療機関、介護施設、地域包括支援センター等との連携を図ります。
第二に、大学における地域活性化人材育成課程の一環として、大学生のインターンシップを受け入れます。千葉大学では、文部科学省の地(知)の拠点整備事業の一環としてクリエイティブ・コミュニティ創成拠点が進められています。この中で、地域NPOインターンシップという授業があり、そのインターンシップ先の一つとして、NPO法人ほのぼの研究所が参加します。具体的には、後述するように、企業、自治体等と連携して、健康観光支援サービスの開発を共に行い、活動を通じて、地域活性化人材の育成を図ります。同時に、共想法の実施人材の多世代化を図ります。
第三に、2014年より実施してきた街歩き共想法を、企業、自治体、観光地、大学と連携することで、受益者負担での実施を可能とし、事業として持続可能とするための方法を明らかにします。認知症予防の4要素である、食事、運動、知的活動、社会的交流に対応する一連の活動を、多くの高齢者が好む活動の一つである、旅行の中に含まれるようにした、街歩き共想法に基づく健康観光支援サービスを開発します。
第一に、これまで講演会や共想法の各コース等に参加頂いたことがある方にお会いし、意見交換する場を設け、今後の活動への参加と実施への協力を呼びかけます。共想法の広まりと共に、全国各地、施設で実施したいとの要請があることから、共想法を実施する人材に必要な知識や技能を整理し、研修のための資料や問題集を作成します。新メンバーにとっては、それ自体が研修の場となり、また、すでに実施の輪に加わっているメンバーにとっては、知識と技能の再確認と相互学習の場となります。以上を通じ、要請のある医療機関、介護施設、地域包括支援センター等との連携を図ります。
第二に、大学における地域活性化人材育成課程の一環として、大学生のインターンシップを受け入れます。千葉大学では、文部科学省の地(知)の拠点整備事業の一環としてクリエイティブ・コミュニティ創成拠点が進められています。この中で、地域NPOインターンシップという授業があり、そのインターンシップ先の一つとして、NPO法人ほのぼの研究所が参加します。具体的には、後述するように、企業、自治体等と連携して、健康観光支援サービスの開発を共に行い、活動を通じて、地域活性化人材の育成を図ります。同時に、共想法の実施人材の多世代化を図ります。
第三に、2014年より実施してきた街歩き共想法を、企業、自治体、観光地、大学と連携することで、受益者負担での実施を可能とし、事業として持続可能とするための方法を明らかにします。認知症予防の4要素である、食事、運動、知的活動、社会的交流に対応する一連の活動を、多くの高齢者が好む活動の一つである、旅行の中に含まれるようにした、街歩き共想法に基づく健康観光支援サービスを開発します。
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
千葉大学准教授 大武美保子
千葉市若葉区にある、泉自然公園の下の池の前の遊歩道を散歩中、目の前をきれいな青色がかった1m以上ある青大将が、山の方から池の方へ横切りました。こりゃ〜珍しい!と、慌ててバッグからタブレットを取り出し電源を入れるも、青大将は草むらに入り込みシャッターが間に合いません。 池の畔の草むらを移動するのを追い、たまたま動きを止めたところにタブレットを近づけてパチリ!パチリ!偶然にも撮ることができました。

草むらを移動する青大将
コメント:市民研究員M.M.さん
よくぞ、このような写真が撮れましたね。この青大将を見て、私は小学校時代を思い出しました。当時は、青大将を見つけると、その尾をつかんで空中でぐるぐる回して遊んだものです。当時と比べ青大将を見る機会が少なくなり、残念ですね。
継続コースN.M.さん

草むらを移動する青大将
コメント:市民研究員M.M.さん
よくぞ、このような写真が撮れましたね。この青大将を見て、私は小学校時代を思い出しました。当時は、青大将を見つけると、その尾をつかんで空中でぐるぐる回して遊んだものです。当時と比べ青大将を見る機会が少なくなり、残念ですね。
継続コースでは、防ぎうる認知症にかからない生活を保つことを目標に、認知機能訓練となる会話支援手法として、共想法を実施しています。
「最近の体験を覚える。最近の体験を思い出す。過去の体験を思い出す。」これらの事は認知症が進行するとだんだん難しくなります。これを防ぐには日頃から、良く見る、聞く、話す、覚えて思い出すという訓練が必要で、常に新しい話題を吸収することが、大切だといわれています。
いよいよ、今年度の継続コースがスタートしました。まずは4月21日オリエンテーションには9名に参加していただきました。13時30分から15時30分まで、?大武先生の挨拶 ?継続コースのビデオ鑑賞 ?研究員を含む全員の自己紹介 ?講師の田崎研究員によるタブレット演習のスケジュールで実施しました。
ほのぼの研究所より全員にタブレットを1台ずつ貸し出し、タブレットに触れるのが初めての方でも写真が撮れる段階まで、丁寧な説明をしました。例え何度か失敗しても夏学期を通じてマスターしていただければ、幸いだと思っています。

タブレットで特訓中の参加者と田崎講師
夏学期は5月12日から7月7日までにわたり4回実施、テーマは「小さな発見」「居心地の良い場所」「衣替え」「これも芸術」と毎回異なるテーマで、話題提供していただくつもりです。また今学期から、併せて話題提供していただいた写真の説明を200字にまとめていただく作業もしていただきます。
秋学期には街歩き共想法にも参加していただき、旅行をしながら脳トレをして思い出す、そして皆様が写した写真を中心にした本作りにも着手する予定にしています。
今年度も楽しみながら継続コースを行っていきたいと思っています。

継続コースの受講者と市民研究員
「最近の体験を覚える。最近の体験を思い出す。過去の体験を思い出す。」これらの事は認知症が進行するとだんだん難しくなります。これを防ぐには日頃から、良く見る、聞く、話す、覚えて思い出すという訓練が必要で、常に新しい話題を吸収することが、大切だといわれています。
いよいよ、今年度の継続コースがスタートしました。まずは4月21日オリエンテーションには9名に参加していただきました。13時30分から15時30分まで、?大武先生の挨拶 ?継続コースのビデオ鑑賞 ?研究員を含む全員の自己紹介 ?講師の田崎研究員によるタブレット演習のスケジュールで実施しました。
ほのぼの研究所より全員にタブレットを1台ずつ貸し出し、タブレットに触れるのが初めての方でも写真が撮れる段階まで、丁寧な説明をしました。例え何度か失敗しても夏学期を通じてマスターしていただければ、幸いだと思っています。

タブレットで特訓中の参加者と田崎講師
夏学期は5月12日から7月7日までにわたり4回実施、テーマは「小さな発見」「居心地の良い場所」「衣替え」「これも芸術」と毎回異なるテーマで、話題提供していただくつもりです。また今学期から、併せて話題提供していただいた写真の説明を200字にまとめていただく作業もしていただきます。
秋学期には街歩き共想法にも参加していただき、旅行をしながら脳トレをして思い出す、そして皆様が写した写真を中心にした本作りにも着手する予定にしています。
今年度も楽しみながら継続コースを行っていきたいと思っています。

継続コースの受講者と市民研究員
市民研究員 佐藤由紀子
2015年3月27日(金)10:00-12:00、千葉市生涯学習センター大研修室において、同所主催『60代からのハッピーライフ』〜脳を活性化して健康寿命をのばそう!〜シリーズ「『共想法』から学ぶ ことばの力で加齢に強い脳をつくる」と題した講座を受け持ちました。
50余名の方々に受講いただき、ほのぼの研究所からは、事務局長の長谷川と講師として市民研究員田口が参加しました。なお、開講に当たっては、同所ご担当はもとより、講座運営支援ボランティア学びコムの方々にも多大なご協力をいただきました。
ご担当の佐々木陽子様の挨拶・紹介に続き、大武先生監修の動画資料並びに論文、寄稿記事をもとに認知症、認知症予防に関する考え方、そして認知症予防回復支援手法である『共想法』、『街歩き共想法』、大武先生の研究やほのぼの研究所の活動について講義を進めていきました。

体験を交えて講義する田口市民研究員と長谷川事務局長
最初にNHKの『おはよう日本』のビデオで『共想法』やほのぼの研究所の概要を伝えしました。その後、「10年前にくも膜下出血で緊急入院をしました。幸い後遺症もなく回復した私でも、3週間の集中治療室での生活を余儀なくされ、52日間の入院生活で身体じゅうの筋肉が萎えて体力は落ち、思考力も低下、退院後も四六時中赤ちゃんのように眠る生活が1年間続きました。これではいけないと歩く練習を始めました。柏市介護予防センターに通いリハビリに努めました。今日の講義でも触れますが、皆さんは脳障害を起こさないように心掛けて下さい、周りで不自由な方がいたら、支えて上げて下さい。ひとりひとり障害の程度は違うので、リハビリの効果が上がらない人もいます。私は一例ですから比べないでいただきたい」と当事者としての思いの丈を披露、さらに、認知症になりたくない一心で参加したほのぼの研究所の『共想法』との出会い、現在の元気を取り戻すまでの8年間の体験を述べさせていただきました。
次の『夢の扉+』のビデオ視聴では、大武先生の認知症予防等に関する研究やほのぼの研究所の活動、認知症予防手法である『共想法』についての興味をさらに深めていただきました。
さらに、「認知症予防に役立つICT(情報通信技術)―防ぎうる認知症にかからない社会に向けて」と題する大武先生の論文(論文[1])をもとに、認知症の定義、発生リスクを高める生活習慣とその予防方法について、図1を用いて説明いたしました。

図ー1認知症の発症リスクを高める生活習慣、症状と生活習慣病(論文[1]より)
《認知症は、一度発達した認知機能が後天的な障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障を来すようになった状態であることです。その発症を防ぐには、発症のリスクを高める危険因子を取り除く、すなわち中年期からかかりやすい糖尿病、高血圧、心臓病といった生活習慣病を防ぐことが大切です(図ー1)。生活習慣を改善しこれらの病気を予防、症状を抑えたりすることで認知症発症の確率を下げることができるのです。》

表ー4 認知症の発症を抑制する因子と栄養の関係(論文[1]より)
《また、その予防のためには、認知症発症の抑制因子であるところの食事、運動、知的活動、社会的交流生活を生活の中に積極的に取り入れることが大切です(表-4) 。食事は量と質を考えて摂ること、運動については1週間に3回以上、少々汗をかく程度の有酸素運動がお奨めです。文章を読んだりゲームをしたり囲碁、将棋、料理、パソコンなど楽しみながら知的活動を生活習慣に取り入れることや、引きこもらずに積極的に外に出て人と社会的交流の機会を持ち、会話することが有効であるとされています。》
いよいよ今講座の本題「『共想法』による認知症予防、言葉の力で加齢に強い脳を作る」:認知機能訓練のための認知症予防会話支援手法『共想法』の説明になりました。
《認知症発症を抑制する因子のうち知的活動と社会的交流の基礎となるのが会話です。テーマに沿って話題と写真を用意し、一人ずつの持ち時間を決めてグループで会話をする『共想法』は、話題や写真を用意する段階で体験記憶の活用を支援し、人の話を聞きながら話を考え、話をしながら周囲の反応を聞く、複数のことに同時に注意を向けることで注意分割機能の活用力が養われます。さらにテーマに沿って準備した話題を、時間内にまとまるよう組み立てて話す計画力を含む実行機能の活用を支援します。こうして実施項目と認知機能を対応づけてみると、『共想法』は参加者が認知症予防を目的としていることを意識して参加し、認知症予防効果が上がるように一工夫して行うことから見て、目的型の認知症リハビリと位置付けられます。》
《認知症は現状では一度発症すると、進行の遅延や症状の緩和はできても、完治する治療法は確立していません。そのため発症の予防が最も重要であり、今後の超高齢社会を考えると社会全体としての発症率を減らすことが不可欠です。
近年、口腔ケアの習慣化普及活動や「8020運動」が奏功して、それまで20%だった55歳から64歳の歯が1本もない人の率が、今ではその10分の1の 2%に激減しました。脳に対してもこのような生活習慣が行き渡ることで認知症発症率が低く抑えられ、「防ぎうる認知症にかからない社会を創る」ことを目標に、研究が続けられています。》
最後にこれまでの『共想法』を、社会の中でより自然にやっていくひとつの手法として開発された『街歩き共想法』を、川口SKIPシティでのレポートビデオと大武先生の『毎日フォーラム』「視点」寄稿記事「認知症を防ぐ 新しい話題で会話する『共想法』を開発」(記事[2])を用いて紹介しました。『街歩き共想法』は従来の『共想法』に「街歩き」と組み合わせ、健康づくりと楽しみを付加した新しい会話支援手法です。
千葉市での講座のため、同市海浜ニュータウン高洲団地にて団地再生プロジェクトの一環として、住民の意見を反映した高齢者向けリフォームを話題にして行った『海浜ニュータウン街歩き共想法』の写真も紹介して、興味を持っていただきました。

床を上げ、手すりをつけてどの世代にも使いやすくリフォームされた風呂場
(海浜ニュータウン街歩き共想法話題提供写真)
また、『街歩き共想法』が参加者や実施者の利便性や社会への受容性を高めるために、撮影や画像登録にタブレット端末を使用するようになったこと、他の機関・企業、多世代との連携、他エリアでの開催等々、回を重ねるごとに進化を続け、多角的になってきていることも伝えました。
講義終了後の質疑応答では『共想法』は高齢者同士だけではなく、多世代間の交流においてさらに効果が発揮されるのではないかという前向きな意見を頂戴し、大いに納得するとともに、興味を持っていただけたことに感謝しました。
今回の講座は『共想法』体験デモを実施せず、講義中心だったため、十分に理解していただけたのかと反応が大変気になりましたが、事後のアンケートでは回答者の9割近くから好意的ご意見をいただきました。そして、「会話」「コミュニケーション」やそれらによる脳の活性化、そして認知症予防の大切さについて同感、理解していただけた感想が多かったのは大変嬉しいことでした。また、講師の体験に裏打ちされた講義内容に共感して下さったという温かいお声を頂戴したことは有難く、今後の励みとなりました。
[1] 大武美保子.認知症予防に役立つ ICT ─防ぎ得る認知症にかからない社会に向けて─, 情報処理, Vol.56, No.2, pp. 145-151, 2015.
[2] 大武美保子.認知症を防ぐ 新しい話題で会話する「共想法」を開発, 毎日フォーラム, 2014年10月号,pp.38-39.
50余名の方々に受講いただき、ほのぼの研究所からは、事務局長の長谷川と講師として市民研究員田口が参加しました。なお、開講に当たっては、同所ご担当はもとより、講座運営支援ボランティア学びコムの方々にも多大なご協力をいただきました。
ご担当の佐々木陽子様の挨拶・紹介に続き、大武先生監修の動画資料並びに論文、寄稿記事をもとに認知症、認知症予防に関する考え方、そして認知症予防回復支援手法である『共想法』、『街歩き共想法』、大武先生の研究やほのぼの研究所の活動について講義を進めていきました。

体験を交えて講義する田口市民研究員と長谷川事務局長
最初にNHKの『おはよう日本』のビデオで『共想法』やほのぼの研究所の概要を伝えしました。その後、「10年前にくも膜下出血で緊急入院をしました。幸い後遺症もなく回復した私でも、3週間の集中治療室での生活を余儀なくされ、52日間の入院生活で身体じゅうの筋肉が萎えて体力は落ち、思考力も低下、退院後も四六時中赤ちゃんのように眠る生活が1年間続きました。これではいけないと歩く練習を始めました。柏市介護予防センターに通いリハビリに努めました。今日の講義でも触れますが、皆さんは脳障害を起こさないように心掛けて下さい、周りで不自由な方がいたら、支えて上げて下さい。ひとりひとり障害の程度は違うので、リハビリの効果が上がらない人もいます。私は一例ですから比べないでいただきたい」と当事者としての思いの丈を披露、さらに、認知症になりたくない一心で参加したほのぼの研究所の『共想法』との出会い、現在の元気を取り戻すまでの8年間の体験を述べさせていただきました。
次の『夢の扉+』のビデオ視聴では、大武先生の認知症予防等に関する研究やほのぼの研究所の活動、認知症予防手法である『共想法』についての興味をさらに深めていただきました。
さらに、「認知症予防に役立つICT(情報通信技術)―防ぎうる認知症にかからない社会に向けて」と題する大武先生の論文(論文[1])をもとに、認知症の定義、発生リスクを高める生活習慣とその予防方法について、図1を用いて説明いたしました。

図ー1認知症の発症リスクを高める生活習慣、症状と生活習慣病(論文[1]より)
《認知症は、一度発達した認知機能が後天的な障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障を来すようになった状態であることです。その発症を防ぐには、発症のリスクを高める危険因子を取り除く、すなわち中年期からかかりやすい糖尿病、高血圧、心臓病といった生活習慣病を防ぐことが大切です(図ー1)。生活習慣を改善しこれらの病気を予防、症状を抑えたりすることで認知症発症の確率を下げることができるのです。》

表ー4 認知症の発症を抑制する因子と栄養の関係(論文[1]より)
《また、その予防のためには、認知症発症の抑制因子であるところの食事、運動、知的活動、社会的交流生活を生活の中に積極的に取り入れることが大切です(表-4) 。食事は量と質を考えて摂ること、運動については1週間に3回以上、少々汗をかく程度の有酸素運動がお奨めです。文章を読んだりゲームをしたり囲碁、将棋、料理、パソコンなど楽しみながら知的活動を生活習慣に取り入れることや、引きこもらずに積極的に外に出て人と社会的交流の機会を持ち、会話することが有効であるとされています。》
いよいよ今講座の本題「『共想法』による認知症予防、言葉の力で加齢に強い脳を作る」:認知機能訓練のための認知症予防会話支援手法『共想法』の説明になりました。
《認知症発症を抑制する因子のうち知的活動と社会的交流の基礎となるのが会話です。テーマに沿って話題と写真を用意し、一人ずつの持ち時間を決めてグループで会話をする『共想法』は、話題や写真を用意する段階で体験記憶の活用を支援し、人の話を聞きながら話を考え、話をしながら周囲の反応を聞く、複数のことに同時に注意を向けることで注意分割機能の活用力が養われます。さらにテーマに沿って準備した話題を、時間内にまとまるよう組み立てて話す計画力を含む実行機能の活用を支援します。こうして実施項目と認知機能を対応づけてみると、『共想法』は参加者が認知症予防を目的としていることを意識して参加し、認知症予防効果が上がるように一工夫して行うことから見て、目的型の認知症リハビリと位置付けられます。》
《認知症は現状では一度発症すると、進行の遅延や症状の緩和はできても、完治する治療法は確立していません。そのため発症の予防が最も重要であり、今後の超高齢社会を考えると社会全体としての発症率を減らすことが不可欠です。
近年、口腔ケアの習慣化普及活動や「8020運動」が奏功して、それまで20%だった55歳から64歳の歯が1本もない人の率が、今ではその10分の1の 2%に激減しました。脳に対してもこのような生活習慣が行き渡ることで認知症発症率が低く抑えられ、「防ぎうる認知症にかからない社会を創る」ことを目標に、研究が続けられています。》
最後にこれまでの『共想法』を、社会の中でより自然にやっていくひとつの手法として開発された『街歩き共想法』を、川口SKIPシティでのレポートビデオと大武先生の『毎日フォーラム』「視点」寄稿記事「認知症を防ぐ 新しい話題で会話する『共想法』を開発」(記事[2])を用いて紹介しました。『街歩き共想法』は従来の『共想法』に「街歩き」と組み合わせ、健康づくりと楽しみを付加した新しい会話支援手法です。
千葉市での講座のため、同市海浜ニュータウン高洲団地にて団地再生プロジェクトの一環として、住民の意見を反映した高齢者向けリフォームを話題にして行った『海浜ニュータウン街歩き共想法』の写真も紹介して、興味を持っていただきました。

床を上げ、手すりをつけてどの世代にも使いやすくリフォームされた風呂場
(海浜ニュータウン街歩き共想法話題提供写真)
また、『街歩き共想法』が参加者や実施者の利便性や社会への受容性を高めるために、撮影や画像登録にタブレット端末を使用するようになったこと、他の機関・企業、多世代との連携、他エリアでの開催等々、回を重ねるごとに進化を続け、多角的になってきていることも伝えました。
講義終了後の質疑応答では『共想法』は高齢者同士だけではなく、多世代間の交流においてさらに効果が発揮されるのではないかという前向きな意見を頂戴し、大いに納得するとともに、興味を持っていただけたことに感謝しました。
今回の講座は『共想法』体験デモを実施せず、講義中心だったため、十分に理解していただけたのかと反応が大変気になりましたが、事後のアンケートでは回答者の9割近くから好意的ご意見をいただきました。そして、「会話」「コミュニケーション」やそれらによる脳の活性化、そして認知症予防の大切さについて同感、理解していただけた感想が多かったのは大変嬉しいことでした。また、講師の体験に裏打ちされた講義内容に共感して下さったという温かいお声を頂戴したことは有難く、今後の励みとなりました。
[1] 大武美保子.認知症予防に役立つ ICT ─防ぎ得る認知症にかからない社会に向けて─, 情報処理, Vol.56, No.2, pp. 145-151, 2015.
[2] 大武美保子.認知症を防ぐ 新しい話題で会話する「共想法」を開発, 毎日フォーラム, 2014年10月号,pp.38-39.
市民研究員 田口良江
私が撮影した中から選んだのは、玄関扉の中央上部に陶器の魚が飾られた一枚の写真です。一般的に表札がある所に掛けられています。魚の種類はヒラメかカレイか、見分けがつきません。どちらかに間違いはありませんが見分け方が分かりませんでしたので、皆さんに聞いてみようと思いました。また疑問に思ったことは、何故こんな所に掛けられているのか。周囲を見ても表札らしき物もなく、もしかすると「ヒラメさん?カレイさん?」ここの住人の名字か、なんて考えてしまいました。結局はここの自宅が魚屋さんだったということで納得しました。ヒラメとカレイの見分け方はお聞きしましたがやっぱり分かりにくいですね。

欄間の魚
コメント:市民研究員 K.N.さん
ここには、表札か家紋が入れられると思いますが、まさか魚の家紋はないと思います。でも、足助にはあるのかなと考えましたが、以前は魚屋さんとのこと、納得しました。ヒラメさん、カレイさんでなくて、良かったです。
見分け方は、目の位置が左ヒラメの右カレイと聞いていますが、どちらから見てかは確かではありません。
足助街歩き共想法参加者:S.M.さん

欄間の魚
コメント:市民研究員 K.N.さん
ここには、表札か家紋が入れられると思いますが、まさか魚の家紋はないと思います。でも、足助にはあるのかなと考えましたが、以前は魚屋さんとのこと、納得しました。ヒラメさん、カレイさんでなくて、良かったです。
見分け方は、目の位置が左ヒラメの右カレイと聞いていますが、どちらから見てかは確かではありません。
初午の貼り紙に3月31日と書いてあったので目がとまりました。初午にはもの心がついた時から両親に厄払いの行事として連れて行ってもらっていて、今も継続しています。初午には新暦と旧暦とがあって、私が観音さんに毎年欠かさずお参りするのは旧暦なので、2月の最初の午の日を確認するようにしています。
この案内で足助町の今年の開催日がわかりました。地方によってなぜ新暦と旧暦の開催があるのかはわかりません。

初午大祭案内
コメント:市民研究員H.N.さん
遠く奈良時代が起源とされる祭事が、各地さまざまな風習で、脈々と受け継がれていることを知るきっかけとなりました。そして、さざめきの中、五穀豊穣、商売繁盛、開運、家内円満等を祈願する人々の様子が目に浮かんできました。
この案内で足助町の今年の開催日がわかりました。地方によってなぜ新暦と旧暦の開催があるのかはわかりません。
足助街歩き共想法参加者:M.T.さん

初午大祭案内
コメント:市民研究員H.N.さん
遠く奈良時代が起源とされる祭事が、各地さまざまな風習で、脈々と受け継がれていることを知るきっかけとなりました。そして、さざめきの中、五穀豊穣、商売繁盛、開運、家内円満等を祈願する人々の様子が目に浮かんできました。
2015年3月20日13時より、ほのぼの研究所市民研究員は、3月18日から東京で開催された独立行政法人科学技術振興機構とスイスのチューリッヒ大学が主催し、スイス大使館が協賛するJAPANESE-SWISS JOINT WORKSHOP ON "AGING,HEALTH, AND TECHNOLOGY” (「加齢と健康とそれらに関する技術」に関する日本ースイス共同ワークショップ)の最終日に組み込まれた、柏の葉スマートシティにおける現地視察の、現地サポートをさせていただきました。
日本−スイス「AGING, HEALTH, AND TECHNOLOGY」共同ワークショップの開催について(科学技術振興機構トピックスへリンク)
このワークショップの議長は、ほのぼの研究所の海外研究交流拠点であるチューリッヒ大学教授のマーク・マーティン先生と、千葉大学准教授でほのぼの研究所所長の大武先生でした。マーティン先生とは以前、スカイプを介して交流をさせていただいたこともありましたので、お目にかかるのが大変楽しみでした。

参加者とほのぼの研究所研究員との顔合わせ・挨拶

ミュージアム内ドームシアターを見学する参加者
まずは、柏の葉スマートシティミュージアムロビーで、連日の研究発表や討議の疲れも見せずに訪れた参加者30余名と、サポートを受け持つ研究員とのグループごとの初顔合わせです。記念撮影、挨拶、タブレット操作方法の説明等を済ませた後、ミュージアムの見学がスタートしました。ここでは、英語のイヤホンガイドサービスが提供され、ITを駆使したダイナミックなプレゼンテーションや展示は好評で、街づくりのコンセプトや概要を理解していただけたようでした。

ゲートスクエアのインフォメーションボードで施設を検索する参加者
いよいよ、屋外に出て1グループにつきプ2台のタブレットを携えての、街歩きグループ行動が始まりました。研究員の役目は、日本人研究者に通訳をお願いしてガイド、タブレットによる写真撮影をサポートすることでした。幸いなことに、研究者の方々にはタブレット操作はお手のものでしたので、身振り手振り、年々在庫減少の途を辿る英語語彙をフル稼働して、街並みや施設の迷ガイドに専念することができました。

まちの健康研究所を見学中の参加者
次いで訪れたのは、ららぽーと北館3階の、街のすこやかステーションフロアのまちの健康研究所「あ・し・た」。「食べる」「歩く」「しゃべる(コミュニケーションをとる)」ことで、年齢を問わず、街ぐるみで健康づくりを目指すというコンセプトは、参加者の研究にも関係が深いことから、所長みずから英語のガイドを買って出て下さいました。熱の入ったトークには笑いが起こり、体力測定にも渾身でチャレンジして下さる等、関心を持っていただけた様子でした。

スイスから訪れた研究者が多数参加した「共想法」

「共想法」の質疑応答に会場も引き込まれて…
いよいよ共想法デモンストレーション実施会場KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)に到着。3Dファクトリーの見学後、季節の和菓子(桜餅、草餅等)等を添えてのティーブレイクで一休み。女性達には、お土産に用意した古裂の小物や千代紙も好評で,笑顔の輪が広がりました。
海外の方にとっての共想法の受け止め方には関心がありましたが、提供された話題はスマートートシティ関連ばかりでなく、コカ・コーラや沿線鉄道のディスカウントチケットの自販機等、日本の不思議発見にも至り、多様な発想はとても興味深いものでした。また質疑応答も盛んに行われ、それに聴衆の方々も引き込まれている様子を実感できたことは収穫でした。
盛会の余韻を楽しむ余裕もなく、あわただしくお別れの時が到来してしまいましたので、バス延着で30分短縮された過密スケジュールの現地サポートは、実に濃密すぎるものでした。言葉の厚い壁がある中、大勢の、しかも外来の参加者への準備や対応は初めて尽くしで、いつも以上に脳も身体も活性化され、かつ少々疲労したことも事実です。しかしながら、アンケートの中に私たちのサポートに対して、「非常に友好的で親切…」という温かいコメントをみつけた時には、それは快いものに変わったことでした。
最後に、大勢の英語ガイド受け入れや度重なるスケジュール変更に、臨機応変に快く応じ、アドバイスをして下さった柏の葉スマートミュージアム、まちの健康研究所、KOIL、UDCK等、関係各位に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
日本−スイス「AGING, HEALTH, AND TECHNOLOGY」共同ワークショップの開催について(科学技術振興機構トピックスへリンク)
このワークショップの議長は、ほのぼの研究所の海外研究交流拠点であるチューリッヒ大学教授のマーク・マーティン先生と、千葉大学准教授でほのぼの研究所所長の大武先生でした。マーティン先生とは以前、スカイプを介して交流をさせていただいたこともありましたので、お目にかかるのが大変楽しみでした。

参加者とほのぼの研究所研究員との顔合わせ・挨拶

ミュージアム内ドームシアターを見学する参加者
まずは、柏の葉スマートシティミュージアムロビーで、連日の研究発表や討議の疲れも見せずに訪れた参加者30余名と、サポートを受け持つ研究員とのグループごとの初顔合わせです。記念撮影、挨拶、タブレット操作方法の説明等を済ませた後、ミュージアムの見学がスタートしました。ここでは、英語のイヤホンガイドサービスが提供され、ITを駆使したダイナミックなプレゼンテーションや展示は好評で、街づくりのコンセプトや概要を理解していただけたようでした。

ゲートスクエアのインフォメーションボードで施設を検索する参加者
いよいよ、屋外に出て1グループにつきプ2台のタブレットを携えての、街歩きグループ行動が始まりました。研究員の役目は、日本人研究者に通訳をお願いしてガイド、タブレットによる写真撮影をサポートすることでした。幸いなことに、研究者の方々にはタブレット操作はお手のものでしたので、身振り手振り、年々在庫減少の途を辿る英語語彙をフル稼働して、街並みや施設の迷ガイドに専念することができました。

まちの健康研究所を見学中の参加者
次いで訪れたのは、ららぽーと北館3階の、街のすこやかステーションフロアのまちの健康研究所「あ・し・た」。「食べる」「歩く」「しゃべる(コミュニケーションをとる)」ことで、年齢を問わず、街ぐるみで健康づくりを目指すというコンセプトは、参加者の研究にも関係が深いことから、所長みずから英語のガイドを買って出て下さいました。熱の入ったトークには笑いが起こり、体力測定にも渾身でチャレンジして下さる等、関心を持っていただけた様子でした。

スイスから訪れた研究者が多数参加した「共想法」

「共想法」の質疑応答に会場も引き込まれて…
いよいよ共想法デモンストレーション実施会場KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)に到着。3Dファクトリーの見学後、季節の和菓子(桜餅、草餅等)等を添えてのティーブレイクで一休み。女性達には、お土産に用意した古裂の小物や千代紙も好評で,笑顔の輪が広がりました。
海外の方にとっての共想法の受け止め方には関心がありましたが、提供された話題はスマートートシティ関連ばかりでなく、コカ・コーラや沿線鉄道のディスカウントチケットの自販機等、日本の不思議発見にも至り、多様な発想はとても興味深いものでした。また質疑応答も盛んに行われ、それに聴衆の方々も引き込まれている様子を実感できたことは収穫でした。
盛会の余韻を楽しむ余裕もなく、あわただしくお別れの時が到来してしまいましたので、バス延着で30分短縮された過密スケジュールの現地サポートは、実に濃密すぎるものでした。言葉の厚い壁がある中、大勢の、しかも外来の参加者への準備や対応は初めて尽くしで、いつも以上に脳も身体も活性化され、かつ少々疲労したことも事実です。しかしながら、アンケートの中に私たちのサポートに対して、「非常に友好的で親切…」という温かいコメントをみつけた時には、それは快いものに変わったことでした。
最後に、大勢の英語ガイド受け入れや度重なるスケジュール変更に、臨機応変に快く応じ、アドバイスをして下さった柏の葉スマートミュージアム、まちの健康研究所、KOIL、UDCK等、関係各位に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
市民研究員 長久秀子