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ほの研ブログ - friさんのエントリ

新年のご挨拶2018

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
fri 2018-1-7 8:00

2018年 戌年
上空より三保の松原と富士山を望む

旧年は、2007年に研究拠点ほのぼの研究所を開所して10年となる節目の年でした。大学発非営利組織として、代表理事の本務地と共に、最初の5年を東京大学柏キャンパス、次の5年を千葉大学柏の葉キャンパスを、事務所所在地として来ました。2017年の代表理事の理化学研究所への異動に伴い、次の10年を見据え、柏市文化・交流複合施設「パレット柏」に、事務所所在地を移転し、新たな一歩を踏み出しました。次の10年の間に、どのような状態になることを目指しているか、初夢の形で表現したいと思います。

  • ・・・2027年。高齢者を始めとする多世代の人が、健康支援産業の担い手となり、自らの健康状態やライフステージに合わせて、認知症予防事業などの実施者として勤務している。

  • その中に、会話支援手法、共想法が、認知症予防、質の高い生活、コミュニケーション、コミュニティづくりを支援するサービスの基盤として、社会の中で活用されている。

  • 共想法実施者は、継続的な研修を通じて、互いに刺激し合い、切磋琢磨しながら、質の高いサービスを提供している。

  • 効果的な共想法を確実に実施するよう支援する装置やロボットなどが開発され、商品化され、実施者や参加者はそれらを使いこなしている。

  • 共想法の効果検証の臨床試験が、国内外の各種機関において実施され、エビデンスが蓄積されている。

  • NPO法人ほのぼの研究所は、各種機関と連携しながら、共想法の実施者の養成、認証機関となり、共想法の発展と普及、品質保証を担う。・・・

このような未来に向けて、2017年はその端緒となる取り組みをしました。

  • 人材育成分野の企業の協力を得て、共想法ガイドブックを開発し、2日間にわたる本格的な実施者養成研修を試行。

  • 適性ある実施者を発掘する仕組みづくりを目指して、認知症予防無料講習会を実施。

  • 地域のウォーキングクラブや高齢者就労を支援する団体、自治体が運営する施設との共催や後援により、ワークショップや講演会を開催。

  • 共想法司会ロボットを用いた共想法の実践。

  • 共想法実施を通じて生活の知恵を引き出し共有するための、テーマ設定の検討。

日本の総人口に占める高齢者の割合は、2007年から2017年の間に、21.5%から27.7%まで上昇しました。認知症対策は待ったなしの状況です。開所当時83歳だった最高齢市民研究員が、健やかに93歳を迎えることができたことを始め、多くの方と共に10年の歩みを進めることができましたことを、心より喜ばしく、ありがたく思います。次の10年は、さらなる時代の転換期となることが予想されます。そのような中、よりよい社会を創っていかれるよう、努めて参ります。

2018年は、2008年にNPO法人ほのぼの研究所を設立して10年となる節目の年となります。本年も、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2018年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武美保子

 2007年に研究拠点ほのぼの研究所を設立してから、本年2017年で10年の節目を迎えます。次の10年を見据え、共想法の研究活動をより一層加速することを目指して、2017年4月、当研究所大武美保子代表理事が千葉大学から理化学研究所に移籍しました。次世代人工知能の基盤技術を研究開発することを目的として設立された、理化学研究所革新知能統合研究センターに、認知行動支援技術チームのチームリーダーとして着任しました。人間の知能を育む人工知能の開発を目指して、共想法による認知症予防効果を検証する臨床研究を行うと共に、それを可能とする技術を開発します。実験後、実験に用いる技術が製品、サービスとなり、実験実施人材が事業の担い手となり、社会に広く普及することを目指します。理化学研究所では、事業化に向けた基礎研究を行い、ほのぼの研究所では、事業化に向けた環境構築を行います。
 以上に伴い、ほのぼの研究所の事務所を千葉大学柏の葉キャンパスから、柏市文化・交流複合施設「パレット柏」内に移転しました。パレット柏は、2016年に柏市にオープンした、柏市民交流センター、柏市民ギャラリー、柏市国際交流センター、柏市男女共同参画センター、市民活動サポートセンターの5つの施設の複合施設です。柏市民交流センター内コワーキングスペースを拠点に、活動を展開して参ります。防ぎうる認知症にかからない社会の実現に向けて、新たな一歩を踏み出します。志を同じくする皆様と共に活動できることを楽しみにしています。

リンク(新しいウィンドウが開きます)
理化学研究所革新知能統合研究センター
パレット柏

理化学研究所革新知能統合研究センターゲストスペース
回想法実践家Pam & Alex Schweitzer夫妻が来訪


パレット柏にて 利用申し込みに行った日に記念撮影

NPO法人 ほのぼの研究所 代表理事・所長
国立研究開発法人 理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー
大武美保子

柏の葉街歩き共想法 A班実施報告

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ほの研日誌 » 行事
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fri 2014-11-23 8:00
ほのぼの研究所では、話題探しのコツを楽しみながら学ぶことを目的として、街歩きと共想法を組み合わせた新しい企画に取り組んでいます。第四回は、千葉県柏市の北部地区にあります、柏の葉スマートシティを舞台に開催しました。
 街歩きしたグループ毎に報告します。今回は、「柏の葉街歩き共想法A班」からの実施報告です。企画全体の報告については、柏の葉街歩き共想法 実施報告をご覧下さい。

 心配された台風の影響もなく好天に恵まれ、スマートシティツアーに参加するA班は全部で7名です。
 A班のコースは「ゲートスクエアコース」を選びました。
ツアーの内容は
(1) オープニング(街づくりのコンセプトを映像で紹介)
(2) 柏の葉スマートセンター(地域エネルギー運用・監視・制御拠点)
(3) KOIL(新産業を生み出すイノベーションオフィス)
(4) 街のすこやかステーション(疾病予防型の健康サービス専門店街)
(5) エネルギー棟(創・省・畜エネルギーの供給・制御設備を集約させた施設)
(6) オープンスペース(モビリティポート・プラザなど)
です。
 つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅9時30分集合、本日街歩きを共にするB班と柏の葉アーバンデザインセンターで受付を済ませ、柏の葉スマートシティミュージアムに向かいました。
 建物の中に入ると、街づくりの全体図の模型を見ながら、現在造成中であるが、街ができたエリアを先導的に観てもらい、街ができて行くイメージを持ってもらいたいとの説明がありました。ドームシアターでは、館内を回りスマートシティに暮らすという、未来のライフスタイルを映像や展示で示されるなど、分かりやすい施設でした。
 スマートシティミュージアムを出て、ここからは街歩きです。今回の「テーマ」は「私の発見」です。全員トランシーバーによる説明で、ガイドとの距離が離れてもとても聞きやすく、初めての体験でした。まず、オークビレッジ柏の葉(体験型貸農園)の前を通り、ゲートスクエア(スマートシティの中心となる機能を集約)、モビリティポート(電動自転車・電動バイク・電気自動車)、最後にKOIL柏の葉オープンイノベーションラボ(最先端の機器を備えたデジタル工房や自然な交流を生み出すカフェを併設)、と歩き、受付に戻りアンケート用紙に記入し、街歩きを終了しました。


オークビレッジ柏の葉の前で説明を聞く参加者



KOIL柏の葉オープンイノベーションラボ


 街歩きで感じたことは、高齢者にとって最先端未来都市づくりはどのように映るのか?若者層向きの街づくりを直感した方もいたのではないか?ということです。一方、計画造成中なのでこれから先、街づくりがどのような形で進んで行くか、興味・関心事にも捨てがたく思いました。

市民研究員 野口宗昭

スカイツリーの姿をとても綺麗に撮影できる場所があります。言問橋のたもとで、ビルに邪魔されず、下までしっかりと写すことができます。この場所を見つけたときには、ここは私の秘密の場所だと喜んでいました。スカイツリーは夜になると、紫やシャンパンツリーと呼ばれる水色、季節によって緑や赤、ピンクなど様々な色でライトアップされます。それをよく撮りに行くのですが、その場所は、実は皆さんよく知っていて、特別な日は撮影したい人でいっぱいでした。やっぱりそうですよね。

台東区生涯学習講座参加者 Y.N.さん



言問橋からのスカイツリー

コメント:台東区生涯学習講座参加者 M.O.さん
 また一つ、共想法で耳寄りなお話を教えて頂きました。さっそく、言問橋に行ってみようと思います。言問橋の近所に住んでいるという参加者の方が、地元でない人が増えた、とおっしゃっていました。

台東区生涯学習講座 実施報告

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
fri 2014-2-23 8:00
2014年2月8日(土)14:00-16:30、生涯学習講座「共想法体験〜写真を使って、会話をしよう〜」が台東区生涯学習センター5F研修室において、台東区教育委員会主催で開催されました。
  この講座は、高齢者施設ボランティアの養成を目指す、連続五回の生涯学習講座の第二回として開催されました。最終回の第五回では、実際に介護施設にて実習を行います。第二回の目的は、初対面の高齢者と効果的にコミュニケーションを図る方法の一つとして、受講者が共想法を学ぶことです。台東区研修担当の方が、大武美保子著「介護に役立つ共想法」を読み、共想法のことを知ったことがきっかけで、開催の運びとなりました。


複合施設、台東区生涯学習センター

以下、実施状況をご報告いたします。
参加者は、受講者5名(2名欠席)、生涯学習課研修担当3名、大武先生、市民研究員5名、合計14名でした。会場は、参加者が十分入れるような広さで、スクリーンも設置され、窓からの眺望も楽しめる、落ち着いた豊かな環境でした。
  この日の天候は開催日の夜半から当日は、天気予報通り、吹雪と積雪の荒天候に見舞われ、一時、予定通りの内容での開催が危ぶまれるような状況でした。研修担当の方からは、天候状況にあわせ、その時点、時点で、交通状況や参加者一人ひとりの状況を把握した対応や、温かいお茶のもてなし等、きめ細やかなご配慮がありました。


当日、会場からの雪景色

以下は当日の流れです。
13:30 研究員集合、講座用の資料の配布準備、椅子とテーブルを共想法用に配置、プロジェクタ設置の準備等を行いました。
  配布資料は、1.レジメ、2.ケアワーク2012年9月号「ふれあい共想法で認知症予防を」、3.アンケート2件(共想法体験、講演会に関して)、4.チラシ2件(真壁ひなまつり共想法、谷中で共想法)、5.ほの研通信15号と、最新版の資料でした。


講座用に配布した資料と回覧した書籍「介護に役立つ共想法

14:00 講座開始     
1.はじめのあいさつ 台東区研修担当の方より 連絡事項・紹介
2.講座、講師大武先生
以下、レジメに沿ってテキストや動画、その他の資料を活用し、進められました。
1) 配布資料確認、自己紹介(ほのぼの研究所市民研究員、受講者) 、動画上映
2)高齢者にとってのコミュニケーション
3)介護施設で初めて出会う高齢者の方と会話をするきっかけを作るひとつの方法である共想法、書籍「介護に役立つ共想法」回覧
4)共想法の実施手順、動画上映

15:00 休憩 
その間、写真を当日持ってきた方の写真をシステムに登録しました。
5)共想法体験 1人 写真1枚、話題提供時間1分、質疑応答時間2分
  1回目  テーマ 「谷中」、PC司会:田崎
  参加者:大武先生、研究員…田口、松村、永田、清水
  2回目  テーマ「近所」(台東区) 、PC司会:大武先生
  参加者 受講者…K.Tさん、K.Hさん、Y.N.さん、K.Sさん


受講者Y.N.さんの話題提供「言問橋からのスカイツリー

6)介護施設での実習に向けて、まとめ
7)質疑応答
3.終了あいさつ 台東区研修担当の方より 連絡事項
16:30 講座終了

  講座の前半、全員の自己紹介では、参加された受講者の方には、受講したきっかけや、期待するものなどを紹介していただき、交流が図られていました。傾聴を学んでいる方が多いことが分かりました。特に、大武先生とほのぼの研究所の紹介として、講座翌日の2月9日に放送されたTBS「夢の扉+」の「楽しい会話でさらば!認知症」の予告動画の上映も行いました。

  4)共想法の実施手順では、介護老人保健施設マカベシルバーピアの動画上映を行いました。熱心に受講されていた受講者の中からは、「興味があるが遠慮がちな高齢者は、共想法に参加しているのか?」、といった、的確な質問が出ました。この質問には、実施者の永田さんが、「そのような方は、まず見学頂いて、入院などにより欠員が出た時に参加頂けるよう、工夫している」、と具体的にお答えしました。参加者が自然に引き込まれた1時間だったのではないでしょうか。

  講座後半の5) 共想法体験では、写真が持ってこなかった受講者も会話に参加できるように、その方に適した話題のタイミングのところで、入ってこられるように、振ってみられました。そのことで、見学から参加へと話の輪が広がりました。共想法は、実施者の対応の仕方によって、皆が参加して楽しめることを、体験を通して伝えました。共想法を行ってからは、参加者一人ひとりの存在をより意識し、打ち解けた雰囲気が流れだしたように感じられました。


共想法後の打ち解けた雰囲気

  6)介護施設での実習に向けて、以下のまとめがありました。
(1)共想法という、良く知らない方とでも会話をしやすくする方法がある。
(2)写真を使うと、良く知らない方とでもスムースに話をすることができる。
(3)共想法を活用(応用)して、実習やボランティア活動に役立てることができる。

  7)質疑応答のところでは、受講者の方から、「共想法で提供された話題に対する質問について、話題提供者以外の人が答えてもよいのか?」といった質問がだされました。それに対して、大武先生は、話題提供をみんなで会話を楽しむための「呼び水」に喩えた上で、「呼び水から、参加者の皆さんで話を膨らませながら会話を盛り上げて行くので、一つの話題に対し、できるだけ多くの参加者が発言するのがよい」ということでした。講座は、時間があっという間にすぎたように感じられたのではないでしょうか。閉講後も残られて、先生と質疑応答が続き、そこでも、とても意欲的な姿に出会えました。


講座風景

  即日、受講者の方から、話題の200字要旨が、研修担当の方からは、今回の研修に対する熱い思いが寄せられました。天候は厳しかった替わりに、得ることが多い出前講座を行うことができました。今回の講座が介護施設での実習にお役に立つようにと祈っております。

  ここで余談となりますが、講座のお話があった時、ほのぼの研究所は、初の試みとして、街歩きと組み合わせた共想法を、台東区浅草で開催する案を練っていたところでした。その台東区からの連絡でしたので、びっくりしました。星の巡り会わせでしょうか。その後、浅草ではなく、谷中で開催することができました。詳しくは、「谷中共想法 実施報告」をご参照下さい。

  報告の最後になりましたが、今回の講座を開催するにあたり、多大なご支援とご協力をくださいました、台東区教育委員会関係の方々に、ほのぼの研究所一同より心から感謝とお礼を申し上げます。

市民研究員 清水きよみ

2013年ほのぼの研究所クリスマス交流会

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
fri 2013-12-29 8:00
  2013年12月17日(火)、千葉大学柏の葉キャンパス シーズホールで、クリスマス講演会の終了後、クリスマス交流会が開催されました。交流会に参加する方には、別棟の2階会議室に移動頂き、ほのぼの研究所紹介DVDをご覧頂きました。その時間内に、シーズホールは、交流会の会場へと早変わりです。メインテーブルには、大きな銀皿に色とりどりのケーキが並び、中皿にはサンドイッチ、ナゲット、チップ、飲み物はコーヒー、ジャスミン茶、ウーロン茶、紅茶などが並びました。メインテーブルを囲むように、A〜Dと名札をつけ、「島」状に配置したテーブル4か所は、歓談の場となります。


色とりどりのケーキ

  16時、サンタ帽子を被った交流会の参加者64名が会場に揃い、交流会開始となりました。司会は、市民研究員の根岸さんです。開会の挨拶は、ほのぼの研究所事務局長の長谷川多度さんです。「新年早々に90歳になります。社会に貢献する仕事をしたい。」と話されて、沢山の拍手を頂きました。乾杯の音頭を、来賓でご挨拶頂いた、千葉大学大学院工学研究科長の北村彰英先生にお願いしました。


乾杯の音頭

  司会者の配慮で、Aの名札を置いたテーブルに、ケンパー先生の席を決めて頂きました。先生とお話をしたい方、質問のある方は、Aテーブルに出向いて先生とお話ができるようになり、何人もの方が先生とゆっくりお話ができました。中には、握手して頂いた方もいたようです。


ケンパー先生・大武先生と歓談する参加者

  洋菓子専門店から取り寄せたケーキによるパーティーはなかなか好評で、銀皿に盛られた美味しそうなケーキを一つ頂いて、「もう一ついいかしら?」と言いつつ二つ目も頂き、カロリーを気にしながら三つ目に挑戦した方がいらしたとか。辛党の方の感想はいかがでしたでしょうか。
  ひとしきり歓談頂いたところで、自己紹介の時間です。学校関係、企業関係、協働で共想法をしている介護老人保健施設マカベシルバートピア関係の方・NPO法人きらりびとみやしろ関係の方、賛助会員、チラシを見て申し込まれた方、継続コース、研究員と、呼ばれたグループ毎に自己紹介し、それぞれの立場をアピールしました。


大武研究室の皆さん

  最後に、千葉大学の関係者が呼ばれました。大学4年生が3名、大学院1年生が3名、モンゴルから来た女性の研究員、平素からお世話になっている秘書さん、皆さん大武研究室のメンバーです。特に学生さんは、ケンパー先生の英語を、大武先生と一緒に翻訳してスクリーンに字幕で紹介したり、かわいらしいロボット研究員「ぼのちゃん」に言葉を話させたりしました。英語で講義された内容を分かりやすく、参加している私たちに伝える大役を果たしてくれました。3月に学窓を巣立っていかれる方もおられて、嬉しくもあり、ひとしおの寂しさもあります。名残尽きない交流会も、お開きが近くなりました。当NPOの監事であり、柏市市議会議員、上橋泉先生に中締めの言葉を頂き、盛会のうちに終了いたしました。

市民研究員 田口良江

ぎんさんの娘四姉妹訪問

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ほの研日誌 » 旅行記
執筆 : 
fri 2013-6-2 10:00
国民的人気を博した長寿の双子姉妹、きんさん、ぎんさん。ぎんさんの娘・四姉妹のおしゃべりが面白いと注目を集めています。その面白さのなぞ解きをするNHKの取材に対応したことがきっかけで、会話を分析し、実際にお会いし、共想法ならびに開発中の会話支援ロボットを体験頂く機会を得ました。周囲の話をよく聞きながら同時に発言を考え、発言のバランスを取りながら頻繁に話者が入れ替わる、認知機能をフル活用する必要がある会話を日々実践されていることが分かりました。四姉妹というロールモデルを得て、ますます面白くて役に立つ技術を開発して参りたいと意を新たにしました。


ぎんさんの娘・四姉妹の皆さんとちゃぶ台を囲む

代表理事 大武美保子記

人工知能学会近未来チャレンジ卒業認定

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
fri 2012-9-9 6:10
人工知能学会には、近未来チャレンジという制度があります。5年以内に社会に役立ち、新しい学術分野を拓くテーマを募集し、セッションテーマとして取り上げ、毎年審査を行い、合格すると次の年もセッションを開催できる制度です。5回の審査に合格すると、卒業と認定されます。

2007年の人工知能学会全国大会で近未来チャレンジテーマとして提案した「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」は、2008年から2011年まで4回のセッションを開催し、提案を含めて5回の審査に合格し、2012年には卒業セッションの開催と共に、正式に卒業と認定されましたのでご報告します。卒業セッションを含めた5回の開催で、計68件の発表があり、基礎的な理論から現場での実践まで幅広く活発な討議が行われました。

近未来チャレンジについては、公式サイトをご覧ください。
人工知能学会全国大会特別企画 近未来チャレンジ
近未来チャレンジ 卒業生の体験談紹介 大武美保子氏

セッションが開催されたのは2008年からですが、ほの研ブログが始まった2009年以降、報告が掲載されていますのでご案内します。
2012年 山口人工知能学会 参加報告
2011年 盛岡人工知能学会 聴講記
2011年 盛岡紀行
2010年 長崎学会 聴講記
2010年 長崎紀行
2009年 高松学会&旅行記

卒業できましたのは、興味深い御発表と活発に御議論下さり、このセッションを御支援下さった、すべての方の御蔭です。改めて感謝申し上げます。
今後は、セッション開催を通じて主に日本で構築したネットワークを世界に拡張し、研究領域を構築、健康長寿社会における新産業の創出などに取り組んで参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

人工知能学会近未来チャレンジ(2007年−2011年)
「認知症予防回復支援サービスの開発と忘却の科学」卒業生代表
大武美保子

2012年3月10日(土)、東京大学の前期試験合格発表でキャンパスの人があふれる中、第48回UTalkカフェイベントのゲストとして参加してきました。
UTalkは、様々な領域で活躍している東京大学の研究者をゲストとして招き、毎月開催するイベントです。福武ホール一階のカフェUT Caf醇P BERTHOLLET Roungeでくつろいだ雰囲気の中で行われ、一人一杯の飲み物つきです。
認知症予防を身近に感じる高齢の方から、学生時代教えたことのある卒業生まで、幅広い年齢層の方が参加されました。共想法は、ほのぼのとした時間を高い確率で作り出す技術で、そのような時間を過ごすことで、のびのびと認知機能を柔軟に活用することができるという話をしました。
ここで、カフェイベントを運営する教員、大学院生、大学生4名の方に、共想法を体験して頂きましたのでご紹介します。

思い出の造形教室
星空の温泉
ワークショップを俯瞰する
六本木の遊び方

体験実施の後は、参加者ひとりずつ順に短く感想や質問を頂いて、相互に交流しました。

大武美保子記



ふれあい共想法パンフレットを用いて説明


共想法体験実施の様子

- Utalk カフェイベントウェブサイト

貢献する心、出版

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
fri 2012-2-12 10:00
2011年7月16日に開催されたシンポジウム「貢献する心の生物・文化的起源と将来」を元に制作された書籍が出版されました。
”やさしさ、思いやり、利他心……。他者とつながり、助け合うことに喜びを見出すヒトの特性をめぐり、哲学者、文化人類学者、科学者、作家等6名が分野を超えて語り合う。討論会を含む全7章。”と紹介されています。
第3章で、ふれあい共想法の説明を通して、サービス工学の観点から貢献する心について議論しています。

(もくじ)
第1章 上田紀行   「お互いさま」の絆をむすびあう
第2章 瀬名秀明   ロボットは貢献心をもつことができるか
第3章 大武美保子  視点をつなぐ「ふれあい共想法」
第4章 谷川多佳子  ライプニッツの互恵の哲学
第5章 長谷川眞理子 他者を思う心の進化:共感と幻想
第6章 大橋力    協調的世界像の起源
第7章 【討論会】  震災後に語り合う生命と貢献心

上田紀行, 瀬名秀明, 大武美保子, 谷川多佳子, 長谷川眞理子, 大橋力.貢献する心−ヒトはなぜ助け合うのか,工作舎,2012.

貢献する心 工作舎ウェブサイトに、関連情報があります。
また、オンライン書店Amazonからも購入できます。

○ほの研ブログ記事(講演の動画):講演”視点をつなぐ「ふれあい共想法」”


書籍「貢献する心−ヒトはなぜ助け合うのか」の表紙