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ほの研ブログ - 行事カテゴリのエントリ

27年度継続コースがスタート

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ほの研日誌 » 行事
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NegishiK 2015-5-31 8:00
  継続コースでは、防ぎうる認知症にかからない生活を保つことを目標に、認知機能訓練となる会話支援手法として、共想法を実施しています。
  「最近の体験を覚える。最近の体験を思い出す。過去の体験を思い出す。」これらの事は認知症が進行するとだんだん難しくなります。これを防ぐには日頃から、良く見る、聞く、話す、覚えて思い出すという訓練が必要で、常に新しい話題を吸収することが、大切だといわれています。
  いよいよ、今年度の継続コースがスタートしました。まずは4月21日オリエンテーションには9名に参加していただきました。13時30分から15時30分まで、?大武先生の挨拶 ?継続コースのビデオ鑑賞 ?研究員を含む全員の自己紹介 ?講師の田崎研究員によるタブレット演習のスケジュールで実施しました。
  ほのぼの研究所より全員にタブレットを1台ずつ貸し出し、タブレットに触れるのが初めての方でも写真が撮れる段階まで、丁寧な説明をしました。例え何度か失敗しても夏学期を通じてマスターしていただければ、幸いだと思っています。


タブレットで特訓中の参加者と田崎講師

  夏学期は5月12日から7月7日までにわたり4回実施、テーマは「小さな発見」「居心地の良い場所」「衣替え」「これも芸術」と毎回異なるテーマで、話題提供していただくつもりです。また今学期から、併せて話題提供していただいた写真の説明を200字にまとめていただく作業もしていただきます。
  秋学期には街歩き共想法にも参加していただき、旅行をしながら脳トレをして思い出す、そして皆様が写した写真を中心にした本作りにも着手する予定にしています。
  今年度も楽しみながら継続コースを行っていきたいと思っています。


継続コースの受講者と市民研究員

市民研究員 佐藤由紀子

千葉市生涯学習センター講座報告

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ほの研日誌 » 行事
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SatoK 2015-5-24 8:00
 2015年3月27日(金)10:00-12:00、千葉市生涯学習センター大研修室において、同所主催『60代からのハッピーライフ』〜脳を活性化して健康寿命をのばそう!〜シリーズ「『共想法』から学ぶ ことばの力で加齢に強い脳をつくる」と題した講座を受け持ちました。
 50余名の方々に受講いただき、ほのぼの研究所からは、事務局長の長谷川と講師として市民研究員田口が参加しました。なお、開講に当たっては、同所ご担当はもとより、講座運営支援ボランティア学びコムの方々にも多大なご協力をいただきました。

 ご担当の佐々木陽子様の挨拶・紹介に続き、大武先生監修の動画資料並びに論文、寄稿記事をもとに認知症、認知症予防に関する考え方、そして認知症予防回復支援手法である『共想法』、『街歩き共想法』、大武先生の研究やほのぼの研究所の活動について講義を進めていきました。


体験を交えて講義する田口市民研究員と長谷川事務局長


 最初にNHKの『おはよう日本』のビデオで『共想法』やほのぼの研究所の概要を伝えしました。その後、「10年前にくも膜下出血で緊急入院をしました。幸い後遺症もなく回復した私でも、3週間の集中治療室での生活を余儀なくされ、52日間の入院生活で身体じゅうの筋肉が萎えて体力は落ち、思考力も低下、退院後も四六時中赤ちゃんのように眠る生活が1年間続きました。これではいけないと歩く練習を始めました。柏市介護予防センターに通いリハビリに努めました。今日の講義でも触れますが、皆さんは脳障害を起こさないように心掛けて下さい、周りで不自由な方がいたら、支えて上げて下さい。ひとりひとり障害の程度は違うので、リハビリの効果が上がらない人もいます。私は一例ですから比べないでいただきたい」と当事者としての思いの丈を披露、さらに、認知症になりたくない一心で参加したほのぼの研究所の『共想法』との出会い、現在の元気を取り戻すまでの8年間の体験を述べさせていただきました。

 次の『夢の扉+』のビデオ視聴では、大武先生の認知症予防等に関する研究やほのぼの研究所の活動、認知症予防手法である『共想法』についての興味をさらに深めていただきました。

 さらに、「認知症予防に役立つICT(情報通信技術)―防ぎうる認知症にかからない社会に向けて」と題する大武先生の論文(論文[1])をもとに、認知症の定義、発生リスクを高める生活習慣とその予防方法について、図1を用いて説明いたしました。


図ー1認知症の発症リスクを高める生活習慣、症状と生活習慣病(論文[1]より)


 《認知症は、一度発達した認知機能が後天的な障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障を来すようになった状態であることです。その発症を防ぐには、発症のリスクを高める危険因子を取り除く、すなわち中年期からかかりやすい糖尿病、高血圧、心臓病といった生活習慣病を防ぐことが大切です(図ー1)。生活習慣を改善しこれらの病気を予防、症状を抑えたりすることで認知症発症の確率を下げることができるのです。》


表ー4 認知症の発症を抑制する因子と栄養の関係(論文[1]より)


 《また、その予防のためには、認知症発症の抑制因子であるところの食事、運動、知的活動、社会的交流生活を生活の中に積極的に取り入れることが大切です(表-4) 。食事は量と質を考えて摂ること、運動については1週間に3回以上、少々汗をかく程度の有酸素運動がお奨めです。文章を読んだりゲームをしたり囲碁、将棋、料理、パソコンなど楽しみながら知的活動を生活習慣に取り入れることや、引きこもらずに積極的に外に出て人と社会的交流の機会を持ち、会話することが有効であるとされています。》

 いよいよ今講座の本題「『共想法』による認知症予防、言葉の力で加齢に強い脳を作る」:認知機能訓練のための認知症予防会話支援手法『共想法』の説明になりました。
 《認知症発症を抑制する因子のうち知的活動と社会的交流の基礎となるのが会話です。テーマに沿って話題と写真を用意し、一人ずつの持ち時間を決めてグループで会話をする『共想法』は、話題や写真を用意する段階で体験記憶の活用を支援し、人の話を聞きながら話を考え、話をしながら周囲の反応を聞く、複数のことに同時に注意を向けることで注意分割機能の活用力が養われます。さらにテーマに沿って準備した話題を、時間内にまとまるよう組み立てて話す計画力を含む実行機能の活用を支援します。こうして実施項目と認知機能を対応づけてみると、『共想法』は参加者が認知症予防を目的としていることを意識して参加し、認知症予防効果が上がるように一工夫して行うことから見て、目的型の認知症リハビリと位置付けられます。》

 《認知症は現状では一度発症すると、進行の遅延や症状の緩和はできても、完治する治療法は確立していません。そのため発症の予防が最も重要であり、今後の超高齢社会を考えると社会全体としての発症率を減らすことが不可欠です。
近年、口腔ケアの習慣化普及活動や「8020運動」が奏功して、それまで20%だった55歳から64歳の歯が1本もない人の率が、今ではその10分の1の 2%に激減しました。脳に対してもこのような生活習慣が行き渡ることで認知症発症率が低く抑えられ、「防ぎうる認知症にかからない社会を創る」ことを目標に、研究が続けられています。》

 最後にこれまでの『共想法』を、社会の中でより自然にやっていくひとつの手法として開発された『街歩き共想法』を、川口SKIPシティでのレポートビデオと大武先生の『毎日フォーラム』「視点」寄稿記事「認知症を防ぐ 新しい話題で会話する『共想法』を開発」(記事[2])を用いて紹介しました。『街歩き共想法』は従来の『共想法』に「街歩き」と組み合わせ、健康づくりと楽しみを付加した新しい会話支援手法です。

 千葉市での講座のため、同市海浜ニュータウン高洲団地にて団地再生プロジェクトの一環として、住民の意見を反映した高齢者向けリフォームを話題にして行った『海浜ニュータウン街歩き共想法』の写真も紹介して、興味を持っていただきました。


床を上げ、手すりをつけてどの世代にも使いやすくリフォームされた風呂場
(海浜ニュータウン街歩き共想法話題提供写真)


 また、『街歩き共想法』が参加者や実施者の利便性や社会への受容性を高めるために、撮影や画像登録にタブレット端末を使用するようになったこと、他の機関・企業、多世代との連携、他エリアでの開催等々、回を重ねるごとに進化を続け、多角的になってきていることも伝えました。

 講義終了後の質疑応答では『共想法』は高齢者同士だけではなく、多世代間の交流においてさらに効果が発揮されるのではないかという前向きな意見を頂戴し、大いに納得するとともに、興味を持っていただけたことに感謝しました。

 今回の講座は『共想法』体験デモを実施せず、講義中心だったため、十分に理解していただけたのかと反応が大変気になりましたが、事後のアンケートでは回答者の9割近くから好意的ご意見をいただきました。そして、「会話」「コミュニケーション」やそれらによる脳の活性化、そして認知症予防の大切さについて同感、理解していただけた感想が多かったのは大変嬉しいことでした。また、講師の体験に裏打ちされた講義内容に共感して下さったという温かいお声を頂戴したことは有難く、今後の励みとなりました。

[1] 大武美保子.認知症予防に役立つ ICT ─防ぎ得る認知症にかからない社会に向けて─, 情報処理, Vol.56, No.2, pp. 145-151, 2015.
[2] 大武美保子.認知症を防ぐ 新しい話題で会話する「共想法」を開発, 毎日フォーラム, 2014年10月号,pp.38-39.

市民研究員 田口良江

                                  

スイス交流街歩き共想法 実施報告

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ほの研日誌 » 行事
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NegishiK 2015-5-3 8:00
 2015年3月20日13時より、ほのぼの研究所市民研究員は、3月18日から東京で開催された独立行政法人科学技術振興機構とスイスのチューリッヒ大学が主催し、スイス大使館が協賛するJAPANESE-SWISS JOINT WORKSHOP ON "AGING,HEALTH, AND TECHNOLOGY” (「加齢と健康とそれらに関する技術」に関する日本ースイス共同ワークショップ)の最終日に組み込まれた、柏の葉スマートシティにおける現地視察の、現地サポートをさせていただきました。

日本−スイス「AGING, HEALTH, AND TECHNOLOGY」共同ワークショップの開催について(科学技術振興機構トピックスへリンク)

 このワークショップの議長は、ほのぼの研究所の海外研究交流拠点であるチューリッヒ大学教授のマーク・マーティン先生と、千葉大学准教授でほのぼの研究所所長の大武先生でした。マーティン先生とは以前、スカイプを介して交流をさせていただいたこともありましたので、お目にかかるのが大変楽しみでした。



参加者とほのぼの研究所研究員との顔合わせ・挨拶



 ミュージアム内ドームシアターを見学する参加者

まずは、柏の葉スマートシティミュージアムロビーで、連日の研究発表や討議の疲れも見せずに訪れた参加者30余名と、サポートを受け持つ研究員とのグループごとの初顔合わせです。記念撮影、挨拶、タブレット操作方法の説明等を済ませた後、ミュージアムの見学がスタートしました。ここでは、英語のイヤホンガイドサービスが提供され、ITを駆使したダイナミックなプレゼンテーションや展示は好評で、街づくりのコンセプトや概要を理解していただけたようでした。


ゲートスクエアのインフォメーションボードで施設を検索する参加者

 いよいよ、屋外に出て1グループにつきプ2台のタブレットを携えての、街歩きグループ行動が始まりました。研究員の役目は、日本人研究者に通訳をお願いしてガイド、タブレットによる写真撮影をサポートすることでした。幸いなことに、研究者の方々にはタブレット操作はお手のものでしたので、身振り手振り、年々在庫減少の途を辿る英語語彙をフル稼働して、街並みや施設の迷ガイドに専念することができました。


まちの健康研究所を見学中の参加者

 次いで訪れたのは、ららぽーと北館3階の、街のすこやかステーションフロアのまちの健康研究所「あ・し・た」。「食べる」「歩く」「しゃべる(コミュニケーションをとる)」ことで、年齢を問わず、街ぐるみで健康づくりを目指すというコンセプトは、参加者の研究にも関係が深いことから、所長みずから英語のガイドを買って出て下さいました。熱の入ったトークには笑いが起こり、体力測定にも渾身でチャレンジして下さる等、関心を持っていただけた様子でした。


スイスから訪れた研究者が多数参加した「共想法」



「共想法」の質疑応答に会場も引き込まれて…

いよいよ共想法デモンストレーション実施会場KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)に到着。3Dファクトリーの見学後、季節の和菓子(桜餅、草餅等)等を添えてのティーブレイクで一休み。女性達には、お土産に用意した古裂の小物や千代紙も好評で,笑顔の輪が広がりました。
 海外の方にとっての共想法の受け止め方には関心がありましたが、提供された話題はスマートートシティ関連ばかりでなく、コカ・コーラや沿線鉄道のディスカウントチケットの自販機等、日本の不思議発見にも至り、多様な発想はとても興味深いものでした。また質疑応答も盛んに行われ、それに聴衆の方々も引き込まれている様子を実感できたことは収穫でした。

 盛会の余韻を楽しむ余裕もなく、あわただしくお別れの時が到来してしまいましたので、バス延着で30分短縮された過密スケジュールの現地サポートは、実に濃密すぎるものでした。言葉の厚い壁がある中、大勢の、しかも外来の参加者への準備や対応は初めて尽くしで、いつも以上に脳も身体も活性化され、かつ少々疲労したことも事実です。しかしながら、アンケートの中に私たちのサポートに対して、「非常に友好的で親切…」という温かいコメントをみつけた時には、それは快いものに変わったことでした。

 最後に、大勢の英語ガイド受け入れや度重なるスケジュール変更に、臨機応変に快く応じ、アドバイスをして下さった柏の葉スマートミュージアム、まちの健康研究所、KOIL、UDCK等、関係各位に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

市民研究員 長久秀子

 

足助街歩き共想法 実施報告2

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ほの研日誌 » 行事
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ShimizuK 2015-4-26 8:00
 ほのぼの研究所では、2014年1月来、共想法と街歩きを組み合わせた手法「街歩き共想法」を本拠地の関東地方で実施してきました。6回目は2015年3月12日愛知県豊田市足助町にて実施しました。全体の流れについては、「足助街歩き共想法 実施報告1」にて紹介しましたので、ここでは、街歩きの様子について報告します。
 足助町の街歩きは足助観光モデルコースのうち、「おすすめコース」(30分)、「伊那街道コース」(20分)、「よくばり散歩コース」(60分)のコースを辿るという、3グループに分かれてスタートしました。
 それぞれのグループは案内役の名古屋大学の先生や学生、地元の方が3〜4人、岸和田や岡崎からの共想法体験希望の参加者を含めたほのぼの研究所関係者からなり、リーダー、サブリーダーは、ほのぼの研究所の市民研究員が務めました。それぞれに企業からの見学者も加わりましたので、多世代によるにぎやかな街歩きとなりました。
 幸い?にも、観光客が押し寄せる町ひな祭りのイベントや、花の季節の端境期でしたので、車の往来を多少気にしつつも、各コース共通の常夜灯を起点に、豊かな自然の中に大切に残された古い街を、気兼ねなくゆるりと巡ることができました。

足助商工会を地元の参加者とタブレットで撮影する


昔の趣を残している魚屋さん店舗

「おすすめコース」のメンバーは、案内役の名大の剣持先生、地元女性3人と岸和田から共想法体験参加の方を含めたほのぼの研究所、以下略して、ほの研関係者4名。「年齢詐称では?」と伺ってしまうほど、女子力いまだ健在の疲れ知らずの地元の3人は、タブレット操作も程なくマスター、かわるがわる写真を撮っては、見学の若い方々を含めた周囲に説明して下さいました。そして時には、他のグループと合流してと、非常に和やかな雰囲気で巡ることができました。また、この街歩きが、これまで面識のなかった地元の方同士が、親しくなられるきっかけになったと確認できたことも、嬉しいことでした。

マンリン書店周辺をじっくり観察して往時をしのぶ


漆喰塗籠の壁や下見板の仕上げが歴史を感じさせるマンリン小路

「伊那街道コース」のメンバーは、案内役の名古屋大学生、地元の方3名、岡崎市からいらした共想法体験参加の方を含めた、ほの研関係者4名でした。スタート早々、地元の方々から伺った、間もなく咲き始めるかたくりの花や、猪や鹿の獣害の話に、豊かな自然にも興味が膨らみました。他のグループと比べると、見学スポットは少なめの設定でしたが、その分、地元の方のお話をじっくり伺うことができました。例えば、おすすめスポットのマンリン小路ではお話を参考に狭い路地を何度も行き来したり、残念ながら当日休業のマンリン書店の中を外から覗いて想像を巡らせたりと、来し方に思いを馳せながら、古い建物や街の雰囲気を満喫できたような気がします。

古い造りのままの和菓子屋さん店舗奥吹き抜けの部屋


猪料理を扱う料理屋さん店舗前に吊るされていた猪の皮

「よくばり散歩コース」には、案内役の名古屋大学生、地元の方4名、岸和田からの共想法体験参加の方、大武先生を含めた、ほの研関係者7名が参加しました。このグループの強みは、地元参加組女性3人の長めの所要時間も楽々クリアの元気パワーと、「足助のことなら全てお任せ」の名ガイドジェントルマンの存在でした。何を伺っても即、淀みなく案内パンフレットに及びもつかないことまで克明に説明して下さり、さらに地元の方々がご自身にまつわるお話を添えて下さいましたので、 多くのスポットを巡ったにもかかわらず、疲れを感じる間もなく充実した時間を過ごすことができました。
 街歩き半ばに昼食に立ち寄った塩の道づれ家では、他のグループの方々ともご一緒できましたので、地元食材を添えた美味しいおそばに舌鼓を打ちながら、街のことばかりでなく、足助の皆様の日々の様子も伺うことができました。
 街歩きの後の共想法では、観光スポットや何気なくみつけた街中の発見について、自身のエピソードや街の歴史・慣習などをもとに多様な話題が提供され、質疑応答では様々な角度から、街歩き時には収集しきれなかった盛りだくさんの情報が加えられましたので、今それが叶わないことはわかっていても、「もう一度確認しに行きたい」「知らなかった(行かなかった)ので、訪れたい」、「ひな祭り、かたくり、桜、紅葉…の時季にはまた必ず!」との思いを強くしたことでした。何より嬉しかったのは、地元や体験参加の方々が、初めてとは思えないほど活発に話題提供をして下さり、他のグループの共想法の様子を楽しそうにご覧になっていたことです。

澄んだ足助川と河畔に立ち並ぶ住宅

 足助町で強く感じたのは、環境保全にも配慮して、美しい自然と古い街並みを保存している足助町への誇りと親しみがとても強いこと、そして、足助病院を中心とした街ぐるみの高齢者の健康づくりが、生活に根付いていることです。町民も協力した、河川の環境保全や自然資産の保全・育成や街づくりによって、豊かで美しい自然を享受でき、観光資産の創生が叶ったことを話題にする時の面差しは誇らしげで、満足げに見えました。

足助病院で開催されている高齢者向け教室の案内

 院長先生を中心に開催されている、足助病院の高齢者向けの様々な教室は楽しく、中山間地でも利用しやすいよう、足の便も工夫されているとのこと。地域に密着した心身の健康づくりに、高齢者が積極的に参加できることは非常に羨ましく、その結果、今回こうした元気な方々と出会い、初対面同志でもすぐに打ち解けることができて、楽しい時と情報を共有できたことを心より感謝した次第です。

市民研究員・足助町街歩き共想法グループリーダー:田口良江、清水きよみ、長久秀子

足助街歩き共想法 実施報告1

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ほの研日誌 » 行事
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ShimizuK 2015-4-19 8:00
 ほのぼの研究所では、2014年1月来共想法と街歩きを組み合わせた手法「街歩き共想法」を、本拠地の関東地方で実施してきました。6回目は、2015年3月12日、愛知県豊田市足助町にて実施しました。
 これは中部地方での初の試みであるばかりか、名古屋大学、足助病院のご協力のもと、中山間地の観光地という地域特性の中での、健康づくりに熱心な住民の方々を交えての実施、名古屋大学未来社会創造機構が進める研究の一環として、認知症の予防法としての効果が期待される「共想法」の、名古屋大が開発する行動センシング技術や対話理解技術の適用可能性を検討する実験としてと、初めて尽くしの多角的なものとなりました。
足助町から11名(60代〜80代)、名古屋大学から3名、かねてより共想法に興味を持たれていた愛知県岡崎市や大阪府岸和田市からの共想法体験参加の方を含めた、ほのぼの研究所関係14名が参加しました。
こうした研究テーマは企業からの注目度も高いのでしょう、T社:3名、名古屋大学COIサステナブル基盤:4名(含むP社2名)、名古屋大学COI情報基盤:2名(含むF社1名)、H社:1名と、企業からの見学者も大勢ありました。
 前々日の雪が解けても、「春浅し」を感じさせる気温でしたが、お天気には恵まれました。

 受付にて各種測定端末機器を受け取る

10時、足助病院に集合して各種測定端末を受け取った後、名古屋大学の剣持先生の司会で、オリエンテーションが始まりました。名古屋大学の武田先生や未来社会創造機構の方、大武先生の挨拶の後、共想法(TBSテレビ『夢の扉+』のビデオ視聴を含む)や、タブレットによる写真撮影方法の説明がありました。
 11時、地元の参加者と顔合わせをして早速、「おすすめコース」、「欲張り散歩コース」、「伊奈街道ゆっくりコース」の3コースに分かれて、足助町旧市街の街歩きに繰り出しました。


 共通のスタート地点常夜灯前にて地元情報に精通した参加者の説明を聞く

地元の参加者は、高齢者の健康づくりに熱心な足助病院での公募に応じられた方々だけに、元気で活発な方々が多く、早速打ち解けることができました。

足取りも軽くいざ、街歩きに出発

町のあらゆることに詳しい生き字引のようなガイドさんがいらしたグループ、仲良くタブレットで写真を撮り合いながら、地元情報を披露し合ったグループ、メンバーのペースや要望に応じてゆっくり、でもじっくりと散策したグループと、それぞれが親交を深めながら、自然と歴史が美しく融合した足助町を楽しく巡ることができました。

塩の道づれ家にて昼食のおそばを待ちながら歓談

 昼食は、塩の道ずれ家というおそば屋さんでいただきました。かつて塩の道で栄えた頃を彷彿とさせる構えのお店で、鮎の甘露煮や蕗の薹の天ぷらなど足助の素材を活かしたものを添えたおそばは、大変美味で心まで休まり、ここでもまた地元のお話をたくさん伺うことができました。
 昼食後もしばらく街歩きを続けた後、足助病院に戻り、14時30分よりいよいよ共想法が始まりました。
 タブレットで撮影した各自「一押し」の観光スポットや、何気なくみつけた街中の発見について、話題提供され、それに質疑応答という流れはいつもどおりでした。しかし知らない土地へ赴いての共想法では、特に来訪者の話題に対して、地元の方々が歴史や恒例の季節行事、慣習などの情報を提供して下さることが多く、一緒に巡ったところや興味を持ったことに対しての興味が一段と高まり、時間と情報を共有する楽しさを味わい、笑顔の絶えないひとときとなりました。地元の方々や遠方から初めて体験参加をされた方々が初めての共想法とは思えないほど活発に話題提供をして下さったことは嬉しいことでした。一方、限定された時間内に話すことの難しさを痛感した体験者の声も印象に残りました。

地元の方々、体験参加の方々を交えての共想法実施風景

 16時の共想法終了後は、しばしお茶のひととき、甘いお菓子で本日の快い疲れを癒しました。
 そして、かたくり、桜、もみじの頃にはまた訪れてみたいという思いを募らせつつ、名残惜しい足助町を後にしました。 
 最後になりましたが、この街歩き共想法に対して参加者募集、街歩きコースの計画等、企画段階から多大なご尽力を頂きました名古屋大学情報科学研究科武田一哉先生、同環境学研究科研究員剱持千歩先生、足助病院早川富博院長先生並びに関係の皆様に厚く御礼申し上げます。有難うございました。
 なお、この街歩きの様子は、次週「足助街歩き共想法 実施報告2」にて引き続きお届けいたします。

市民研究員 根岸勝壽

ほのぼの研究所 2014年度合同研修報告

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ほの研日誌 » 行事
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TasakiT 2015-3-15 8:00
 2015年1月24日(土)、恒例のほのぼの研究所合同研修が、流山生涯学習センターで開催されました。1年1回関係者が集まり、通期を反省、次期のテーマ、課題をみんなで討議・話し合うものです。
 大武先生、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所横田孝子さん、立教大学大学院在籍の宮坂洋子さん、協働事業者のNPO法人きらりびとみやしろ、介護老人保健施設マカベシルバートピアのメンバー、ほのぼの研究所市民研究員、そして千葉大学大学院大武研究室の山口健太さんの総勢14名が、熱く、時には愉快に語り合い、高め合うことができました。

 先ず、大武先生が、今回の合同研修の目的と趣旨、以下の通りの午前・午後四部構成のテーマとスケジュール説明、そしてスケジュール管理を徹底して、積極的意見交換の場としたいという期待を述べられました。
  午前の部1-ありたい共想法の姿を考える
  午前の部2-2014年度の共想法 協働事業成果発表
  午後の部1-2014年度と2015年度の共想法
  午後の部2-総合討論

<午前の部1-ありたい共想法の姿を考える>
 トップバッターは大武研究室の山口健太さんの「 共想法形式のグループ会話と認知機能の相関」「高齢者のグループ会話分析に基づく会話支援ロボットの開発 」についての発表でした。ほのぼの研究所にかかわる多くがその実験に参加・協力したこともあり、大変興味深い内容でした。

 次いで、科学技術振興機構の調査事業を、大武先生と共に手がけている、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所の横田孝子さんから『高齢者が若者・次世代を支える持続可能な社会』ビジョンへのロジック作成」と題して、高齢者が若者・次世代育成領域に貢献するコミュニティを創生を目指す「共想法による多世代交流支援」に関する調査の進捗報告がありました。この調査の一環として行われた、全4回のワークショップには、市民研究員が毎回参加し、多世代、他分野の方々と意見交換しました。

 立教大学大学院で学んでいる宮坂洋子さんからは、「コーチングに活かせる共想法の手法」のテーマで、専門家としてのコーチングの紹介と、共想法に興味を抱いた経緯や、取り組もうとしている研究について、お話しいただきました。

<午前の部2 -2014年度の共想法 協働事業成果発表>
  協働事業を実施しているマカベシルバートピアの永田映子さんからは、2011年のスタートから3年経過した月2回のマカべ「お話の会」を実施する上での工夫や、苦労が披露されました。参加者にとっては、テーマ別にゴールに達するよりも、そこに達するという気持ちが大切であること、さらには、直近の半年間は参加者の状態が安定していたため、仲間意識が生まれ、交流が活発になる等の波及効果が認められるようになったという、喜ばしい報告がありました。

 きらりびとみやしろからは、田崎誉代さんが代表して、「きらりびとの共想法この一年と新たな課題」と題して、健常高齢者のグループによる共想法(2か月に4回×3グループ)が4年を経過したことによる課題解消のために、様々な工夫を重ねている事例を述べられました。その中で、タブレット(ほのタブ)を導入したことで、チームに新しい刺激と活気がもたらされたと、こちらからも嬉しい報告がありました。
 さらに、伊奈県民活動センターでの生きがい大学において、埼玉県から委託された共想法の体験授業(座学と共想法の体験)も実施し、多くの方々に共想法を知っていただく貴重な機会があったという報告もありました。


合同研修 実施の様子

<午後の部1- 2014年度と2015年度の共想法>
 まずは、市民研究員の根岸勝壽さんから、実施者として活動できる人材育成の発掘を目指して、『夢の扉+』をきっかけに興味を持たれた方を含めた12名でスタートした、実践コースのカリキュラムと、その一環として実践された柏の葉スマートシティ、川口市のスキップシティでの「街歩き共想法」の実施報告がありました。

 次に、「継続コースのこの1年」と題した、市民研究員の佐藤由紀子さんと田口良江さんから活動報告がありました。4年目を迎えた今年度は、夏・秋・冬の3学期制を取り入れたこと、そして、2大トピックとして、「ほのタブの導入」と「千葉大学学生の共想法への参加」が挙げられました。タブレットを各自所持することで、常に新しい話題を探す1日1話の生活習慣を身につけ、共想法の準備をする段階での、効果的な認知活動を支援できるようになりました。また、学生と共に行う共想法による世代間交流は、若い世代の気持ちや興味を知り、会話を交わすことで、気持ちが高揚し、大きな刺激や楽しみにつながったとのこと。「新たな試みとメンバーで世界が広がる」との結論は、言い得て妙でした。

 その後、これまでの街歩き共想法の動画記録を確認した後、大武先生から数回の実施で手ごたえを確認した「街歩き共想法」をウォーキンググループ等他団体との連携、旅行社等との協働で、さらに進化・発展させていきたいという構想が述べられました。そのひとつとして、近々の名古屋大学との協働企画を3月に予定していること、その他団体との協働企画も検討中とのお話でした。
 また、カルチャーセンターでは、受講者に実践を通して新しい話題探しに取り組んでもらう『会話のアンチエイジング』講座が開設され、研究員の何人かが講師として派遣されることも明らかになりました。
 このように、これまでの自主活動から一歩進んで、有償化に向けて動き出し始める兆しが多々感じられ、研究員ひとりひとりの責任が大きくなっていくことを実感しました。


総合討論に用いられたホワイトボード


<午後の部2-総合討論>
 最後の総合討論では、現在のほのぼの研究所の最大の課題でもある「新メンバー(参加者・実施者)をどうやって集めるか」を解決するために、これまでの社会経験、ほのぼの研究所経験を踏まえて、「共想法の向き不向き/効果、変化/探し方、広め方」を中心に、理想像・あるべき姿について、横田さんにファシリテーターをお願いして、ホワイトボードを活用してホンネで議論をたたかわせました。

 これまで馴染みが薄かった方法も取り入れての濃密な研修は、多く成果を得て無事終了。冷え込みが増した寒風で、ほてった頭を少々冷やして、懇親会会場へと向かいました。


合同研修参加者

市民研究員 佐藤和子

  ほのぼの研究所では、街歩きと共想法を組み合わせた「街歩き共想法」が考案され、認知症予防と同時に健康づくりを目的とした取り組みを各方面で実施してまいりました。第5回は、埼玉県川口市、「SKIPシティ」を舞台に開催しまし た。 
  街歩きしたグループ毎に報告します。今回は、「ゆっくりグループ」からの実施報告です。企画全体の報告は、SKIPシティ川口街歩き共想法の実施報告をご覧ください。

  ゆっくりグループC班メンバーの多くは柏市集合組、貸し切りバスは心配された高速道路の大渋滞もなく、スムーズに進みました。出発時に吹き荒れていた前夜来の初木枯しもおさまり、雲ひとつない秋空のもと、住宅地の中に突如として現れた広大な敷地にそびえたつ、SKIPシティの立派な建物群に、期待が膨らんだことでした。
  全体集合の後、若い参加メンバーと合流して、8名の班行動がスタート。

くらっしー君

  最初の見学コース、彩の国くらしプラザの入り口では、愛らしい挨拶で迎えてくれた同館のキャラクターくらっしー君に、一同思わず、にっこり、ほっこり。消費生活に関する知識を、ゲーム感覚で体得できるスクールを横切って、シアターに入りました。リラックスした雰囲気の中で、堅苦しくなりがちな消費者トラブルや環境問題について、キャラクターのフレンドリーな会話や映像を効果的に使い、クイズ形式で考えさせる工夫はなかなか巧妙で、小さい頃からの消費者教育の重要性も痛感しました。

  次いで人気スポット、ビジュアルプラザの映像ミュージアムツァーへ。往年の映画青年やカメラ・ビデオ好きには、ガイダンスルームで同席した社会科見学の小学生達のさざめきさえも、わくわく感をかきたてる格好のプレリュード(前奏曲)となった様子でした。

集中力フル稼働で映像ミュージアム見学中

液晶テレビの仕組みの説明

  まずは、2階の映像学習ゾーンへ進み、映像の原理、撮影・編集、アニメ等の映像の仕組みを、装置や機材等を目の当たりにし、ガイドさんの熱い説明にも感心しきり。薄暗い中、様々な装置、映像にふれては、「懐かしい」「面白い」「「納得した」「驚いた」等の思いが交錯、そして共想法に使う写真を撮影するために、デジカメやタブレットも操作しなければ!ガイドさんにも遅れずについて行かなければ!と、集中力はいつになくフル稼働。きっと脳も身体も大いに活性化したことでしょう。圧巻の映画制作現場の緻密で壮大な大ジオラマに魅せられた後、3階の映像制作ゾーンへ移動しました。

撮影現場ジオラマ見学の様子

空飛ぶ魔法のじゅうたんに乗って世界旅行

  ここには、本格的な機材を使って映像制作ができるスタジオがありましたが、一番人気は「世界一周旅行」が楽しめる合成映像体験でした。「私も」「私も」と、積極的に何人もが演技派の女優になりきって、「空飛ぶ魔法のじゅうたん」で世界旅行に出発、童心にかえったような嬉々とした様子に、心が和んだことでした。
 どこも見どころ、押さえどころ満載で、あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、一旦昼食休憩。

特大のパラボラアンテナ

川口ならではの鋳物製の水銀灯

  午後からは、共想法に使う写真を選んで一息ついたところで、休憩希望者等を除いた数名が、健脚グループの大武先生や学生さんと一緒に、地元在住の研究員の案内でくらしプラザの外に出ました。そして、スキップシティ全景を見渡して、改めてその広大な敷地面積を体感することができました。
  通りの一角で花壇の手入れをしていらっしゃる方に声を掛けたり、大きなパラボラアンテナを見に行ったり、さすが川口!と鋳物製の水銀灯を撫でたりした後、急いでビジュアルプラザに戻り、ゆっくりグループの予定だったNHKドキュメント映像の視聴や、買物を駆け足でこなし、時間ぎりぎりで共想法実施会場に戻りました。

  共想法で、話題提供者の新しい発見やこだわり、ものの見方に共感、驚嘆しているうちに、楽しいひとときは瞬く間に過ぎてしまいました。
 帰りのバスに乗り込むのが精いっぱいの、慌ただしいスケジュールでしたが、自分では進んで訪れることがないであろう街を訪れ、短時間に実に様々な体験をし、それらを参加者同士共有できたことに心から感謝しながら、SKIPシティを後にしました。
 

ゆっくりグループ 長久秀子・佐藤由紀子

 
 ほのぼの研究所では、街歩きと共想法を組み合わせた「街歩き共想法」が考案され、認知症予防と同時に健康づくりを目的とした取り組みとして、各地で実施してまいりました。第5回は、埼玉県川口市、「SKIPシティ」を舞台に開催しました。街歩きしたグループ毎に報告します。企画全体の報告は SKIPシティ川口街歩き共想法 実施報告 をご覧ください。


たっぷりグループのメンバー

 たっぷりグループは中央のジェントルマンと彼を囲んだ女性7名の計8名、好奇心旺盛なメンバーが揃いました。
 展示物が目白押しの映像ミュージアムでは、見るもの聞くことすべてが物珍しく、目まぐるしく館内を歩きながら必死に写真を撮りました。


映画スタッフワークの現場

  スタッフワークの現場では、一本の映画を作るにはこれほどの多職種のスタッフが必要なのだと改めて知り、感動しました。また、「ロケ弁」は日本のテレビ等ではお馴染みですが、海外では撮影現場で料理を作るケータリングが一般的だということを教えていただきました。


興味津々の映画作りの現場

  往年の大スターの展示には、その面影を辛うじて思い出せる年代としてとても懐かしく思いました。黒澤明監督をはじめとする才能豊かな映画監督等、今日の日本の映像文化を作り上げた人々の努力の跡をたどることができる場所として、世界に誇れる貴重な施設であると確信しました。また、新しい技術を体験できる参加型の展示として、天気予報の画面をその場で合成できる装置がありました。本職のアナウンサー顔負けの才能を発揮するメンバーがいて、お互いに楽しむことができました。


映像公開ライブラリー

 昼食の後、まず映像公開ライブラリーを訪れました。ここは大変多くのNHKの番組や価値のある貴重な映像の中から希望するものを視聴することができる施設です。メンバーに特別希望がなかったので、紅白歌合戦の映像を鑑賞しました。白組の司会は宮田輝アナウンサーで、若かりし頃の北島三郎、村田英雄、ペギー葉山、水前寺清子等の歌手達が出演していて懐かしく思いました。


NHKTV人形劇歴代の登場人物たち


NHKショップのキャラクターとの撮影スポット

  NHKショップのバナーナ夫人をはじめ、「チロリン村とくるみの木」の野菜達や「ひょっこりひょうたん島」の登場人物等の展示には、童心にかえった気分になりました。チロリン村に声の出演をしていた黒柳徹子さんが今も現役で活躍されているのは、素晴らしいのひとことです。NHKの多くの番組が戦後の子ども達の情操教育に果たした役目の大きさに感慨もひとしおでした。
  天候に左右されずに楽しめる盛りだくさんの施設は、今後家族と訪れてみたい場所のひとつとなりました。また研究員の清水さんに教えていただいた川口市の鋳物産業や植木産業についても大変興味が湧き、この機会がなかったらおそらく川口市を訪れることはなかっただろうと街歩き共想法に参加できたことに感謝しました。

たっぷりグループ 永田映子・野口宗昭

 ほのぼの研究所では、街歩きと共想法を組み合わせた「街歩き共想法」が考案され、認知症予防と同時に健康づくりを目的とした取り組みとして、各地で実施してまいりました。第5回は、埼玉県川口市、「SKIPシティ」を舞台に開催しました。街歩きしたグループ毎に報告します。今回は、「健脚グループ」からの実施報告です。企画全体の報告は SKIPシティ川口街歩き共想法 実施報告をご覧ください。


健脚グループのメンバー

 ベスト観光シーズンの10月下旬、当日は晴天に恵まれ、街歩きを楽しむのには絶好の日和となりました。わが健脚グループは、交通手段等の関係で現地集合を希望された方がほとんどでした。最寄り駅からタクシーに分乗して、集合時刻に余裕をもってSKIPシティへ到着しましたので、柏からバスで訪れる参加者との合流までの間、一息つきながら言葉を交わしました。
 全体集合のあいさつや説明、記念撮影などを済ませた後、グループでの行動開始となりました。メンバーは、総勢7名(実践コース受講者、企業関係者、きらりびとの方々、ほの研メンバー)と、多彩な方々です。


ゲーム感覚で学べるくらっしースクール


双方向交流で学べるくらっしーシアター

 まず、消費生活をテーマにした全国唯一の本格的な参加体験型施設:彩の国くらしプラザの参加体験ゾーンへ行きました。くらっしーシアターでは、くらしプラザのキャラクター:くらっしー君の案内により、最近ニュースで取り上げられることの多いオレオレ詐欺等の悪質商法にあわないようにする心構え等、日々の暮らしに役立つことを色々学びました。各客席に設置されたボタンを操作して回答する双方向、リアルタイムで行われる参加体験型学習は大変面白く、皆さんの朝からの緊張がすっかり緩んだように見えました。

 続いての映像ミュージアム見学からは学生のグループと合流、ガイドさん付きの案内になりました。実際の撮影機器・カメラやセットの展示、撮影現場の模型等を見ながら、わかりやすい説明を受けましたので、映画やテレビ放送の制作過程をとても身近に感じることができました。


映画撮影用の実物カメラ


映写機器と蒸気機関車の画面


 パリの街角のセットでは、実際のカメラを用いて撮影した映像がモニターに映し出されたので、何となくスターになったような気分にさせてくれました。
 ここでの目玉は、何といっても、映像合成技術により、“魔法のじゅうたん”に乗って世界旅行や、恐竜ランドに行ける体験を楽しめたことでした。魔法のじゅうたんの目まぐるしい動きをカメラに収めるのは、思ったより困難でしたが、うまく捉えて撮る楽しみも味わえたようでした。


「空飛ぶじゅうたん」撮影現場

 映像の世界に浸っている間に時計は12時を回っており、あっという間に昼食の時間となりました。共想法に使う写真の選定をした後、共想法実施会場の会議室でお弁当を食べたり、施設内にある飲食店を利用したりと、仲間同士で和気あいあいのひとときを過ごしました。
 その後は、再探検です。主だった女性群は、建造物を外観からも楽しもうと周辺の散策に出かけました。SKIPシティの建物群は少し離れて眺めると、建物の屋上にプラネタリウムのドームや天文台等があることがわかりました。BS衛星放送を発信する巨大なアンテナを眺めた後はNHKアーカイブスに向かいました。ここでは、NHKが保存している懐かしいテレビ番組を観たり、お土産ショップや喫茶コーナーを利用したりして過ごしました。
 短い時間でしたが、皆さんの足取りは軽やかで、さらなる話題発見につながる有意義な街歩き、探検のひとときになったようです。


共想法使用写真「ウサギとカメのオブジェ」



共想法使用写真「効果音を作成する装置」

 午後2時30分くらしプラザ4階の会議室に集合して、いよいよ共想法の開始となりました。メンバーからは「ウサギとカメのオブジェ」や「効果音を作成する装置」等の写真提供があり、大いに話題が広がり、皆さんの大変楽しそうな様子が印象的でした。
 共想法の後は、いつものように会話の余韻を楽しみながらお茶とおやつで一服して、帰宅の途につきました。
 今回の企画に対し、親身になってのご協力、ご支援を賜りましたSKIPシティの関係の方々に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

健脚グループ  根岸勝壽 ・ 清水きよみ

SKIPシティ川口街歩き共想法 実施報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
SatoY 2015-2-8 8:00
  ほのぼの研究所では、街歩きと共想法を組み合わせた「街歩き共想法」が考案され、認知症予防と同時に健康づくりを目的とした取り組みとして、各地で実施してまいりました。2014年10月28日(火)、SKIPシティ川口(埼玉県川口市)において、街歩き共想法が実施されました。柏の葉スマートシティに続く第5回目は、総勢28名の参加者を得て、秋晴れの清々しい日に実施されました。
  定刻の午前10時には、柏よりチャーターバスで来た人、直接現地に集合した人全員が揃い、記念写真を撮影後、各グループに分かれて散策が開始されました。


集合写真

  初めに、全員でゆるキャラの“くらっしー”君のお出迎えを受け、彩の国くらしプラザの映像ホールに入場しました。ここでは、日々の暮らしのいろいろな問題点、オレオレ詐欺の対処法などと、映像を見ての解説がありました。
  11時からの映像ミュージアムでは、健脚グループと学生、ゆっくりグループとたっぷりグループの2班に分かれ、それぞれに解説者がついての散策でした。
色々な撮影設備の厖大さに驚き、触ったりカメラに収めたりの大忙しでしたが、皆さん子供にかえったように楽しんでおりました。
  この様子は、各班の報告に委ねることとして、12時には、くらしプラザの会議室に集合して、昼食となりました。昼食時、参加者は、共想法に必要な各自の写真を選びます。共想法支援システム、ほのパネ準備担当は、選ばれた写真を集め、システムに登録します。その後、14時30分の共想法開始まで、参加者は、健脚、たっぷり、ゆったりの3グループに分かれて散策に出かけました。
  14時30分、いよいよ共想法開始です。参加者を3班に分けて『私の発見』をテーマに、1分共想法を実施しました。


共想法風景

  15時40分、共想法が終了し、皆さん寛いでおやつを頂きました。昼食係おやつ係の幹事さん、ご苦労さまでした。
  16時15分、全員でチャーターのバスに乗り込み、現地集合の参加者がJR西川口駅で下車された後、バスは直通運転で柏に向かいました。ゆったりとした大型バスの中での会話は、盛りだくさんの情報の中から一つの話題にしぼる難しさや、いろいろな角度からの発見に共想法の楽しさが膨らんでいくことなど、街歩き共想法の話題は尽きることはなく、柏駅に到着しました。スタッフの皆様、参加者の皆様と街歩き共想法を共有できた、すばらしい一日となりました。
  尚、この街歩きの様子は、班ごとに3週にわたりまして、皆様にお届けいたします。

SKIPシティ川口街歩き共想法 健脚グループ実施報告
SKIPシティ川口街歩き共想法 たっぷりグループ実施報告
SKIPシティ川口街歩き共想法 ゆっくりグループ実施報告

市民研究員 根岸勝壽