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ほの研ブログ - お知らせカテゴリのエントリ

 昨年夏、太陽生命厚生事業団の2019年度社会福祉助成事業に関する助成事業として、ほのぼの研究所の「認知症予防の啓蒙と認知症予防手法の実践・普及活動に使用する動画資料と小冊子の作成」事業が、幸いにも採択の栄に浴することができました。

 上記財団は高齢者・障がい者の福祉向上を目的に1984年 ひまわり厚生財団として設立され、2009年の公益財団法人太陽生命厚生事業団への移行を経てからも、地域に根ざし地道な活動をしている団体・グループの事業や研究・調査に対し、積極的に助成活動の助成を続けられております。

 既存の動画資料(PR動画)は10年近く前にプロにより制作されたもので、その後の活動の進展が反映されていないため、それを補完するものが求められていました。とはいえ、いざ制作となると、人生の後半期になって初めて一から体験する動画制作です。プロのアドバイスと撮影等全面的な協力をいただきながらの、なかなかやりがいのある事業となりました。

 まず、設立以来10年以上にわたる動画資料、写真、報告書等々の資料等の精査に着手、試行錯誤の結果、既存版には控えめだったほのぼの研究所とその活動紹介をコンセプトとしました。ほのぼの研究所とその活動、共想法の概要のご紹介の後、友情出演を快諾して下さった共想法継続コース参加者の賛助会員様に「共想法」に参加されているお気持ちや生活習慣の変化をお話しいただき、市民研究員がほのぼの研究所の活動について語り、最後に大武所長が共想法の極意を述べるというというシナリオとしました。

 数日間の撮影素材をもとにナレーションや音入れ、過去の記録動画・静止画の挿入などに推敲を重ねた結果の新PR動画と共に、以前よりお化粧直しを施し、わかりやすいものへと改訂したパンフレットが、3月末に無事完成、事業実施報告をすることができました。







新PR動画抜粋


新三つ折りパンフレット

 なお、上記2つの成果物につきましては、残念ながら、新型コロナウィルス感染拡大禍にてお披露目の機会は少々先になりそうですが、1日も早くお目にかける機会が訪れることを願っております。また、これらが今後の活動において、弊所の活動や共想法のご紹介に役立つツールになることを期待しております。
 最後になりますが、上記事業のために貴重な助成を賜りました太陽生命厚生事業団に改めて心より御礼申し上げます。

市民研究員 根岸 勝壽・長久 秀子

新年のご挨拶2020

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NagahisaH 2020-1-5 8:00

2020年 子年
千葉県房総の早春の花々

あけましておめでとうございます

旧年は、元号が変わり、共生と予防を柱とする認知症施策推進大綱が決定された節目の年でした。これまで実施してきた一連の活動の目的と位置づけを整理し、丁寧に準備、実施したことで、体験から継続参加頂く流れが定着する、〆切前に講演会申込者が定員を超えるなど、参加の輪が広がる成果を得ることができました。この流れを加速するべく、認知症予防を目的とする共想法、ほのぼの研究所をPRする動画制作を開始しました。これを契機に、共想法とは、ほのぼの研究所とは何か、目的や経緯と共に、現時点での見解を含めて明文化しましたので、ご紹介します。

「共想法」の目的と経緯
共想法は、年を重ねると、誰にでも起こりうる認知機能の低下を、脳の使い方の工夫でなるべく防ぐことを目的としています。低下しやすいと知られている、「体験記憶」、「注意分割機能」、「計画力」を使うように設計されています。 2006年、大武美保子(当時、東京大学助教授、2020年現在、理化学研究所チームリーダー)が、認知症の祖母との会話をヒントに考案しました。

「共想法」の定義
 共想法は、写真を見ながら「話す」「見る」「聴く」「考える」を行う会話支援の方法です。参加者は、出題されるテーマに沿って写真を撮ってきて持ち寄ります。話し手の写真が順に映し出されると、時間内に話し、その後、周りの人から質問や感想を言ってもらって、自分の体験をより深く考えます。周りの人の撮影した写真を見て、話を聴き、ものの見方を広げます。低下しやすい認知機能を総合的に使い、長持ちする脳の使い方を、一連の活動の中で実践します。

「ほのぼの研究所」の目的と経緯
 ほのぼの研究所は、超高齢社会の課題である「認知症」を、高齢者を中心に全世代と共に考え、解決方法を提案する新しい学問を創り、「防ぎうる認知症にならない社会」を実現することを目的としています。その具体的な手段として、「共想法」の実践研究と普及を目指す組織です。2007年に開所し、2008年にNPO法人化しました。「共想法」実践研究の場を運営するのは、平均年齢70代の市民研究員、そこに参加するのは、20代から90代の個人と法人賛助会員です。

「ほのぼの研究所」の活動
 「共想法」を日々の生活の中に取り入れ、長持ちする脳の使い方を実践する高齢者が中心に活動しています。
・「共想法」継続コースの実施
・講演会開催、ニューズレターやブログで情報発信
・各地での「共想法」実施運営のサポート
・「防ぎうる認知症にならない社会」を共に目指す自治体や企業との協働事業
・活動を通じた人材育成、最先端技術の開発と評価
などを行っています。

この他、旧年を特徴づける事業を、いくつかご紹介します。講演会のビデオ鑑賞会を開催し、日程が合わなかった方を始めさらに多くの方と知識を共有することができました。参加者の一部が実施者になる参加型研究の拠点が、新たに東京日本橋に生まれ、お江戸共想法として定期開催に至っています。参加者実施者を対象に、共想法とほのぼの研究所に関する意識調査を行い、これらが生活や人生に及ぼす主観的な影響を明らかにしました。継続参加の効果を長期的に検証すべく、頭の健康チェックを導入しました。高齢運転者向けのサービスを展開する損害保険会社と共催で講演会を開催し、認知機能や運転技能を本人や家族に返すことで、安全性が向上する成功事例を共有すると共に、積極的に予防するサービスにつなげる方法について検討しました。皆様の支えにより一連の活動が実現しましたこと、心より感謝申し上げます。
 新年は、これまで取り組みや準備を進めてきた、企業や自治体と共に、新たなサービスの実践や、それに向けた研究をさらに進めて参ります。本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2020年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武 美保子

 2018年度は、2008年にNPO法人ほのぼの研究所設立10周年を迎えることができました。次の10年を見据えて、「防ぎうる認知症にならない社会」の実現へ向けた取り組みを行いました。今年度は、その取り組みをより具体化し、加速する、以下の三つの事業に主に取り組みます。

 第一に、自治体との連携による共想法事業に取り組みます。昨年度に引き続き、共想法継続コースを、柏市が主催する共想法の講座の受け皿として、柏市が行政として位置付けた上で実施します。公助による認知症予防活動を、共助による認知症予防活動につなげ、自治体がNPOを支援する一つの形となります。継続参加者に加えて、認知症予防活動の担い手となる人材に参加頂ける仕組みを、実践を通じて整えて参ります。

 第二に、企業と連携して、会員サービス連携事業に取り組みます。認知症予防を切実に必要とする人に認知症予防サービスを届ける仕組みづくりを目指します。具体的には、保険会社など、会員サービスを提供している企業の顧客を対象に共想法を体験頂くイベントを開催します。どのように伝えることで、不安を取り除きながら、必要な高齢者に認知症予防サービスに参加頂くことができるかを、明らかにします。サービスを享受すると共に効果検証に参加頂ける方を発掘する仕組みにつなげて行きたいと考えています。

 第三に、認知機能の計測評価事業を行います。体重、体温、血圧を測るように、認知機能を定期的に測る新たな暮らし方の実践を提案するものです。具体的には、企業と連携して、ゲーム感覚で認知機能を見える化するアプリを体験するイベントを開催したり、継続コース参加者の認知機能を定期的に計測したりするといった取り組みをします。時折認知機能をチェックし、強み、弱みを知った上で、共想法などの訓練手法を日常生活に取り入れることが、認知的健康につながることを示して行きたいと考えています。

NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子

新年のご挨拶2019

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
TaguchiY 2019-1-6 8:00

2019年 亥年
千葉県柏市・我孫子市 手賀沼に昇る朝日

あけましておめでとうございます
  旧年は、2008年のNPO法人設立より数えて10周年となる節目の年でした(1)。多くの方に支えて頂き、次の10年に向けて新たな一歩を踏み出すことができましたことを、心より感謝申し上げます。

 防ぎうる認知症にならない社会の実現を目指し、ほのぼの研究所の活動は、認知症予防を目的とする会話支援手法、共想法の、実施、普及、連携、育成、研究の五つの軸に沿って展開しています。10年の歩みを整理する中で、2018年度の活動を5つの軸に沿ってまとめた年表、「ほのぼの研究所2018年度写真年表」を作りました。2018年度はあと3ヵ月ありますが、この年表と十大ニュースを組み合わせて、2018年の活動を振り返ります。文中の数字は十大ニュースの番号、アルファベットはその他の活動の項目です。年表中、写真の下に矢印が描かれているものは、通年で行った活動を表します。


ほのぼの研究所2018年度写真年表

* 2019年1月現在実績および予定、(G)のみ2017年度の写真
* 本記事下部参照、数字は2018年十大ニュース、アルファベットはその他の主な活動

 実施について、途中から参加しやすいよう、難易度の異なる2種類のテーマを設定したり、毎月1回の開催にしたりするなど、共想法継続コースを改良しました(5)。その上で、2016年度より3年目となる柏市より受託の認知症予防講座(3)、自主および連携企画として、超かっこよく老いようワークショップ(2)、認知症予防無料講習会(4)を開催したところ、これらをきっかけに、継続コースに年度の途中から多くの方に参加頂くことができました。

 普及について、講演会を6月(6)と12月(7)に開催しました。社会医学、老年学、地域包括ケアシステムの第一線で活躍する専門家を招いて、最新の知見と実践を共に学ぶ機会を作り、多くの方にご参加頂きました。この他、一連の活動の報告や、共想法で集まった写真と話題を紹介するほの研ブログ(B)を週1回配信し、講演会開催翌月には、ニューズレターほの研通信第25号(A)、第26号(C)を発行しました。

 連携と育成について、埼玉県(D)、茨城県(E)、大阪府(F)の協働事業者による、共想法の継続的な実施を支援しました。日々発生する課題解決方法をその都度共に考える他、協働事業者や関係者が一堂に会し、情報共有と課題解決方法を討議する合同研修を、2012年度より年1回開催しており、2018年は2月に開催、2018年度は2019年1月に開催を予定しています(G)。

 研究について、会話支援ロボット「ぼのちゃん5号」を、講演会や共想法継続コースにおいて導入し、利用評価をしました(10)。研究と育成の間に位置する活動として、健常高齢者を対象とする共想法の臨床試験の実施者養成研修に協力しました(9)。研究と普及の間に位置する活動として、会話支援ロボットを用いた共想法に関する取材に協力し、NHK Eテレで放映されました(8)。一連の活動を計画から振り返りまで討議する研究会(H)を開催し、得られた知見を都度記録に残すよう努めました。

 2019年は、一連の活動を実践しながら、そこで得られる知識をその場で構造化し、それ以降の活動や、他の拠点における活動に活かすことができる仕組みを作り、実践します。途中から参加しやすい共想法継続コースの仕組みを参考に、途中から参加しやすいほのぼの研究所の仕組みを作ります。そして防ぎうる認知症にならない社会に必要な関係者との連携をしながら、活動を進めて参ります。

  本年も変わらぬご支援、ご協力、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2019年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武美保子


2018年十大ニュース
1.NPO法人設立10周年を迎える(6月)
2. 「超かっこよく老いよう」ワークショップ(4月)
3 .柏市認知症予防講座(6-7月、全3回)
  「質問力をつけて認知症予防」
4.認知症予防無料講習会(11月)
  「よりよく生きるためもっとよく識る」
5. 途中から参加しやすい共想法継続コース(通年、毎月)
6 .NPO法人設立10周年記念講演会(6月)
 「認知症になりにくい社会をつくる」
7 .NPO法人設立10周年記念クリスマス講演会(12月)
 「質の高いエージングを共に目指す-介護予防のイロハ」
8.NHKEテレ「あしたも晴れ!人生レシピ」取材協力(6月)
9.共想法臨床試験の実施者養成研修協力(6月)
10.会話支援ロボットぼのちゃん5号本格導入(6月)

<その他の主な活動>
A.ほの研通信第25号(7月)   B. ほの研ブログ
C .ほの研通信第26号(1月)   D.きらりびとみやしろ
E.マカベシルバートピア   F .野花ヘルスプロモート
G .合同研修(1月)   H.研究会
 2008年にNPO法人ほのぼの研究所を設立してから、今年で10年の節目を迎えます。2017年度は、次の10年を見据えて、市民研究員発掘事業、共想法実施人材養成事業に重点的に取り組みました。この結果、新たな出会いがあり、市民研究員を発掘し、教育系企業との連携により、共想法実施人材を養成する本格的な研修を行うことができました。また、代表理事が理化学研究所へ移籍したことに伴い、共想法研究体制の強化が求められるようになった結果、市民研究員が理化学研究所の非常勤職員に着任し、協働事業者が理化学研究所と共同研究契約を締結することとなりました。共想法が社会実装された近未来に向けた実施体制となりました。
 2018年度からは、ほのぼの研究所の主な活動拠点である、介護予防センターほのぼのプラザますおが、柏市役所直営から、柏市社会福祉協議会を指定管理者とする施設となりました。以上を踏まえ、今年度は、昨年度の市民研究員発掘事業、共想法実施人材養成事業を継続した上で、主として以下の二つの事業に取り組みます。

 第一に、知識の構造化事業に取り組みます。10年の歩みの中で生まれた知識、具体的には、活動や運営の手順が、必ずしも明文化されていないため、新たな参加者にその趣旨が理解しづらいという課題が明らかになりました。新たに活動に参加頂く方が、新たな視点で抱く「なぜ?何のために?」という率直な疑問に答える必要があります。
 そこで、これまで取り組んできた、また、今後取り組む予定の一つずつの活動が、何を目的に、なぜ実施し、それがどのような意味や効果を持つのか、他に目的を達成する手段があるとすれば何があるか、その活動をもしも実施しなかった場合や、実施の仕方を変えた場合にどのような問題が発生しうるか、より効果的に実施するためには、何がポイントとなるか、どのような新たな工夫が考えられるか、丁寧に整理する計画です。具体的には、ほのぼの研究所ガイドブック、10周年史、規程、活動記録様式、ウェブサイトなどのアウトプットを考えています。

 第二に、自治体との連携による共想法事業に取り組みます。具体的には、柏市における事業を、新たな形で位置づけ、これを、自治体における事業のロールモデルとすることを目指します。
 2007年より、ほのぼの研究所は、介護予防センターほのぼのプラザますおを拠点に、柏市の支援を得て、共想法の活動を展開してきました。特に、2011年からは、共想法継続コースの形で、共想法を定期的に開催し、今日に至るまで、共想法に興味を持って下さった多くの方に参加頂いています。同時に、2016年からは、柏市が主催し、ほのぼの研究所が実施協力する形で、共想法の講座を開催しています。
 今年度からは、共想法継続コースを、柏市が主催する共想法の講座の受け皿として、柏市が行政として位置付けた上で実施します。公助による認知症予防活動を、共助による認知症予防活動につなげ、自治体がNPOを支援する一つの形となります。いつからでも参加しやすいよう、新たに参加する方向けのテーマと、継続参加者向けのテーマとを用意するなど、初めての方にも、継続している方にも、共に満足頂ける開催の仕方を研究します。

NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子

新年のご挨拶2018

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
fri 2018-1-7 8:00

2018年 戌年
上空より三保の松原と富士山を望む

旧年は、2007年に研究拠点ほのぼの研究所を開所して10年となる節目の年でした。大学発非営利組織として、代表理事の本務地と共に、最初の5年を東京大学柏キャンパス、次の5年を千葉大学柏の葉キャンパスを、事務所所在地として来ました。2017年の代表理事の理化学研究所への異動に伴い、次の10年を見据え、柏市文化・交流複合施設「パレット柏」に、事務所所在地を移転し、新たな一歩を踏み出しました。次の10年の間に、どのような状態になることを目指しているか、初夢の形で表現したいと思います。

  • ・・・2027年。高齢者を始めとする多世代の人が、健康支援産業の担い手となり、自らの健康状態やライフステージに合わせて、認知症予防事業などの実施者として勤務している。

  • その中に、会話支援手法、共想法が、認知症予防、質の高い生活、コミュニケーション、コミュニティづくりを支援するサービスの基盤として、社会の中で活用されている。

  • 共想法実施者は、継続的な研修を通じて、互いに刺激し合い、切磋琢磨しながら、質の高いサービスを提供している。

  • 効果的な共想法を確実に実施するよう支援する装置やロボットなどが開発され、商品化され、実施者や参加者はそれらを使いこなしている。

  • 共想法の効果検証の臨床試験が、国内外の各種機関において実施され、エビデンスが蓄積されている。

  • NPO法人ほのぼの研究所は、各種機関と連携しながら、共想法の実施者の養成、認証機関となり、共想法の発展と普及、品質保証を担う。・・・

このような未来に向けて、2017年はその端緒となる取り組みをしました。

  • 人材育成分野の企業の協力を得て、共想法ガイドブックを開発し、2日間にわたる本格的な実施者養成研修を試行。

  • 適性ある実施者を発掘する仕組みづくりを目指して、認知症予防無料講習会を実施。

  • 地域のウォーキングクラブや高齢者就労を支援する団体、自治体が運営する施設との共催や後援により、ワークショップや講演会を開催。

  • 共想法司会ロボットを用いた共想法の実践。

  • 共想法実施を通じて生活の知恵を引き出し共有するための、テーマ設定の検討。

日本の総人口に占める高齢者の割合は、2007年から2017年の間に、21.5%から27.7%まで上昇しました。認知症対策は待ったなしの状況です。開所当時83歳だった最高齢市民研究員が、健やかに93歳を迎えることができたことを始め、多くの方と共に10年の歩みを進めることができましたことを、心より喜ばしく、ありがたく思います。次の10年は、さらなる時代の転換期となることが予想されます。そのような中、よりよい社会を創っていかれるよう、努めて参ります。

2018年は、2008年にNPO法人ほのぼの研究所を設立して10年となる節目の年となります。本年も、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2018年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武美保子

 2007年に研究拠点ほのぼの研究所を設立してから、本年2017年で10年の節目を迎えます。次の10年を見据え、共想法の研究活動をより一層加速することを目指して、2017年4月、当研究所大武美保子代表理事が千葉大学から理化学研究所に移籍しました。次世代人工知能の基盤技術を研究開発することを目的として設立された、理化学研究所革新知能統合研究センターに、認知行動支援技術チームのチームリーダーとして着任しました。人間の知能を育む人工知能の開発を目指して、共想法による認知症予防効果を検証する臨床研究を行うと共に、それを可能とする技術を開発します。実験後、実験に用いる技術が製品、サービスとなり、実験実施人材が事業の担い手となり、社会に広く普及することを目指します。理化学研究所では、事業化に向けた基礎研究を行い、ほのぼの研究所では、事業化に向けた環境構築を行います。
 以上に伴い、ほのぼの研究所の事務所を千葉大学柏の葉キャンパスから、柏市文化・交流複合施設「パレット柏」内に移転しました。パレット柏は、2016年に柏市にオープンした、柏市民交流センター、柏市民ギャラリー、柏市国際交流センター、柏市男女共同参画センター、市民活動サポートセンターの5つの施設の複合施設です。柏市民交流センター内コワーキングスペースを拠点に、活動を展開して参ります。防ぎうる認知症にかからない社会の実現に向けて、新たな一歩を踏み出します。志を同じくする皆様と共に活動できることを楽しみにしています。

リンク(新しいウィンドウが開きます)
理化学研究所革新知能統合研究センター
パレット柏

理化学研究所革新知能統合研究センターゲストスペース
回想法実践家Pam & Alex Schweitzer夫妻が来訪


パレット柏にて 利用申し込みに行った日に記念撮影

NPO法人 ほのぼの研究所 代表理事・所長
国立研究開発法人 理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子

新年のご挨拶2017

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NegishiK 2017-1-1 8:00

2017年 酉年
鹿児島県出水郡長島町の野生の鷹

あけましておめでとうございます

 旧年は、2006年に共想法を考案して10年となる節目の年でした。多くの方に支えられ、文字通り、想いを共にし、共に育むことができたことに感謝申し上げます。

 2016年は、「防ぎうる認知症にかからない社会」の実現に向けて、基礎研究、社会実装共に、次の一歩を踏み出す年となりました。
 基礎研究の面では、第一に、千葉大学附属病院認知症疾患医療センターにおいて、軽度認知障害の方を対象とする共想法の臨床試験が始まりました。第二に、千葉大学大学院看護学研究科の先生方が中心に推進する学内プロジェクトの一環で、エンド・オブ・ライフケアにおける共想法の活用が可能であることを、実践を通じて明らかにしました。第三に、共想法を、対面だけでなく、音声や文字列を介して遠隔で実施する実験を試行しました。
 社会実装の面では、第一に、イノベーションにつながる研究を支援する制度である、科学技術振興機構ACCELに、共想法の研究がフィージビリティスタディとして採択され、事業化に向けた企業との連携体制の構築が始まりました。第二に、千葉県柏市から受託し、認知症予防コミュニケーション体験講座を開講しました。第三に、鹿児島県長島町主催の地域活性化コンテスト「できるまで帰れません」に、ほのぼの研究所の学生研究員が参加し、共想法を地域活性化に役立てる手法を検討しました。
 両者を横断する取り組みとして、ロボットベンチャーとして注目を集める、ユカイ工学株式会社に法人賛助会員にご入会頂き、見守りロボットBOCCOの高齢者見守り分野への利用評価実験に協力しました。

 2017年は、2007年に研究拠点ほのぼの研究所を開所して10年となる節目の年となります。本年も、ご参加、ご支援、ご協力、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2017年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
千葉大学准教授 大武美保子

新年のご挨拶2016

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NagahisaH 2016-1-3 8:00

2016年 申年
長野県 地獄谷野猿公苑の母子猿

あけましておめでとうございます

 旧年は、「防ぎうる認知症にかからない社会」につながる、共想法を起点とする新しい認知症予防事業の創出に向けて、これまでにも増して、多方面との連携による事業を展開した一年となりました。活動を支えて下さったすべての方々に、心より感謝申し上げます。

 第一に、2014年よりはじめた街歩き共想法は、大学、病院、企業との連携により、ヘルスツーリズム事業としての展開を意識して開催しました。
 2015年3月には、愛知県豊田市足助町において、名古屋大学と足助病院との連携により、病院を中心とする健康な街づくりと観光による地域活性化をはかるモデル事業として実施しました。
 また、同じく3月に、千葉県柏市柏の葉スマートシティにおいて、スイスの研究者を主な対象に、インバウンドの健康観光のモデル事業として実施しました。科学技術振興機構、スイス大使館、チューリッヒ大学が共催する、日本―スイス 合同ワークショップの現地視察の受入機関として協力しました。
 11月には、千葉大学普遍教育科目「地域NPO活動体験」実習生、大日本印刷株式会社ソーシャルイノベーション研究所、株式会社JTBコーポレートセールス法人営業千葉支店と連携し、千葉県成田市成田山新勝寺および成田山公園一帯で実施しました。街歩き共想法に加えてフォトブックを作成することで、事業としての付加価値を高める可能性を探りました。

 第二に、「防ぎうる認知症にかからない社会」の土台となる「高齢者が役割を持ち、多世代へ貢献することができる社会」において共想法を活用する方法を明らかにするため、共想法の多世代への展開と、多世代による実施運営に取り組みました。
 2015年1月から2月にかけて、科学技術振興機構の調査事業として、多世代が参加するワークショップを開催し、高齢者が若者、次世代を支える持続可能な社会の実現に必要な要素を明らかにしました。
 さらに、新たな取り組みとして、8月より千葉大学の実習生を6名受け入れ、企業と連携し、上述したように、フォトブックを作成する本づくり街歩き共想法の企画運営を支援しました。

 第三に、年2回、夏と冬に自主事業として開催してきた講演会を、地域の産業振興を支援する公的機関との共催事業として実施しました。
 具体的に、2015年6月の設立記念講演会は、千葉県柏市の東葛テクノプラザにおいて、千葉県産業振興センターと共催しました。12月のクリスマス講演会は、千葉県千葉市の千葉市ビジネス支援センターにおいて、千葉市産業振興財団と共催しました。いずれも、講演だけでなく、参加者がアイディアを出し合うワークショップの時間を設ける、参加型の企画としました。

 一連の活動実績が認められ、2015年3月には、コープみらい地域かがやき賞を受賞し、8月には、大同生命厚生事業団のシニアボランティア活動助成に採択されました。10月には、当研究所の大武美保子代表理事・所長が、千葉大学先進科学賞を受賞しました。

 新年は、これまで活動を共にした、もしくは、今後の展開に必要な組織と連携しながら、活動と共に人の流れを作り出し、活動の推進に携わる人の輪を拡げて参ります。企業、自治体、公的機関、大学、病院や介護施設等と連携することを通じて、共想法事業を次々と生み出す触媒としての役割を強化し、「防ぎうる認知症にかからない社会」の実現に向けて、歩を進めたいと思います。

 本年もご指導ご鞭撻ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2016年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
千葉大学准教授 大武美保子

ほのぼの研究所2015年度活動方針

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NagahisaH 2015-6-14 8:00
 ほのぼの研究所は、2007年に研究拠点として設立してから、今年で8周年を迎えます。今年度は、人材の発掘と育成をテーマに、次の三つの重点事業に取り組みます。

  第一に、これまで講演会や共想法の各コース等に参加頂いたことがある方にお会いし、意見交換する場を設け、今後の活動への参加と実施への協力を呼びかけます。共想法の広まりと共に、全国各地、施設で実施したいとの要請があることから、共想法を実施する人材に必要な知識や技能を整理し、研修のための資料や問題集を作成します。新メンバーにとっては、それ自体が研修の場となり、また、すでに実施の輪に加わっているメンバーにとっては、知識と技能の再確認と相互学習の場となります。以上を通じ、要請のある医療機関、介護施設、地域包括支援センター等との連携を図ります。

 第二に、大学における地域活性化人材育成課程の一環として、大学生のインターンシップを受け入れます。千葉大学では、文部科学省の地(知)の拠点整備事業の一環としてクリエイティブ・コミュニティ創成拠点が進められています。この中で、地域NPOインターンシップという授業があり、そのインターンシップ先の一つとして、NPO法人ほのぼの研究所が参加します。具体的には、後述するように、企業、自治体等と連携して、健康観光支援サービスの開発を共に行い、活動を通じて、地域活性化人材の育成を図ります。同時に、共想法の実施人材の多世代化を図ります。

  第三に、2014年より実施してきた街歩き共想法を、企業、自治体、観光地、大学と連携することで、受益者負担での実施を可能とし、事業として持続可能とするための方法を明らかにします。認知症予防の4要素である、食事、運動、知的活動、社会的交流に対応する一連の活動を、多くの高齢者が好む活動の一つである、旅行の中に含まれるようにした、街歩き共想法に基づく健康観光支援サービスを開発します。

NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
千葉大学准教授 大武美保子