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共想法実施者研修実施報告

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2017-12-10 8:00
 2017年11月16日〜17日の両日、共想法実施者研修を実施しました。学研ココファンスタッフ、学研アカデミー事業室副室長の吉田弥生様が、「共想法ガイドブック」や、「共想法実施マニュアル」作成を手掛けて下さった経緯から、西五反田の学研本社ビル会議室が会場となりました。


ガラス貼り超高層の学研本社ビル

 この研修は、共想法を理解すること、そして共想法の研修の基本を確立することが大きな目的でした。普及のためにも、また今後優先していく効果検証を行っていく上でも、共想法の参加者に、真に効果的な結果を得られるよう参加してもらうためには、実施者がその仕組みや手法を正しく理解した上で、実施することが不可欠であるからです。
 大武先生、理化学研究所、京都大学医学部付属病院、筑波大学、千葉大学、星槎名古屋中学校、産業技術総合研究所等の研究・教育・医療機関の関係者、ほのぼの研究所の市民研究員、そして運営スタッフと、様々な立場の20〜70代の、延べ42名が以下の内容の研修を受講しました。
 11月16日(木)10:00〜18:00
  *講話:共想法とは何か?>大武先生
   「高齢者の認知機能低下と認知症の予防を目的とする会話支援技術の開発」
 *参加者による共想法実演「好きなものごと」司会:ロボット
 *グループワーク「初めての人に共想法を楽しんでもらうには」
  *講話:記憶機能訓練―記憶方略に着目した認知トレーニングの紹介―」
                   >京都大学医学部付属病院 大塚貞男先生
  (懇親会)
  11月17日(金)10:00〜17:00
  *共想法の実施方法について(実施マニュアル)>学研ココファンスタッフ吉田様
  *今後の取り組みとほのぼの研究所の活動について>大武先生
  *共想法司会体験 テーマ「10分歩いてみつけたもの」司会:市民研究員
  *グループワーク「共想法の司会者に必要なことは」
          「共想法に楽しく参加してもらうためには」
  *講評・今後について


参加者の記念撮影(2日目)

  1日目は10:00から、学研ココファンスタッフの吉田弥生様のスケジュール説明、自己紹介、開会挨拶を経て、早速、「高齢者の認知機能低下と認知症の予防を目的とする会話支援技術の開発」と題した、大武先生の講話から始まりました。動画や新版の「共想法ガイドブック」を用いて、高齢になると低下しやすい機能と認知症予防と会話支援手法である「共想法」の関係性、ほのぼの研究所の活動について、丁寧に説明が行われました。さらに、共想法や先生の研究の進化のプロセス、そして、2017年4月に移籍した、理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チームにおける、モノ・手法・データに関する研究活動の3項目が、共想法開発第三ステップ以降の大きな目標であることが、熱く語られました。


認知症予防と共想法に関する大武先生の講話

  参加者と共想法との関わりは、当然のことながらまちまちでしたが、初めての方々には、共想法やほのぼの研究所へのご興味、ご理解を大いに深めていただけたようでした。また、創成期から係ってきたメンバーを含めたほのぼの研究所の市民研究員には、進化のプロセスを振り返りながら、「共想法」の真価を再認識するとともに、改めて体系的に学び直す好機となりました。

  開始早々中身の濃い研修のインターバルのランチタイムは、13階の社員食堂を利用させていただきました。ガラス張りの大きな窓が全壁360度に広がる開放的な空間から、東京タワーや遠い山々を見渡しながら、英気を養うことができました。

  午後は、早速、午前中の講話を踏まえて、「好きなものごと」をテーマの共想法実演に、全員が参加しました。司会は、時間管理に長け、控えめな参加者には発話を促す機能も持ち合わせたロボットのぼのちゃんが担当、コレクション等の趣味、仕事、何よりの好物、ペットなど、多彩な話題がうんちくも込めて提供され、会場は笑いに包まれ、一体感が醸し出され、話し手の想いを共有することができました。


ロボット:ぼのちゃんの司会による共想法実演

  次いで、各自の話題の200字要旨の記入と、実演後の自由会話を兼ねたティーブレイクを経て、これまでの講義や共想法体験をベースに、「初めての人に伝える共想法のよさ」をテーマとするグループワークを行いました。あるべき要素の抽出に加えて、初めて体験した方ならではの、示唆に富んだ新しいアイデアや意見も述べられました。

  座学、実演、グループワークと、バラエティに富んだメニューの研修1日目の最後は、京都大学医学部付属病院精神神経科の大塚貞男先生の、「記憶機能訓練―記憶方略に着目した認知トレーニングの紹介」と題した話題提供でした。精神神経科での臨床研究に基づいたトレーニング方法の知見は、専門性の高い研究や検証のためだけでなく、日常生活にも活用できそうなノウハウやヒントとなるもので、興味深く、身近に感じることができました。


京都大学医学部付属病院精神神経科の大塚先生による話題提供

 タイトなスケジュール終了後は、懇親会会場の13階に移動。ランチタイムとは一変した都会の夜景を目にすると、緊張がほぐれてくるのを実感しました。新しい出会いと知見の獲得、情報の共有、そしてスキルアップの場をもつことができることへ喜びと感謝を述べる、大武先生の乾杯の音頭を皮切りに、歓談の輪が広がり、研修の快い疲れが癒されていきました。

  2日目は、気分一新、高層24階の会議室にて開催されました。「共想法実施マニュアル」に基づいた、吉田様の解説や質疑応答の後、大武先生より今後の共想法、ほのぼの研究所の方向性や展望が述べられ、それに関して、多方向から活発な熱い議論が展開しました。
  午後からは、共想法実施者としてのスキルアップのために、共想法の司会研修を行いました。まずはベテラン市民研究員が、次いで新人研究員が司会者となって、「10分歩いてみつけたもの」というテーマで、共想法を実施しました。新人とは思えない巧みな司会ぶりには感服し、今後の活躍に期待したことでした。
  
  グループワークは、「共想法の司会者に必要だと思うこと」「共想法に楽しんで効果的に参加してもらうために、必要なこと」をテーマとして、個人ワークを経て、喧々諤討論した結果を模造紙にまとめて発表する形式でした。しばらくこうしたワークスタイルとご無沙汰だった市民研究員にとって、若い方々にお知恵を拝借しながらの作業は、刺激的で楽しいものでした。


まずはテーマについてグループ討議


討議結果をまとめて紙面に表現・発表

  最後に大武先生から講評と、総括として研修を通して新たな気づきや課題があったこと、またそれらに対する展望が述べられ、濃密な研修は滞りなく終了しました。

  後になってしまいましたが、この実り多い研修が遂行できましたのは、常に参加者の士気の維持につとめながら、配慮の行き届いた総合司会をして下さった吉田様をはじめとする、運営スタッフの方々のご尽力のおかげだと感謝しております。ここに改めて御礼申し上げます。

市民研究員 長久秀子

  2016年に引き続き本年度も、柏市より受託した柏市認知症予防講座を開講いたしました。講師は今年4月より移籍した理化学研究所で、革新的知能統合センター認知行動支援技術チームリーダー務める、ほのぼの研究所の大武美保子代表理事・所長が担当しました。
  認知症発症者の大幅な増加から生じる喫緊の課題の解消に、市民ひとりひとりがみずから認知症予防を見据えた生活習慣を身に着けることは、紛れもなく必要なことと思われます。昨年度の講座の反省をふまえ、講座名も堅苦しさを感じさせない、親しみやすい「写真と会話で脳トレしよう」として、9月5日と10月3日の両日を通して出席できる60歳以上の柏市民を対象に定員18名で参加を募りました。果たして、男性7名、女性14名の、最高齢90歳代までの21名と定員を若干超えるお申込みがあり、全員に受講していただくことになりました。



ほのぼのプラザ講座担当者の開講挨拶


  初日の9月5日は、新版ほやほやの『共想法ガイドブック』を使用して、認知症予防と共想法の関係を解りやすく説明したのち、さらに、深く理解していただくために、市民研究員が共想法の実演をお目にかけました。「好きな食べ物」をテーマは、身近であったのでしょう、質疑応答の時間には受講生からの場外質問も飛び出すというハプニングもありましたが、講座の会場全体が一体となって、共想法に興味を持っていただけたことと、認識いたしました。



市民研究員による共想法実演後の大武所長の講義


  10月3日の講座では、受講生それぞれが課題として持ち寄った「好きな食べ物」の写真で、共想法体験に挑戦しました。「食べ物」がテーマだけに、活発で、愉快な会話が行き交い、日常の食生活の模様やこだわりも垣間見ることができました。「《かおり》という品種の梨」の話題には、珍しい品種とみえて、興味津々の質問が相次ぎました。またかなり高めだと思われる高級ホテルの「松花堂弁当」の値段を尋ねられて、答えにくそうにしていらっしゃる様子が笑いを誘ったりと、それぞれの話題で、周りの方々と想いを共にすることで、会場が和やかに雰囲気に包まれました。



受講生による共想法体験


  講座終了後のアンケートでは「認知症予防と共想法の関係」について、「理解できた」と答えた方が、また講座全体についても、「満足した」と答えた方が多数でした。
  本講座運営にお力を貸して下さったほのぼのプラザますおのご担当者はじめ、柏市福祉活動推進課の関係者、受講して下さった方々に厚く御礼申し上げます。

市民研究員 魚谷 茜

認知症予防無料講習会実施報告

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2017-10-22 8:00
  2017年9月26日(火)午後3:00〜6:00、パレット柏において、認知症予防無料講習会を開催しました。この講座は、認知症予防と、認知症予防会話支援手法『共想法』を学ぶだけでなく、実際にその実施方法についても理解を深めていただき、共想法に参加していただくことに加えて、さらに実施者としても活躍していただける方々を広く募る目的で、実施しました。また、事務局を2017年4月に柏市の文化・交流複合施設であるパレット柏に移してから、当施設において初めて開講した、記念すべき講座でもありました。
 市内、近隣エリアで公募した結果、柏市、流山市、東京都から、30代から80代までの幅広い年代の14名が参加されました。

開講挨拶をする大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長 

  開会の挨拶の後、大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長(理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チームリーダー)が、新版の老化防止と認知症予防に役立つ『共想法ガイドブック』をもとに、認知症の予防の仕組みと、脳を鍛えていつまでも若々しく保つのに役立つ「共想法」の仕組みと、その認知症予防との関係を、具体的にわかりやすく説明し、その実施方法についても紹介しました。講義の中休みには、ご参加の皆様に、参加動機を添えて自己紹介もしていただきました。

講義に熱心に耳を傾けるご参加の皆様

  その後、市民研究員が「好きなものごと」をテーマにした共想法の実演を披露した後、早速ご参加の方々に、2グループに分かれて、事前に提出をお願いしてあった、実演と同じテーマ「好きなものごと」の写真をもとに、共想法の体験をしていただきました。幅広いジャンルにわたるテーマであることから、好物の飲料、趣味、スポーツ、生業とする手作り作品、海外ボランティア先の様子、故郷、日々のほのぼのとしたエピソード…と多岐にわたる興味深い話題が次々と提供されました。話題提供1分、質疑応答2分という限られた時間設定に、当初は戸惑う方もいらっしゃいましたが、ほどなく慣れていただき、初回とは思えないほど、どの話題にも活発に会話が弾み、ギャラリーをまきこんで、気づき、感動、笑いが相まって、手狭なミーティングスペースには、ひととき熱気と、なんともいえないほのぼのとした一体感が生まれました。

笑顔で共想法体験   

  最後に、ティーブレイクを兼ねたグループミーティングで、講座の感想や共想法への期待等を思い思いに語っていただき、大武所長の総括、アンケート記入をお願いして、閉講いたしました。
 果たして、ご参加のうち数人の方に、早速ほのぼの研究所の活動にご協力いただくご意向を伺うことができて、大変嬉しい限りです。
 ここに改めてご参加いただきましたこと、そして初めての施設利用のため、スケジュール管理や機器の扱いの不慣れや不備でご迷惑をおかけしたにもかかわらず、温かくサポートしていただきましたことに、心より感謝し、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 市民研究員 松村 光輝

 2017年9月15日の午後13時30分から14時30分まで、東京都中央区日本橋の理化学研究所革新知能統合研究センターを、デンマーク高齢者担当大臣が視察され、共想法を体験されましたのでご報告させていただきます。
  日本の面積はデンマークの8倍、人口は25倍ですが、山の少ないデンマークは広々とした印象を受けると聞いたことがあります。高齢化率は日本よりも低めだそうですが、幸福度調査で世界一のデンマークの高齢者担当大臣は、日本の高齢者の長寿に関心を抱かれたようです。
  大臣を含めて4名のゲストは、2名の日本人スタッフと共に会議室に入ってこられました。私は撮影のためにオブザーバーとして臨席していたのですが、入室するなり皆様がにこやかに握手して下さったのでとても嬉しく思いました。


理化学研究所について説明する松本洋一郎理化学研究所理事

 最初に理化学研究所松本洋一郎理事から、100周年となる理化学研究所の歴史と革新知能統合研究センターの設立目的、今後の展望などについての説明がありました。13時45分頃から、大武美保子認知行動支援技術チームリーダー(NPO法人ほのぼの研究所代表理事を兼務)により、高齢者の認知機能低下と認知症の予防効果のある共想法の説明、高齢者対象の実施のビデオ紹介がありました。共想法の実例として、埼玉県のきらりびとみやしろ、茨城県のマカベシルバートピアの様子が映し出されました。


会話支援AI、共想法のシステム、ロボットの説明する大武代表理事

  その後13時50分ごろからは、会話支援AI、共想法のシステム、ロボットの説明があり、ゲストは興味深げに聞いていました。時折ロボットのぼのちゃんの声がするので、次第に会場は和やかな雰囲気に包まれて行きました。いよいよゲスト4名が参加する共想法の時間となりました。ぼのちゃんの待つスクリーンの前に移動し、参加者全員がイヤフォンをつけるとセッションが始まりました。


ゲストによる共想法セッション

   14時5分ごろから、「好きな食べ物」というテーマで、日本食のメニューの中から美味しかった料理を選んで話をしていただきました。席は左からデンマーク高齢者担当大臣チューラさん、保健省事務次官ペアさん、保健省局長シーネさん、保健省大臣特別顧問ミケールさんの順でしたが、写真の説明が耳慣れない言葉で始まったのでこれがデンマーク語なのだと気が付きました。やはり仲間同士では母国語のほうが自然であり、感情も伝えやすいのでしょう。お互いの感想にうなずき、笑い、楽しそうにお話をされていました。ぼのちゃんは全て日本語で司会をし、それぞれの説明が1分、質疑応答が2分のセッションを無事に終えることが出来ました。次に英語でどのような内容だったかを簡単に説明していただき、和やかな雰囲気の中14時半にはセッションが終了しました。


ぼのちゃんも一緒に記念撮影

 最後にぼのちゃんを前にして、全員が記念撮影をして大臣の視察は終了となりました。このような短い時間での訪問でしたが、共想法の魅力やぼのちゃんのかわいらしさは十分にお伝えすることができたように思います。何よりも皆さんがくつろいだ様子でにこやかにお話されていたことが印象的でした。ゲストが退室された後、「今日大臣は欠席でしたか?」と大武チームリーダーに伺ったところ、大臣は看護師の経験を持つ中央の女性だということが分かり、すっかりリラックスしていた私はどっと冷や汗が出た次第です。国民に人気のある大臣のおおらかで気さくなお人柄に、深い感銘を受けた一日でした。

 なお、理化学研究所のウェブサイトにも、視察の様子が掲載されていますので、併せてご覧下さい。
(リンク)<http://www.riken.jp/pr/topics/2017/20170920_1/>チューラ・フランク デンマーク高齢者担当大臣が革新知能統合研究センターを視察

市民研究員 永田映子

2017年ほのぼの研究所設立記念交流会

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagataE 2017-7-30 8:00
  さわやかちば県民プラザ3階大研修室での設立記念講演会終了後、1階のレストラン赤坂クーボールで開催された交流会には、50名近い方々がご参集下さいました。
  司会の永田市民研究員の開会宣言で、プログラムが始まりました。はじめに、大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長が、東京大学、千葉大学を経て、本年4月に理化学研究所革新知能統合研究センター認知行動支援技術チーム チームリーダーに着任した経緯、ほのぼの研究所開所から10年を迎えるにあたっての感謝と抱負を述べました。また、今後ほのぼの研究所が取り組む新事業を共に取り組んで下さる方々との新しい出会いへの熱い期待も添えました。

  次に山梨大学客員教授の小暮純生先生から、今後の本格的な超高齢社会の課題解決のために、認知症予防の研究や活動が、ますます重要になると、大武所長やほのぼの研究所の背中を押して下さる、あたたかい励ましをいただきました。なお、小暮先生は2017年7月から、理化学研究所認知行動支援技術チームの技術経営顧問を務められています。

来賓挨拶の山梨大学小暮純生先生


挨拶に耳を傾ける参加者

  お待ちかねの乾杯の音頭は元気な千葉大学の片桐大輔先生にお願いしました。大武所長が千葉大学から理化学研究所に移られても、引き続き連携を取って下さることを伺い、心強いことでした。準備の整ったところで一同大きな声で「乾杯!」、一瞬にして会場は和やかな雰囲気に包まれ、初対面同士名刺交換をしたり、久方ぶりの再会を喜びあったり、情報交換をしたりと、思い思いにケーキ、サンドイッチ、お茶をいただきながら、歓談の輪が広がりました。

乾杯の音頭を取って下さった千葉大学片桐先生

  初めてご参加の女性から、興味を持っていただいていた共想法の、講演会での実演を見ることで、写真を撮り、順番や時間を決めて会話をすることで、脳が活性化していく流れや仕組みが体感でき、理解が深まったとお声をかけていただき、実演に参加した私は、何より嬉しく思いました。

交流の広がり1


交流の広がり2

  今回の自己紹介の趣向は、近づくオリンピックに着目。応援したい競技種目別に1G水泳、2G卓球、3Gレスリング、4Gバレーボール、5Gアイススケートと名札の付いたテーブルに集合、自己紹介をするとともに、もし選手なら、どの競技に参加してみたいかを付け加えるものでした。応援の理由も、参加したい理由もなかなか、ユニークで興味深いものばかりでしたし、実にバラエティ豊かな競技に参加したい選手の集まりとなりました。こうして、知り合いが多数オリンピック選手として出場したら、オリンピックがもっと身近に感じられるだろうと思う、楽しいひとときとなりました。

  会場には、法人賛助会員であるユカイ工学株式会社から、可愛いロボットのBOCCOも参加しており、同社の山田康太さんの説明に耳を傾け、実際の動作を確認しようと、興味を持った方々の輪ができました。小さいカギっ子の見守りから始まったBOCCOは、今では地方に離れて住む親世代の遠隔見守りやコミュニケーションツールとして、進化し続けているとのこと。ほのぼの研究所は、同社の製品の評価調査に協力させていただいております。

BOCCOの説明に熱心に耳を傾ける参加者

  講演会の熱気が引き続き交流会に持ち込まれた、楽しい時間は瞬く間に過ぎていきました。中締めの挨拶は、ほのぼの研究所の監事・柏市議会議員の上橋泉様にお願いし、ご参加の皆様とほのぼの研究所の一層の発展を祈りつつ元気に一本〆、交流会は17時半に名残惜しいなか散会となりました。

中締めの挨拶のほのぼの研究所監事 上橋泉様

  最後になりましたが、ご参加いただいた皆様に厚くお礼を申し上げるとともに、次回もお目にかかることを楽しみにしております。

市民研究員 田口良江

2017年ほのぼの研究所設立記念講演会

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
TaguchiY 2017-7-23 8:00
 2017年6月27日(火)13時30分から、さわやかちば県民プラザ大研修室において、「認知症予防と社会参加」をテーマに設立記念講演会(後援:さわやかちば県民プラザ・柏市役所)を開催いたしました。
 あいにく梅雨時のはっきりしない天候にもかかわらず、地域の方々、研究機関・企業・マスコミ関係者を含めて100人余りの方々にご参集いただきました。


大勢にご参加いただいた講演会場

 大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長の開会挨拶に続き、後援していただいた、さわやかちば県民プラザ所長秋元大輔様からは、超高齢社会に向けての認知症予防の必要性と、当地域での積極的な取り組みへの熱い思いを込めた挨拶をいただきました。


講演会を後援していただいた、さわやかちば県民プラザ 秋元大輔所長の挨拶

 次いで来賓挨拶として、2017年4月より、大武所長が移籍した理化学研究所の、産業連携本部イノベーション推進センター事業開発室室長石川正道様からは、設立記念への祝辞を賜るとともに、超高齢社会の喫緊の課題に対する、理化学研究所の高齢者の健康脆弱化予知・予防研究の取り組みについてお話しいただきました。


理化学研究所 石川正道様の来賓挨拶

 招待講演は、東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム 藤原佳典チームリーダー(研究部長)の「高齢者の社会参加と認知症予防〜その戦略と実践」。1.認知症を正しく理解しよう、2.認知症を予防するには〜「三方よし」の認知症予防活動、3.認知症になっても幸せに生きるために の3部構成で、基礎から実践まで、力強く熱く説かれました。中でも、アルツハイマー病発症のメカニズムを線路と駅の関係性になぞらえて、脳は鍛えることで、線路は太く、強いものになり、駅の数も増えていき、脳のネットワークも強化されるという説明はわかりやすく、納得できるものでした。さらに、東京都健康長寿医療センター研究所の開祖である渋沢栄一翁も支持した「三方よし」:「売り手良し」、「買い手よし」、「世間よし」-売り手と買い手が共に満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるという理念を、認知症予防活動に取り入れ、実践に尽力していらっしゃることにも、感嘆しました。その実践事例として紹介された「絵本の読み聞かせ」のプログラムは、ほのぼの研究所の活動にも通じるところが幾つかあり、大変興味深いものでした。


招待講演の藤原佳典先生

 続く「認知症予防〜高齢者と共に創る」と題した、大武所長の基調講演では、まず認知症の予防の基本的考え方と認知症予防会話支援手法「共想法」の相関がわかりやすく丁寧に説明されました。併せてほのぼの研究所の概要や活動についての紹介をされた後、「新聞記事を読んでやってみたこと」をテーマにした共想法の実演をご覧に入れることで、構成メンバーである高齢市民研究員の活動の実際も体感していただきました。新聞記事とやってみたことの写真1枚ずつ、2枚分の話題提供時間が1分、質疑応答時間が2分と、通常より非常に短い設定でしたが、最近の記事に触発されて即実行に移したアクティブかつ思いがけない行動の説明や質疑応答を、笑いを交えて会場の皆様と共有できたことは、私どもにとっても有意義でした。また、講演会終了後、「ほのぼのという名称から、お年寄りのお茶のみサロンのようなゆるーい団体かと思っておりましたら、かくもアクティブな活動をなさっていることを理解しました」というメールをいただき、光栄に思いました。


基調講演の大武美保子代表理事・所長


市民研究員による共想法実演

 最後に、9月以降開講する予定の・柏市民講座「写真と会話で脳トレしよう」・無料認知症予防講習会・共に研究や活動をして下さるインターンの募集などのご案内をして、無事講演会は閉幕となりました。
「認知症予防と社会参加」と少々かたいイメージもあるテーマ設定だったため、皆様のご要望に叶う講演会として受け止められるのか懸念しておりましたが、期せずして「先ほど県民プラザでポスターを見たので」と、当日参加お申し出下さった方々も大勢いらしたこと、また事後のアンケートにもほぼ全員から好評価をいただいたことから、認知症予防に対して興味のある方に少しでもお役に立ち、知見や情報を共有できたことと、嬉しく思っています。
 最後になりましたが、開催にあたり、後援していただきましたさわやかちば県民プラザ、柏市の関係者の皆様に、この場をお借りして感謝の意を述べさせていただきます。ありがとうございました。

市民研究員 松村光輝

第2回柏市民盛年の集いへの参加

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagataE 2017-7-9 8:00
  2017年5月31日(水)アミュゼ柏で開催された第2回柏市民盛年の集いに参加しました。この催事は、柏市内に在住する高齢者を対象に、リタイア後の長い人生を、「いかに輝いて生きていくか」を考えるきっかけづくりを行うため、柏市、柏商工会議所および柏市社会福祉協議会の後援を得て、公益社団法人柏市シルバー人材センターが主催するもので、参加資格は60歳以上の柏市民と限定されたものでした。ほのぼの研究所は昨年に引き続2回目の参加となりました。

来賓の挨拶

 今回はホワイエ展示ブースにて活動をポスター等で展示、PRするのに加えて、クリスタルホールのステージで活動内容をアピールすることとなり、大武先生と田口、根岸、清水、松村、長久の研究員が参加しました。  

ホワイエでのほのぼの研究所活動紹介展示

  満員のクリスタルホールでは、開会挨拶、来賓の柏市役所、千葉県シルバー人材センター連盟、柏市社会福祉協議会等、関係者の挨拶に続いて、東京大学高齢社会総合研究機構 秋山弘子特任教授の「セカンドライフの上手な設計」と題した講演がありました。

 「人生50年」から「人生100年」時代になった今、教育、就職、結婚・・・・定年退職といった画一的なライフサイクルの時代から、自らが設計して生きる、多様な人生設計が可能になったこと。定年後の人生に対する意識も、余生をつつがなく過ごしたいという思いよりも、定年をセカンドライフの出発点と捉える人が増えてきていること。少子高齢社会において社会環境や意識が変化した中、まだまだ社会の支え手でありたいと思っているシニアも多いはず。柏市をはじめ、鎌倉市などで進められている、各人が持てる力を持ち寄って、コミュニティーや街づくりに参加して、セカンドライフを充実しようと試行錯誤している事例を紹介しながら、それぞれがよりよいセカンドライフの設計の仕方を考えてほしいと、締めくくられました。

  休憩をはさんで、シルバー人材センター関係者から、セカンドライフのいきいきとした活動事例や実践施策が述べられた後、市内で活動する団体・サークルの紹介となりました。2番手に登場の大武先生は、まず高齢ドライバーの話題で認知症への関心をひきつけ、防ぎうる認知症は「脳の使い方を工夫することで予防できる」として、「共想法」を動画やスライドを効果的に使って説明しました。併せて多世代、他分野にわたって、ほのぼの、かつ元気に活動するほのぼの研究所の活動を紹介し、大いに参加をいざないました。

ホワイエ展示に集まって下さった参加者と交流する研究員

  先生の元気な呼びかけが奏功したのでしょう、アトラクション前の休憩時間には、開演前同様に参加の皆様が立ち寄って展示物を熱心に見たり、研究員の説明に耳を傾けて下さいました。果たして、興味を持って下さった方から早速記念講演会への参加申し込みや、活動についてのお問い合わせをいただきました。後日も引き続き参加者からお申込みがあり、今回の盛年の集いに参加して、より多くの方々に直接、活動をご紹介し、交流する機会を得られたことを、ありがたく思いました。
  ここに改めて、ご尽力いただきました柏市シルバー人材センターのご担当の方々に、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

市民研究員 根岸勝壽 


コメント:市民研究員 E.N.さん
  このような交流の場があることは貴重ですね。柏市民の皆様の活発な取り組みに刺激を受けました。人材の宝庫であるシルバー人材センターを、もっと活用させていただきたいと思います。
 2007年に研究拠点ほのぼの研究所を設立してから、本年2017年で10年の節目を迎えます。次の10年を見据え、共想法の研究活動をより一層加速することを目指して、2017年4月、当研究所大武美保子代表理事が千葉大学から理化学研究所に移籍しました。次世代人工知能の基盤技術を研究開発することを目的として設立された、理化学研究所革新知能統合研究センターに、認知行動支援技術チームのチームリーダーとして着任しました。人間の知能を育む人工知能の開発を目指して、共想法による認知症予防効果を検証する臨床研究を行うと共に、それを可能とする技術を開発します。実験後、実験に用いる技術が製品、サービスとなり、実験実施人材が事業の担い手となり、社会に広く普及することを目指します。理化学研究所では、事業化に向けた基礎研究を行い、ほのぼの研究所では、事業化に向けた環境構築を行います。
 以上に伴い、ほのぼの研究所の事務所を千葉大学柏の葉キャンパスから、柏市文化・交流複合施設「パレット柏」内に移転しました。パレット柏は、2016年に柏市にオープンした、柏市民交流センター、柏市民ギャラリー、柏市国際交流センター、柏市男女共同参画センター、市民活動サポートセンターの5つの施設の複合施設です。柏市民交流センター内コワーキングスペースを拠点に、活動を展開して参ります。防ぎうる認知症にかからない社会の実現に向けて、新たな一歩を踏み出します。志を同じくする皆様と共に活動できることを楽しみにしています。

リンク(新しいウィンドウが開きます)
理化学研究所革新知能統合研究センター
パレット柏

理化学研究所革新知能統合研究センターゲストスペース
回想法実践家Pam & Alex Schweitzer夫妻が来訪


パレット柏にて 利用申し込みに行った日に記念撮影

NPO法人 ほのぼの研究所 代表理事・所長
国立研究開発法人 理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子

 2017年5月16日(火)、ほのぼの研究所の定例研究会(於:柏市のほのぼのプラザますお)をSchweitzer夫妻が訪問されました。Pam SchweitzerさんはEuropean Reminiscence Network代表で、数十年にわたり、イギリスで回想法(Reminiscence)を実践されてきた方です。

 4月26日から京都で開催されていた第32回国際アルツハイマー病協会国際会議に参加するため来日、学会終了後はご夫君のAlexさんと共に、回想法関係者と交流を深めたり、興味をお持ちの日本の伝統文化に触れたり、観光を楽しまれたりと、日本各地を回られているとのこと。日本の回想法研究者の紹介で、大武先生の「共想法」にご興味をお持ち下さったとのことで、今回の見学が実現しました。

 共想法を理解していただくには、何より一緒に体験していただくのが最善の方法です。そこで、ご夫妻に「最近あった面白いこと」をテーマに写真1枚を提供していただき、普段より多人数ではありますが、総勢9名と大勢で、共想法を実施することになりました。研究員の心もとない英語力でコミュニケーションはおろか、共想法がスムーズに実施できるのか、大変案じられましたが、大武先生の司会と通訳、ほのぼの研究所の理事の三宅徳久氏(パラマウントベッド株式会社の顧問)の通訳、そして研究員のボディランゲージと気力で、果たして大過なく?進めることができました。


共想法の実施 Pamさんによる歌舞伎座の話題提供

 Pamさんの話題は「歌舞伎座」、建物自体の古典とモダンのコントラストの妙、そして演目や衣装、館内の美しさ等を興奮気味に述べて下さいました。Alexさんの話題は京都で召し上がった「焼きそば」。これまで経験なさったことのない味を大変気に入られた様子でした。そして、目前の鉄板での調理をご覧になって、先の大戦直後の幼い頃を思い出したというエピソードも語られました。

 質疑応答では、研究員が提供した話題のうち、ダイヤモンド富士、柏市地元チームのサッカー観戦や神社の狛犬等に、格別の興味を持って下さった様子で、活発に質問して下さいました。


共想法の実施 質疑応答


 共想法終了後、Pamさんが実践されている「回想法」についてプレゼンテーションがありました。回想法トレーニングや、舞台芸術、アート、教育、コミュニティ・プロジェクトの拠点として設立したロンドンの回想法センターでの活動、特に彼女の専門分野でもある演劇やダンスといった舞台芸術の手法を通して、認知症の方々の人生の振り返りの手法や、その結果について幾つかの事例が紹介されました。認知症の方々が、昔の写真を含めた様々な回想グッズや、アートを通して、記憶を蘇らせたことを、ご家族ともども喜びあう様子の画像、そしてPamさんの「(共想法と回想法には)写真を使うところに、共通点がある」という感想が印象に残りました。


Pam Schweitzerさんの「回想法」プレゼンテーション


 記念撮影をして、お名残を惜しむ間もなく再び京都へと急ぎ退室なさったご夫妻をお見送りした後、研究員たちは、言葉の壁のある方々と、共想法を通じて、曲がりなりにも情報の交換や交流が果たせたことに、安堵し、快い疲労感と爽快感を味わったことでした。

Schweitzerご夫妻と市民研究員

市民研究員 長久 秀子

       

平成29年度継続コーススタート

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
MatsumuraM 2017-6-4 8:00
 共想法の継続コースは、活動的かつほのぼのとした質の高い生活を心掛けることによって、脳を鍛え、認知症を予防することを目指し、実施してきました。参加者の取り組みについて、大武先生は、「難解なテーマにも、独自の知恵と工夫がぎっしり詰まった話題と写真を準備し、共有することは、認知機能を柔軟に活用することにつながります。お互いの生活において視野が広がる、実り多い共想法を、今年もご一緒に創って行きましょう。」と、述べられました。
 今年度の年間を通したテーマは「工夫する」です。4月25日のオリエンテーションを皮切りに、4回を1シリーズとして3学期、年間12回の共想法を実施していきます。
 春学期1回目は5月9日、「住まいの工夫」のテーマで実施しました。最初に、お互いが聞きとりやすく話すために、滑舌をよくするのにも効果的とされる「パタカラ口腔体操」を『春の小川』のメロディにのせて大きな声で行い、ウォーミングアップをしました。共想法で挙がった話題は、自分仕様の使い勝手、省エネ、断捨離、省手間の様々な工夫、快適にすごすためのインテリアのアイデア等です。感心したり、納得したりと、和気あいあいとした雰囲気の中で、会話が弾みました。


オリエンテーションの様子

 共想法終了後は、短期記憶を確認するために、当日話題と共に挙げられた写真の提供者を当てる、写真当てクイズを一斉に行いました。そして15分間、一同が円座で、共想法の時に、話し足りなかったこと、たずねたかったことなどを話し合う「自由会話」の時間としました。 その後、階下の談話室でお茶とおやつとおしゃべりでクールダウンして、参加者はそれぞれ家路に向かいました。

 10周年を迎えるほのぼの研究所は、立ち止まることなく、さらに高い目標を目指しています。継続コースも、常に新しい共想法の手法にチャレンジしています。今年度から、研究員も共想法に参加して、共に切磋琢磨することとなりました。
 7年目となる継続コースに、初年から参加している3名は、2名が90代、1名が80代となりました。こうした方々の、しなやかでいきいきとした、前向きな生き方は、大切なお手本です。そして何より、一緒に共想法を実施できることを嬉しく思っています。

継続コース担当 市民研究員 田口良江