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ほの研ブログ - ShimizuKさんのエントリ

復活していたミニバラ

カテゴリ : 
今日の共想法 » 目を使う
執筆 : 
ShimizuK 2016-11-13 8:00
 頂き物の鉢植えのミニバラが夏のはじめに枯れたため、土から5センチ位の所で鋏を入れベランダの片隅に放置していました。ところが、たまたま届いた「一輪のバラの素敵な話」というメールが、それが知らぬ間に葉を茂らせ、小さな蕾を7つもつけているのを目に留めるきっかけになりました。”同じ私の目”なのに、メールで送られた話を知る前と後では、えらい違いがあるものです。目の中に気持ちが入ったから、気付けたのでしょうか。

継続コース参加者 K.A.さん

 

復活してつぼみもつけていたミニバラ
 
コメント:市民研究員 K.S.さん
目の中に気持ちが入ったから、気付けたのでしょうと私が即答してしまいました。A. K.さんはミニバラさんが咲いてくれた際にはどんな思いを抱くのでしょう。飛び切りの笑顔も想像したり、成り行きに期待するあまりに続編も望んだり・・・。
 2016年9月14日から1週間、鹿児島県出水郡長島町の地域活性化プラン「できるまで帰れません!」において、千葉大学の学生で、ほのぼの研究所の学生研究員の上田哲也と根本卓也が、長島町にあった共想法の活用を検討すべく、長島町役場保健衛生課のみなさんのご協力をいただき、様々な実施形式を検討しました。

 長島町は鹿児島県最北端に位置し、海と山の景観が共存する美しいまちです。ぶりの養殖の生産量が世界一、温州みかん発祥の地としても知られています。

九州本島と長島をつなぐ黒之瀬戸大橋(手前が長島)
 
 長島町は、総務省から「地方創生人材支援制度」により、地方創生担当として井上貴至副町長が赴任し、地方創生に関する先進的な取り組みを行っている自治体です。

 本企画は、長島町の地域活性化プラン企画・実現コンテスト「できるまで帰れません!」にのっとり行われました。同企画は、大学生などの参加者を募り、町役場が行きの旅費と1週間分の宿泊費を支給し、プランの実現で帰りの旅費も支給いただけるという制度です。

−鹿児島県長島町 http://www.town.nagashima.lg.jp/default.asp
 −できるまで帰れません!(井上副町長のブログ)
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68537755.html


ラッコ教室での共想法

 上の写真は母子教室「ラッコ教室」での共想法の様子です。島外出身の母親の皆さんの会話のきっかけに共想法が活用できないか、と考え企画しました。
 この日の写真テーマは「私の好きなもの」で、お子さんの好きなものの写真についてお話しされる方がほとんどでした。
 はじめは何をするのか、不安に思われたお母さんがたも、育児の様子などについて、最後にはとても会話が弾んでいらっしゃいました。その後のアンケートで「共想法で、普段聞けない他の参加者のお話が聞けましたか?」という問いに対し、参加者全員から「聞けた」という回答をいただくことができました。
 普段は教室に来て、会話することなくお帰りになられる方も共想法で会話のきっかけをつかまれたようでした。

巡回みんなの保健室(小浜地区)での共想法
 
 上の写真は小浜地区での巡回みんなの保健室の1回として、共想法体験を行った時の様子です。巡回みんなの保健室は保健衛生課の健康寿命を伸ばすのに有効な、健康に関するクイズ、運動教室などを行う取り組みです。

 この日の写真テーマは「夏の思い出」、「好きな食べ物」でした。夏の思い出に関して、悲喜こもごも様々な話題で盛り上がりました。
 共想法を運動教室などと組み合わせることで、より認知症予防効果を高めることができる可能性を感じました。

 取り組みの3つ目として、保健師さんの各戸訪問先で共想法を実施しました。
 共想法の会話支援の側面を活かし、保健師さんの聞き取りをより効率的に行えないか、と考え計画しました。訪問形式で行うことで、外出の足がなく交流のきっかけが少なくなっている方にも共想法に参加いただけます。

 保健師さん2名、訪問先の方1名、司会1名で共想法を行い、テーマ「好きな食べ物、場所」についてとても会話が盛り上がりました。普段会話しない分、共想法でたくさん話せて気分が良くなったというお声もいただきました。
 共想法で会話が弾むうちに、不意に生活の苦労などを伺うことができ、健康状態の背景を知ることが出来ました。

 今後も保健衛生課をはじめ、長島町役場との連携で共想法を展開することで、コミュニティの新しいネットワークづくり、会話を通じた健康チェックに共想法を活用していただけるようバックアップをしていきます。

 できるまで帰れません!の取り組みとして、成功のお墨付きをいただき無事帰路につくことができました。
 お世話になった長島町の皆様に改めてお礼申し上げます。
 

学生研究員 根本 卓也

2016年ほのぼの研究所設立記念交流会

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
ShimizuK 2016-7-24 8:00
 設立記念講演会終了後、さわやかちば県民プラザ1階のレストラン赤坂クーポールに場所を移して、交流会が開かれました。参加者55名の楽しい交流の模様をお知らせしましょう。予定より少し遅れて、元気な田崎研究員の司会でいよいよスタートです。
 まず、ほのぼの研究所代表理事 大武先生がご来場の御礼の後、様々な分野の20代から90代までの参加者同士、ひとりでも多くの方に声をかけるというチャレンジをしてほしいこと、またほのぼの研究所は高齢者以外の方々にも広く門戸を開いているので、多世代の方々から参加方法やチャレンジしてみたいことについての提案も大歓迎と、開会の辞を述べました。
 次に、ユカイ工学株式会社代表の青木俊介様より、来賓のご挨拶を頂きました。もとより個人賛助会員として大武先生の研究に興味を持たれ、サポートしていただいておりましたが、自社で開発されているロボットを共想法の社会実装に役立てられるのではないかと、最近、法人賛助会員となられたこと、また、法人会員の特典のひとつでもある評価調査に、市民研究員が携わった事例も紹介していただきました。


法人賛助会員 ユカイ工学株式会社代表 青木俊介様

 続いて、ほのぼの研究所の長谷川副代表理事が、設立以来10年近くを経て、「ふれあい共想法」が、社会参加を加味した新しい形「街歩き共想法」を生み出したこと、活動を通じて90歳をこえても元気であることへの感謝の意を述べ、一同の健康と、ほのぼの研究所の発展を祈念して乾杯の音頭をとりました。


乾杯する参加者達

 しばらく、歓談しながらのティータイムを楽しみ、和やかな雰囲気になった頃、恒例の自己紹介タイムに入りました。「街歩き共想法」のデモンストレーションにご協力いただいた、トップバッターの柏の葉ウォーキングクラブのメンバーからは、楽しそうな活動の一端も紹介されました。次いで、2014年コープみらい地域かがやき賞を頂いたコープみらい千葉県本部の方々、賛助会員の方々からは、ほのぼの研究所とのかかわり、初めてご参加の方々からは、共想法へのご興味、市民研究員や大武研究室の面々からはそれぞれの担当業務や研究課題等が披露されました。


多世代交流の輪

 トリの大武先生は、ひとりでも多くの人の認知症予防が可能になるよう、招待講演で飯島先生が紹介されたサルコペニア発症の自己診断基準となる「指輪っか」のような、わかりやすい基準や兆候を、会話の中から早くみつけたいという展望を語りました。


中締めの挨拶 上橋監事

 最後に、ほのぼの研究所監事で柏市議会議員 上橋 泉様から、熱い思いを込めた中締めのご挨拶としていただいた後、威勢のよい三本締めで、まだまだお名残惜しいなか、閉会となりました。

市民研究員 佐藤 和子

柏市の水源の森

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今日の共想法 » 10分歩いて見つけたもの
執筆 : 
ShimizuK 2016-7-10 8:00
柏市名戸ヶ谷には、昼間でも薄暗い森に水源があります。木々が茂り、夏は風通しがよく涼しく、人も余りみかけません。よく見ると、柏市水道局が水をくみ上げてタンクに送る所があります。モーター音がかすかにきこえるぐらいのこの静かな森に、上質で安全な水が湧いているのは不思議にさえ思えます。多くの人が喜んでいることでしょう。
 このあたりは恵まれた湧水群が数々あり、水質が日本一ということで、近くにウィスキー工場が進出してきたという話もあります。この水源をこれからも保全することで、安心して暮らしていけることでしょう。

継続コース参加者C.A.さん

 

柏市の水源の森
 
コメント:市民研究員 K.S.さん
恵まれた湧水群がある水源の森が近くにあるなんて耳寄り情報です。湧水や冷たい空気、そして森の香りの中はなんと極上の響きなのでしょう。柏市の増尾周辺には、毎月たびたび足を運んでいても、いつもとんぼ返り。寄り道したいな〜。

笑顔で心豊かに

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今日の共想法 » 今年の抱負
執筆 : 
ShimizuK 2016-3-27 8:00
 お正月に家族旅行で館山に参りました。温暖の地のフラワーパークのポピーの花畑に、少し風がありましたが、花々はたおやかに咲き誇っていました。それを見て、大好きなポピーの花のように、笑顔で心豊かになりたいと思い、これを今年の目標と願いとしました。

継続コース参加者 Y.H.さん



館山のポピー花畑

コメント:市民研究員 K.S.さん
 露地栽培のポピーの花々との出会いの感動を、ご自身の新年の抱負に重ねられて素敵です。お正月のご家族旅行、心豊かなひと時をさぞかし皆様で楽しまれたことでしょう。

小豆島のお遍路

カテゴリ : 
今日の共想法 » 今年の抱負
執筆 : 
ShimizuK 2016-3-13 8:00
 昨年10月に小豆島の遍路に行きました。島内88カ所の霊場のうち3分の1位を巡りました。オリーブの実の収穫の頃で、青い実の新漬を食べ、土地の人との出会いもありました。写真は山の上にある42番西の滝で、瀬戸内海がよく見えました。
 今年は桜の咲くころ、また行きたいと思います。『二十四の瞳』の映画村では高峰秀子の特別展示があるそうなので、それを観るのも楽しみです。

継続コース参加者 C.O.さん



小豆島のお遍路

コメント:市民研究員K.S.さん
 海・仏像の絶景写真のお見事さからも遠くまで足を運んだ甲斐がある、お遍路の旅だということが頷けます。四国のお遍路旅は仏様はじめ、圧倒されるほどの魅力がいっぱいなのでしょう。どうか桜の頃にも続編の旅も実現できますように。
 2015年9月15日(火)13:30から、活動拠点である柏市の介護予防センターほのぼのプラザますおにて、ほのぼの研究所が実習担当をすることになった、千葉大学の「地域NPO活動体験」科目実習の一環として、「ほのぼの研究所の活動」に関する講座を実施しました。
千葉大学「地域NPO活動体験」については千葉大学「地域NPO活動体験」 をご覧下さい。


 同日は長期的に共想法に参加して下さっている方々の継続コース 秋学期の初日でもあったため、ほのぼの研究所の主たる事業である「共想法」の実施場面を体感できる好機ともなりました。
実施会場 ものしり館は、孫世代ともいえる実習生6名を迎えて、継続コースメンバー7名と市民研究員8名とで超満員、授業開始前からいつもとは違う活気と賑わいが感じられました。

 まずは、最初は2グループに分かれて、継続コースの方々の共想法。「夏の思い出」」をテーマに各自の2枚の写真とそれにまつわる話題が提供されました。話題探しで日々脳を活性化させているベテラン達が提供する話題は実に広範囲、かつ多種多様で、活動的で充実した日々を感じさせるものでした。その後の質疑応答も活発に飛び交い、笑いが絶えないものでした。当日から新規に参加されたメンバーも、旧知のお仲間のように和やかに会話の輪に入っていただくことができて、改めて「会話」の力を感じました。


共想法を熱心に見学中

 続く座学は、実習生に加えて、改めてほのぼの研究所の活動へのご理解を深めていただくために、継続コースメンバーにも聴講していただきました。
 まず、長谷川事務局長が、法制化の背景や経緯を踏まえたNPO法の概要、そしてNPO法人としてのほのぼの研究所の有り様を交えて、「NPO法」について説明しました。
 次いで、『ほのぼの研究所のPRビデオ』も取り込んだプレゼン資料を用いて、ほのぼの研究所の成立経緯や、事業の核である共想法を中心にして、カテゴリー別に事業内容を紹介しながら、日々進化し続ける活動全体への理解を深めていただきました。




ほのぼの研究所活動についての資料抜粋

                
 ティータイム休憩をはさんで、さらに「地域NPO活動体験」科目実習の目的である「街歩き共想法」の実施のために不可欠な、各プロセスに対応したマニュアルについて、これまで実施した街歩き共想法の具体例を挙げて説明が行われました。そして聴講者全員に確認のアンケート記入をお願いして、夏休み明けの心身には少々ハードな150分以上に及ぶスケジュールが無事終了、全員の張りつめた気持ちが一気にほぐれたことでした。

 最後に実習生それぞれから感想を一言ずつ披露してもらいましたが、ほのぼのとした雰囲気ながら、実に活発に共想法に参加したり、精力的にパソコンを駆使して運営に携わる高齢者達から、会話(訓練)の必要性を改めて認識したり、活動に対しては意外性を感じ、イメージが向上したという声が寄せられました。
 また、アンケートには、「ほのぼの研究所への理解や認識が高まった」というコメントに加えて、学んだマニュアルを参考に、「来たる11月の街歩き共想法企画を、ぜひとも楽しく有意義なものに作り上げていきたい!」という意気込みを感じさせるコメントも目立ちましたので、大変心強く思いました。どうぞ、皆様、 若い力と企業、そしてほのぼの研究所との連携企画をぜひご期待下さい。

 先週よりご案内しておりました「成田山街歩き共想法」については、2015-11-15(日)成田山街歩き共想法のご案内 をご覧下さい。皆様のご参加をお待ち申し上げております。 
                         

市民研究員 長久秀子

 2015年7月29日(水)14:00−16:10、千葉県八千代市米本の南自治会館において、阿蘇地域包括支援センター主催の『防ぎうる認知症にかからない社会を目指して』(ふれあい共想法の紹介と体験ワーク)と題した出前講座を行いました。


講座開催先八千代市米本南自治会館

 猛暑にもかかわらず、社協関係者1名、ディサービス指導員1名、地域包括支援センター関係者4名、そして地域の方々14名と、計20名にお集まりいただき、ほのぼの研究所からは、根岸、田口、松村の3名の市民研究員が参加しました。
 ご担当の吉田様のご挨拶・紹介に続き、まずは先般TBSTVで放映された『夢の扉+』のビデオを観ていただき、大武先生の研究内容と認知症予防回復支援手法である共想法の概要を紹介しました。




講座の様子


 次にPPT資料『防ぎうる認知症にかからない社会を目指して』を用いて、ほのぼの研究所の活動や『ふれあい共想法』について解説しました。さらには2015年3月に名古屋大学や愛知県の足助病院との連携で、初めて関東地区以外で実施した「足助街歩き共想法」のビデオも観ていただき、日々進化している『共想法』やほのぼの研究所の実際の活動についての理解を深めていただきました。

 そして10分間の休憩をはさんで、いよいよご参加の皆様に共想法体験をしていただくことになりました。6名の方に「私の好きなもの・こと」というテーマでご用意いただいた写真をもとに1分間共想法をしていただきました。比較的広いテーマだったからでしょうか、忘れられない思い出深い旅、季節を感じさせるもの、そしてペットと、大変幅広い範囲から話題が提供され、皆様が思いの丈を熱く披露されました。そして初めてとは思えないほど、色々な角度から質問が投げかけられ、それにいきいきと笑顔で答えられる様子に、会場全体は大変和やかな雰囲気に包まれました。
 講義終了後の質疑応答では、共想法の実施人数や手順など具体的な質問を多数いただきましたので、ご興味を持っていただけたことを実感したことでした。

 今回は講義中心にせずに、ビデオを多用、『共想法』のデモにも参加していただく等、理解を深めていただくよう努めましたので、その反応が気になりましたが、事後のアンケートでほぼ全員から「役立つ情報が得られた」とのお声をいただき、満足度も想定外の高い評価となりました。『共想法』デモに参加された方からいただいた「実際に参加して、考えることが沢山あり、頭を使っている感じがした。機会があればまた参加してみたいと思いました」というお言葉には、伺った甲斐があったと感じる共に、今後の大きな励みになったことでした。
 この講座の開催にあたり、ご尽力いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

市民研究員  根岸勝壽 田口良江 松村光輝

足助街歩き共想法 実施報告2

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
ShimizuK 2015-4-26 8:00
 ほのぼの研究所では、2014年1月来、共想法と街歩きを組み合わせた手法「街歩き共想法」を本拠地の関東地方で実施してきました。6回目は2015年3月12日愛知県豊田市足助町にて実施しました。全体の流れについては、「足助街歩き共想法 実施報告1」にて紹介しましたので、ここでは、街歩きの様子について報告します。
 足助町の街歩きは足助観光モデルコースのうち、「おすすめコース」(30分)、「伊那街道コース」(20分)、「よくばり散歩コース」(60分)のコースを辿るという、3グループに分かれてスタートしました。
 それぞれのグループは案内役の名古屋大学の先生や学生、地元の方が3〜4人、岸和田や岡崎からの共想法体験希望の参加者を含めたほのぼの研究所関係者からなり、リーダー、サブリーダーは、ほのぼの研究所の市民研究員が務めました。それぞれに企業からの見学者も加わりましたので、多世代によるにぎやかな街歩きとなりました。
 幸い?にも、観光客が押し寄せる町ひな祭りのイベントや、花の季節の端境期でしたので、車の往来を多少気にしつつも、各コース共通の常夜灯を起点に、豊かな自然の中に大切に残された古い街を、気兼ねなくゆるりと巡ることができました。

足助商工会を地元の参加者とタブレットで撮影する


昔の趣を残している魚屋さん店舗

「おすすめコース」のメンバーは、案内役の名大の剣持先生、地元女性3人と岸和田から共想法体験参加の方を含めたほのぼの研究所、以下略して、ほの研関係者4名。「年齢詐称では?」と伺ってしまうほど、女子力いまだ健在の疲れ知らずの地元の3人は、タブレット操作も程なくマスター、かわるがわる写真を撮っては、見学の若い方々を含めた周囲に説明して下さいました。そして時には、他のグループと合流してと、非常に和やかな雰囲気で巡ることができました。また、この街歩きが、これまで面識のなかった地元の方同士が、親しくなられるきっかけになったと確認できたことも、嬉しいことでした。

マンリン書店周辺をじっくり観察して往時をしのぶ


漆喰塗籠の壁や下見板の仕上げが歴史を感じさせるマンリン小路

「伊那街道コース」のメンバーは、案内役の名古屋大学生、地元の方3名、岡崎市からいらした共想法体験参加の方を含めた、ほの研関係者4名でした。スタート早々、地元の方々から伺った、間もなく咲き始めるかたくりの花や、猪や鹿の獣害の話に、豊かな自然にも興味が膨らみました。他のグループと比べると、見学スポットは少なめの設定でしたが、その分、地元の方のお話をじっくり伺うことができました。例えば、おすすめスポットのマンリン小路ではお話を参考に狭い路地を何度も行き来したり、残念ながら当日休業のマンリン書店の中を外から覗いて想像を巡らせたりと、来し方に思いを馳せながら、古い建物や街の雰囲気を満喫できたような気がします。

古い造りのままの和菓子屋さん店舗奥吹き抜けの部屋


猪料理を扱う料理屋さん店舗前に吊るされていた猪の皮

「よくばり散歩コース」には、案内役の名古屋大学生、地元の方4名、岸和田からの共想法体験参加の方、大武先生を含めた、ほの研関係者7名が参加しました。このグループの強みは、地元参加組女性3人の長めの所要時間も楽々クリアの元気パワーと、「足助のことなら全てお任せ」の名ガイドジェントルマンの存在でした。何を伺っても即、淀みなく案内パンフレットに及びもつかないことまで克明に説明して下さり、さらに地元の方々がご自身にまつわるお話を添えて下さいましたので、 多くのスポットを巡ったにもかかわらず、疲れを感じる間もなく充実した時間を過ごすことができました。
 街歩き半ばに昼食に立ち寄った塩の道づれ家では、他のグループの方々ともご一緒できましたので、地元食材を添えた美味しいおそばに舌鼓を打ちながら、街のことばかりでなく、足助の皆様の日々の様子も伺うことができました。
 街歩きの後の共想法では、観光スポットや何気なくみつけた街中の発見について、自身のエピソードや街の歴史・慣習などをもとに多様な話題が提供され、質疑応答では様々な角度から、街歩き時には収集しきれなかった盛りだくさんの情報が加えられましたので、今それが叶わないことはわかっていても、「もう一度確認しに行きたい」「知らなかった(行かなかった)ので、訪れたい」、「ひな祭り、かたくり、桜、紅葉…の時季にはまた必ず!」との思いを強くしたことでした。何より嬉しかったのは、地元や体験参加の方々が、初めてとは思えないほど活発に話題提供をして下さり、他のグループの共想法の様子を楽しそうにご覧になっていたことです。

澄んだ足助川と河畔に立ち並ぶ住宅

 足助町で強く感じたのは、環境保全にも配慮して、美しい自然と古い街並みを保存している足助町への誇りと親しみがとても強いこと、そして、足助病院を中心とした街ぐるみの高齢者の健康づくりが、生活に根付いていることです。町民も協力した、河川の環境保全や自然資産の保全・育成や街づくりによって、豊かで美しい自然を享受でき、観光資産の創生が叶ったことを話題にする時の面差しは誇らしげで、満足げに見えました。

足助病院で開催されている高齢者向け教室の案内

 院長先生を中心に開催されている、足助病院の高齢者向けの様々な教室は楽しく、中山間地でも利用しやすいよう、足の便も工夫されているとのこと。地域に密着した心身の健康づくりに、高齢者が積極的に参加できることは非常に羨ましく、その結果、今回こうした元気な方々と出会い、初対面同志でもすぐに打ち解けることができて、楽しい時と情報を共有できたことを心より感謝した次第です。

市民研究員・足助町街歩き共想法グループリーダー:田口良江、清水きよみ、長久秀子

足助街歩き共想法 実施報告1

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
ShimizuK 2015-4-19 8:00
 ほのぼの研究所では、2014年1月来共想法と街歩きを組み合わせた手法「街歩き共想法」を、本拠地の関東地方で実施してきました。6回目は、2015年3月12日、愛知県豊田市足助町にて実施しました。
 これは中部地方での初の試みであるばかりか、名古屋大学、足助病院のご協力のもと、中山間地の観光地という地域特性の中での、健康づくりに熱心な住民の方々を交えての実施、名古屋大学未来社会創造機構が進める研究の一環として、認知症の予防法としての効果が期待される「共想法」の、名古屋大が開発する行動センシング技術や対話理解技術の適用可能性を検討する実験としてと、初めて尽くしの多角的なものとなりました。
足助町から11名(60代〜80代)、名古屋大学から3名、かねてより共想法に興味を持たれていた愛知県岡崎市や大阪府岸和田市からの共想法体験参加の方を含めた、ほのぼの研究所関係14名が参加しました。
こうした研究テーマは企業からの注目度も高いのでしょう、T社:3名、名古屋大学COIサステナブル基盤:4名(含むP社2名)、名古屋大学COI情報基盤:2名(含むF社1名)、H社:1名と、企業からの見学者も大勢ありました。
 前々日の雪が解けても、「春浅し」を感じさせる気温でしたが、お天気には恵まれました。

 受付にて各種測定端末機器を受け取る

10時、足助病院に集合して各種測定端末を受け取った後、名古屋大学の剣持先生の司会で、オリエンテーションが始まりました。名古屋大学の武田先生や未来社会創造機構の方、大武先生の挨拶の後、共想法(TBSテレビ『夢の扉+』のビデオ視聴を含む)や、タブレットによる写真撮影方法の説明がありました。
 11時、地元の参加者と顔合わせをして早速、「おすすめコース」、「欲張り散歩コース」、「伊奈街道ゆっくりコース」の3コースに分かれて、足助町旧市街の街歩きに繰り出しました。


 共通のスタート地点常夜灯前にて地元情報に精通した参加者の説明を聞く

地元の参加者は、高齢者の健康づくりに熱心な足助病院での公募に応じられた方々だけに、元気で活発な方々が多く、早速打ち解けることができました。

足取りも軽くいざ、街歩きに出発

町のあらゆることに詳しい生き字引のようなガイドさんがいらしたグループ、仲良くタブレットで写真を撮り合いながら、地元情報を披露し合ったグループ、メンバーのペースや要望に応じてゆっくり、でもじっくりと散策したグループと、それぞれが親交を深めながら、自然と歴史が美しく融合した足助町を楽しく巡ることができました。

塩の道づれ家にて昼食のおそばを待ちながら歓談

 昼食は、塩の道ずれ家というおそば屋さんでいただきました。かつて塩の道で栄えた頃を彷彿とさせる構えのお店で、鮎の甘露煮や蕗の薹の天ぷらなど足助の素材を活かしたものを添えたおそばは、大変美味で心まで休まり、ここでもまた地元のお話をたくさん伺うことができました。
 昼食後もしばらく街歩きを続けた後、足助病院に戻り、14時30分よりいよいよ共想法が始まりました。
 タブレットで撮影した各自「一押し」の観光スポットや、何気なくみつけた街中の発見について、話題提供され、それに質疑応答という流れはいつもどおりでした。しかし知らない土地へ赴いての共想法では、特に来訪者の話題に対して、地元の方々が歴史や恒例の季節行事、慣習などの情報を提供して下さることが多く、一緒に巡ったところや興味を持ったことに対しての興味が一段と高まり、時間と情報を共有する楽しさを味わい、笑顔の絶えないひとときとなりました。地元の方々や遠方から初めて体験参加をされた方々が初めての共想法とは思えないほど活発に話題提供をして下さったことは嬉しいことでした。一方、限定された時間内に話すことの難しさを痛感した体験者の声も印象に残りました。

地元の方々、体験参加の方々を交えての共想法実施風景

 16時の共想法終了後は、しばしお茶のひととき、甘いお菓子で本日の快い疲れを癒しました。
 そして、かたくり、桜、もみじの頃にはまた訪れてみたいという思いを募らせつつ、名残惜しい足助町を後にしました。 
 最後になりましたが、この街歩き共想法に対して参加者募集、街歩きコースの計画等、企画段階から多大なご尽力を頂きました名古屋大学情報科学研究科武田一哉先生、同環境学研究科研究員剱持千歩先生、足助病院早川富博院長先生並びに関係の皆様に厚く御礼申し上げます。有難うございました。
 なお、この街歩きの様子は、次週「足助街歩き共想法 実施報告2」にて引き続きお届けいたします。

市民研究員 根岸勝壽