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ほの研ブログ - ほの研日誌カテゴリのエントリ

 2019年4月継続コース共想法は9年目を迎えます。今年度の年間テーマは「感性をはぐくむ」。私たちは1年ごとに平等に年を重ねます。頑固にならず、協調できるゆとりを持ち、しなやかな心を育てたい、五感も色あせることなくピカピカにしていたいと思います。この大層な年間テーマは、歳を重ねても前向きにしっかり生きなさいと言われているのだと改めて気が付きました。
 
今年度のテーマから読み取った志を象徴するような伸びやかな大樹


 昨年に続き、6月から柏市主催の認知症予防講座(全3回)が開講します。ほのぼの研究所は全面協力、大武美保子所長が講師を務めます。そして、継続コースは講座終了者で共想法に関心を持った方の受け皿ともなります。
 また、見学者は近隣の公共施設に配架された案内チラシや新聞記事を見て興味を持たれた方、弊所講演会等で案内を聴いた方、企業からの研修者、大武先生の共想法をお知りになった大学関係者等多くの方が見学に来られます。共想法にお試し参加の後、参加意向があると、賛助会員となり、正式に継続コースに参加されることになります。


2019年度継続コースの案内チラシ(表)



2019年度継続コースの案内チラシ(裏)

 今年度も共想法は、新しく参加された初心者グループとベテラングループの2グループがそれぞれ別のテーマで共想法を実施します。初心者グループのテーマは「共想法で行う12のテーマ」即ち『1.身近な物の価値を見つけ出す2.行動したことから価値を見つけ出す3.行動を計画する』の3つの考え方に基づく基本的な12のテーマを、共想法に参加しながら学習して頂きます。
 ベテラングループに開設当初から参加している女性2名は、共想法に通算約100回参加いただいたことになります。その中の一人、90代で旅行好き活動的な女性は毎回の共想法に参加、頭磨き・脳磨きをして活発でお元気です。
 このグループのテーマは、回を追うごとに難易度が上がり、4月第1回のテーマは「音のある風景」でした。参加者は難しいテーマに正面から取り組み、それぞれの視点で個性ある写真が撮られ、実施1週間前には共想法パネルのセッションに送信します。 
 2枚の写真説明から始まる共想法は、撮った者のみが知る情報いっぱいの説明になります。撮ったときの情景を思い出しながら決められた時間内に饒舌に語り、興味津々の聞き手の好奇心を誘います。グループ全員の写真説明が済むと、次のステップ質疑応答で、次々質疑応答が繰り返されます。
 共想法の司会は、ロボット「ぼのちゃん」が行います。時間管理は厳しいものの、可愛らしい表情に癒されながら進行していき、終了時の「ぼのちゃん」の挨拶と会場内の拍手と参加者の満足げな様子に、全員が安堵するのです。
 
2019年初回の継続コース実施風景

 この後ランダムにスクリーンに映し出される写真が誰が提供したものかを思い出して当てる写真当てクイズを会場全員で実施します。続いて、会場の全員が共想法に参加した気持ちで聞いているとして、会場の全員が、「参加のポイント」を守って参加できたかを振り返る「共想法活動チェックリスト」の「話し方」・「態度」・「聴き方」の各項目に自己評価を書き入れます。自身の成長をうかがい知る資料になります。
 次回の開催日・テーマを確認して終会。帰り支度をして階下の多目的室のテーブルを囲んでお茶とお菓子をいただきながら談笑して寛いだ後、家路に向かいます。

 以下は、年度初めに大武先生から参加者に寄せられたメッセ―ジです。
【心を意識して動かし、自分事として聞く】年をとって記憶力が悪くなったと感じるのはマンネリ化したような気になって驚きや刺激が減るため、言い換えれば、記憶に残したい情報には、心を意識して動かし、楽しんだり悲しんだりしたら自然に記憶に残せます。
【他人の話を、他人事と思わず自分のことと思って聴きましょう】
【創造に基づいて、気持ちを汲む発言をするとよいでしょう】
【声や全身を使って気持ちを表現しましょう】
他人の話を、他人事のように聴くと、記憶に残りにくいですが、自分のことと思って聴き、一緒になってハラハラドキドキしたり、楽しんだり喜んだりすると、記憶に残りやすくなります。
 大変理にかなった日常生活に役立つ内容であることがわかります。継続コース参加者は、先生に見守られ、アドバイスを受けながら楽しく共想法に参加、お互いの話をよく聴いて実生活に活かし、かつ互いの生活力を高め合っています。

 今年度も大勢の方に見学にいらしていただき、共想法への参加体験を通して、その楽しさ、仲間にしっかり自分の話を聴いてもらえる心地よさを味わっていただき、お一人でも多くの方々にお仲間になっていただければと、願っています。
 市民研究員・継続コーススタッフ一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

継続コース担当 市民研究院 根岸勝壽・田口良江

 2019年3月7日から8日にかけて、だんぢり祭りやNHK連続テレビ小説「カーネーション」で有名な大阪府岸和田市にある、野花ヘルスプロモート(以下、略して野花)を訪問しましたのでご報告させていただきます。
 報告者はほのぼの研究所の市民研究員ですが、協働事業者である野花の担当として2015年12月より3回ほどお邪魔しています。今回は司会ロボットぼのちゃんをご披露し、その操作を覚えていただくことと、各部署の責任者に、会話支援手法、共想法を理解していただくという目標がありました。そのために、大武先生、理研の田村さん、永田の3名で、東京駅から難波を経由して岸和田へ電車で向かいました。
 7日は朝9時20分の新幹線に乗り、昼食は車内で駅弁を楽しみました。午後1時半に岸和田駅前のホテルで待ち合わせをした在宅統括責任者の正木さんのご案内で、有料老人ホーム喜平久米田、のばなデイサービスセンターを見学しました。正木さんが責任者であるのばなデイサービスセンターは、最近完成した明るい雰囲気の建物で、白い床板が印象的でした。お風呂以外に足湯もありましたし、カラフルなトイレやカフェ風の厨房はとてもおしゃれでした。

のばなデイサービスセンター カフェ風の厨房

 最後のサービス付き高齢者向け住宅のばなの見学のあと、ロボットの操縦講習会を田村さんの指導で実施しました。正木さんと、サ高住施設長の福濱さんが講習を受けられ、熱心にビデオを撮影されていました。

ロボットの操縦講習会

 次の8日は昨日と同じ会場で大武先生の講演会がありました。講演はのばな各部署責任者向けでしたので、代表の冨田さん、前日より引き続きの正木さん、福濱さんをはじめ、施設統括責任者の岡田さん、サ高住施設長の福濱さん、喜平久米田施設長の瀧川さん、ケアマネ管理者の信貴さん、訪問看護管理者の南木さん、渉外担当の原田さん、MS事業部、臨床心理士の大村さん、篠倉さん、藤本さんが参加されました。

大武先生講演会

 講演会では先生のご研究の経緯、今後の展望をお伝えしましたので、興味津々の参加者の皆様は熱心に聴講されていました。それぞれ簡単な感想を述べていただき、その後11時ごろからぼのちゃんの司会による共想法が始まりました。ぼのちゃんは特に女性に人気があり、皆さんスマホで写真を撮りながらぼのちゃんに呼び掛けていました。
 参加者は上の方々のなかから選ばれた5名の皆様、技術指導は田村さん、ぼのちゃんによる司会のセッションは終始大変和やかな雰囲気で進みました。写真はそれぞれ1枚、話題提供1分、質疑応答2分で、合計15分ほどかかりました。

野花共想法

 大阪の皆様はさすがに話の盛り上げ方をご存知で、笑いとユーモアの絶えない生き生きとした共想法となりました。臨床心理士の皆様からは、色々な場所でやってみたいという感想をいただきました。筆者も同じように高齢者施設で働く者として、皆様の仕事に対する真摯な態度や明るい雰囲気に大いに刺激を受けました。共想法についての活発な質疑応答がなされたのち、12時過ぎに研修は無事終了しました。参加者のある女性が、ぼのちゃんや大武先生の存在自体が癒しだとおっしゃっていたのがとても嬉しかったです。

質疑応答風景

  今回の訪問では新しい施設を見学させていただき、講演会では冨田代表をはじめ皆様の吸収力と尽きないエネルギーに圧倒されました。施設の看板にNobana inn Day Service Clubという英語表記をみつけた時は、まるでハワイにいるような気分になり、野花ヘルスプロモートの今後の展開がとても楽しみになりました。

デイサービスセンター玄関

 ぼのちゃんという強力な助人を得て、忙しくとも学びを重ねていく若い方々の積極的な姿勢を拝見して、私もぼやぼやしてはいられないと思った次第です。また私の経験が多少なりともお役にたてるのであれば、今後とも尽力させていただきたく思います。

市民研究員 永田映子

 2019年1月29日、流山市生涯学習センター3F市民活動推進センター大会議室にて、2018年度ほのぼの研究所合同研修を開催しました。これは毎年1回、通期で活動を総括、課題を整理し、次期の展望や方針について、確認・討議するものです。
 大武所長ほか、理化学研究所の技術経営顧問、同技術開発顧問(兼ほのぼの研究所副代表理事)、協働事業者(埼玉県の認定NPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピア、大阪府の有限会社野花ヘルスプロモート)、「お江戸共想法」の参加者、継続コース参加者有志、そして市民研究員の、合わせて18名が参集しました。

 午前の部は、この研修会をこの1年の活動と知見を全員で共有し、今後の発展につなげるための貴重な機会にしていきたいとの大武所長の開会挨拶で始まり、下記の順で2018年度の活動報告がありました。

大武所長の開会挨拶

≪2018年度活動報告≫
【きらりびとふれあい共想法30年度実施報告】

協働事業者 きらりびとみやしろ 野口宗昭さん・田崎誉代さん

 開始後8年目に入った健常高齢者を対象にした共想法を中心に、参加者の加齢に伴う問題点や、共想法操作機器、事業者の諸般の事情に伴って発生した課題とその解決方法、そして今後の展望が述べられました。それらは今後どの拠点や活動でも発生する可能性の高いものが多く、苦労がしのばれるとともに、身が引き締まる思いがしました。

【マカベ゙共想法報告】

協働事業者 マカべシルバートピア 永田映子さん

 2011年11月のスタートから7年が経過した共想法についての報告がありました。介護老人保健施設という特性上、平均年齢88.8歳である参加者に、楽しく、負担なく参加していただけるように様々工夫や細やかな配慮をして、一人だけで実施運営を継続させていることに大変感心しました。また、司会ロボットぼのちゃん5号導入時のエピソードも興味深いものでした。
 最後に、多忙で煩雑な業務に従事していながら、今秋開催の老健大会で7年間の共想法実施報告発表を目指しているという永田さんの熱い思いを伺い、頭が下がりました。

【のばな共想法】

協働事業者 有限会社野花ヘルスプロモート 正木 慎三さん

 協働事業者となって3年目。ケアマネジャーとして幾つかの業務を兼務しながら、地域ささえあい活動(岸和田みま〜も)の講座のひとつとしての「脳楽活動」と、野花が展開する各種介護施設スタッフ間のコミュニケーション能力アップのための活動との2本柱で共想法を展開している中で、共想法を根付かせる段階での、試行錯誤や課題が述べられました。多忙と知られている介護業務の中での共想法展開の難しさを改めて痛感したことでした。

 *以上の3協働事業者が展開している共想法は、事業者の特性や参加者の属性は異なりますが、例えば、写真を自ら用意しにくい超高齢者に、実施者が事前に写真を用意しておくマカベの写真共想法の手法を、参加者が固定していない岸和田の「脳楽活動」に採用するなど、手法の応用・改善につながる可能性も確認できました。

報告後に盛んに繰り広げられた質疑応答


【ほのぼのプラザますお 共想法継続コース】

田口良江市民研究員・根岸勝壽研究員

 2018年度から、柏市の認知症予防講座修了者の受け皿として、また、講演会などで興味を持った方々を受け入れる、途中からでも参加可能な新人コースが設置されて、長年共想法をしているベテランコースとの2本立てとなりました。田口研究員からは、年々難易度の上がるテーマにも果敢に取り組んで、さらに向上して下さっているベテランコース参加者への感謝を惜しまない一方、さまざまな属性の新人参加者の受け入れ対応には、課題が多いも、全力で前向きに取り組んでいる報告がありました。併せて、根岸市民研究員から、ぼのちゃん5号の使い勝手への改善要望が挙げられました。

【柏市認知症予防講座】(柏市より受託)

松村光輝市民研究員・魚谷茜市民研究員

 「質問力をつけて認知症予防」というテーマのもと、参加していない共想法にも参加したつもりで一緒に質問を考え、200字要旨も講座中記入する等、参加型の要素も取り入れた講座の評価は、「認知症予防を実践したい」意向の強い参加者が多かったこともあり、満足度も参加意向も良好でした。
 2019年度の受託も決定したため、さらにその評価と参加者数が上回るよう、楽しく気軽に参加を促すイメージの講座テーマ名設定や、講座内容をわかりやすく説明するチラシの工夫等が課題として挙げられました。 なお、修了生の数名が共想法継続コースの新人コースへ参加することになりました。

【「超かっこよく老いよう!」ワークショップ & 認知症予防無料講座報告】

清水きよみ市民研究員・松村光輝市民研究員;鈴木晃市民研究員

 前者は柏駅至近のパレット柏で初の開催で、実施人材発掘の目的も踏まえて、告知内容・方法、グループワーク採用等、工夫を凝らした結果、特に男性の参加が多く、大いに手ごたえを感じたとのことでした。
 後者は、自身の認知機能についてよく理解した上で、より効果的に認知症予防に取り組むことを意図した「よりよく生きるために、もっとよく識る」がテーマ。「認知機能の見える化で何がわかるの?」の講話の後に、グループワークでタブレット・パソコンを使用してゲーム感覚で認知機能の程度を知る「脳活バランサー・CogEvo」体験演習や意見交換を行う参加型に特化したため、参加者、実施者共に得ることが多かったようです。
 予想外の気力とパワーを要した「初めて」尽くしの2企画の報告は、事後に、担当者はもちろん、市民研究員も新しい知見とポテンシャルを大いに感じたことを思い出させてくれました。
 
【2018年講演会実施報告】

鈴木晃市民研究員・長久秀子市民研究員

 NPO法人設立10周年記念講演会と同クリスマス講演会の報告を、2017年度を含めた事後のアンケート結果や総括を踏まえて報告。2018年度に行った課題や仮説の検証結果と、今後の課題を述べました。節目の年の2つの講演会は、ご参加の方々に感謝の意を表することができ、好評を得ましたが、まだまだ力不足。ほのぼの研究所の「普及活動」の柱として、十分に機能するためには、開催の目的に即して、ターゲットとそのニーズ、トレンドにマッチした、参加を喚起するテーマを掲げて、効率よく運営する課題があると締め括りました。

参加者一同の記念撮影

【「お江戸共想法」実施報告】

お江戸共想法参加者 田村浩さん・今城悦子さん・京道隆夫さん

 記念撮影後を終えての、お待ちかねのランチタイムで一息ついた後の午後の部気蓮⊇蕕目見えのメンバーの報告からスタート。
 「お江戸共想法」は2018年6月から始まった理化学研究所革新知能統合研究センターの「健常高齢者の会話支援による認知機能訓練に関する研究」介入実験に参加した被験者有志の呼びかけで自発的に生まれた、総勢15名のグループで、名付け親は大武先生。
 12月より月1回、3グループに分かれて共想法に参加しています。介入実験参加中の3か月間、週1回十数回にわたり共想法に参加したメンバーだけに、共想法への思い入れや課題についての発表は、実施者としての市民研究員には大変新鮮に届き、初心に帰るとともに、参加者の声として大変参考になるものでした。今後交流を深めてお互いが切磋琢磨していけたらと思います。
 こうした共想法参加者の自発的なグループの誕生は、小暮、三宅両顧問が、大変好ましい結果だと評されました。

お江戸共想法の報告を聴く


≪2018年度活動報告&2019年度施策について≫ 
 以上の各発表を踏まえ、大武所長より、写真年表をもとに、2018年度の活動総括があり、続いて2019年の施策として、ほのぼの研究所のビジョン:「防ぎうる認知症にならない社会」に向けての1)続けつつ、やり方を変える、2)管理体制の構築、3)フォローアップ体制の構築、4)効果検証実験に基づく効果最大化、手順最適化、5)世話役タイプの方の発掘 の5項目が挙げられました。
 併せて、2018年度の理化学研究所における成果として、モノとしてぼのちゃん5号、対話ロボットの開発、手法として脳波やMRI等による認知機能計測技術、介入実験の結果解析に基づいた効果検証や理研内外での実験や共同研究が紹介され、さらに広がる2019年度の展望も述べられ、期待が膨らみました。

≪共想法の普及と社会実装に向けた取り組みについて≫ 
 小暮純生理化学研究所技術経営顧問から、和光市での高齢者への介入調査に向けての取り組みが緒に就いたという報告がありました。また、生命保険会社、損害保険会社、飲料会社等との連携や、共同研究構想に向けての検討の前向きな進捗状況も伺い、共想法のさらなる拡大・発展に期待を抱いたことでした

 ティータイム休憩後の午後の部兇蓮∋安霪禅徑化学究所技術開発顧問の、大武先生との出会いやご自身の研究を含めた自己紹介を皮切りに、それぞれの活動について質疑応答も交えながら全員が自己紹介等を行いました。

 終了時刻が迫っても、討議は尽きませんでしたが、今年度の最大の課題である「知識の構造化」のための知識の「種」を集めることができたので、それらを使えるように整理し、ほのぼの研究所のビジョンに近づけていきたいという強い思いを込めた大武先生の挨拶にて無事終会となりました。
 寒風がより強くなる中、一同で共有した熱い思いが吹き飛ばされないよう、家路を急ぎました。

(市民研究員 長久秀子)

お江戸共想法」 スタートから1年

カテゴリ : 
ほの研日誌
執筆 : 
NegishiK 2019-2-2 8:00
2018年暑い夏の3カ月間の「ふれあい共想法」への参加は、私たちにとって大変意義ある体験となりました。この体験の余韻が残る11月、大武先生の助言を頂きながら、月1回13時30分〜15時30分の2時間、共想法に継続して参加するグループのメンバー応募を、共想法体験者に呼びかけましたところ12名が手を挙げてくれました。
そして、大武先生、理研のスタッフの方々のご指導、サポートをいただきながら、同年12月に、東京日本橋1丁目の三井ビルコレド日本橋15F理化学研究所(以下理研)の一室をお借りして、第一回目をスタート致しました。
グループ名は、意見を出しあい、発足の地お江戸日本橋にちなんで、「お江戸共想法」としました。
 第1回のテーマは「私の好きな色」とし、夏の共想法体験とは違った、12名3グループのメンバー構成を毎回変えること、 個々の写真の説明、質疑応答、 フェイススケールチェック、聞き取り記録、写真チェック等すべてを1分間で行うというルーティンには、最初は戸惑いましたが、徐々に慣れてきました。
現在、よりよい運営方法については、まだまだ模索中です。
 このルーティンに慣れてきたメンバーのひとりで、皆勤参加者のTさんから発せられた 「毎回の “テーマ“ってホントに難しいよね。ほんとに悩むよね」 の一言が「ふれあい共想法」の研究の狙いのひとつでもと思っています。日々頭を使って悩むことが、脳を刺激し、鍛える手段でもあるのです。
 11回目からは、2019年度体験者からの新しいお仲間が増え少し雰囲気も変わってきました。今後も、「話す」「見る」「聴く」「考える」を楽しく実施していくことを続けていきたいと思っております。 また、大武先生も述べられた、「お江戸共想法」の1日も早い「自立」を目指すべく精進しなければとも思っています。    
お江戸共想法 齋藤 千鶴子

新年のご挨拶2019

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
TaguchiY 2019-1-6 8:00

2019年 亥年
千葉県柏市・我孫子市 手賀沼に昇る朝日

あけましておめでとうございます
  旧年は、2008年のNPO法人設立より数えて10周年となる節目の年でした(1)。多くの方に支えて頂き、次の10年に向けて新たな一歩を踏み出すことができましたことを、心より感謝申し上げます。

 防ぎうる認知症にならない社会の実現を目指し、ほのぼの研究所の活動は、認知症予防を目的とする会話支援手法、共想法の、実施、普及、連携、育成、研究の五つの軸に沿って展開しています。10年の歩みを整理する中で、2018年度の活動を5つの軸に沿ってまとめた年表、「ほのぼの研究所2018年度写真年表」を作りました。2018年度はあと3ヵ月ありますが、この年表と十大ニュースを組み合わせて、2018年の活動を振り返ります。文中の数字は十大ニュースの番号、アルファベットはその他の活動の項目です。年表中、写真の下に矢印が描かれているものは、通年で行った活動を表します。


ほのぼの研究所2018年度写真年表

* 2019年1月現在実績および予定、(G)のみ2017年度の写真
* 本記事下部参照、数字は2018年十大ニュース、アルファベットはその他の主な活動

 実施について、途中から参加しやすいよう、難易度の異なる2種類のテーマを設定したり、毎月1回の開催にしたりするなど、共想法継続コースを改良しました(5)。その上で、2016年度より3年目となる柏市より受託の認知症予防講座(3)、自主および連携企画として、超かっこよく老いようワークショップ(2)、認知症予防無料講習会(4)を開催したところ、これらをきっかけに、継続コースに年度の途中から多くの方に参加頂くことができました。

 普及について、講演会を6月(6)と12月(7)に開催しました。社会医学、老年学、地域包括ケアシステムの第一線で活躍する専門家を招いて、最新の知見と実践を共に学ぶ機会を作り、多くの方にご参加頂きました。この他、一連の活動の報告や、共想法で集まった写真と話題を紹介するほの研ブログ(B)を週1回配信し、講演会開催翌月には、ニューズレターほの研通信第25号(A)、第26号(C)を発行しました。

 連携と育成について、埼玉県(D)、茨城県(E)、大阪府(F)の協働事業者による、共想法の継続的な実施を支援しました。日々発生する課題解決方法をその都度共に考える他、協働事業者や関係者が一堂に会し、情報共有と課題解決方法を討議する合同研修を、2012年度より年1回開催しており、2018年は2月に開催、2018年度は2019年1月に開催を予定しています(G)。

 研究について、会話支援ロボット「ぼのちゃん5号」を、講演会や共想法継続コースにおいて導入し、利用評価をしました(10)。研究と育成の間に位置する活動として、健常高齢者を対象とする共想法の臨床試験の実施者養成研修に協力しました(9)。研究と普及の間に位置する活動として、会話支援ロボットを用いた共想法に関する取材に協力し、NHK Eテレで放映されました(8)。一連の活動を計画から振り返りまで討議する研究会(H)を開催し、得られた知見を都度記録に残すよう努めました。

 2019年は、一連の活動を実践しながら、そこで得られる知識をその場で構造化し、それ以降の活動や、他の拠点における活動に活かすことができる仕組みを作り、実践します。途中から参加しやすい共想法継続コースの仕組みを参考に、途中から参加しやすいほのぼの研究所の仕組みを作ります。そして防ぎうる認知症にならない社会に必要な関係者との連携をしながら、活動を進めて参ります。

  本年も変わらぬご支援、ご協力、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2019年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武美保子


2018年十大ニュース
1.NPO法人設立10周年を迎える(6月)
2. 「超かっこよく老いよう」ワークショップ(4月)
3 .柏市認知症予防講座(6-7月、全3回)
  「質問力をつけて認知症予防」
4.認知症予防無料講習会(11月)
  「よりよく生きるためもっとよく識る」
5. 途中から参加しやすい共想法継続コース(通年、毎月)
6 .NPO法人設立10周年記念講演会(6月)
 「認知症になりにくい社会をつくる」
7 .NPO法人設立10周年記念クリスマス講演会(12月)
 「質の高いエージングを共に目指す-介護予防のイロハ」
8.NHKEテレ「あしたも晴れ!人生レシピ」取材協力(6月)
9.共想法臨床試験の実施者養成研修協力(6月)
10.会話支援ロボットぼのちゃん5号本格導入(6月)

<その他の主な活動>
A.ほの研通信第25号(7月)   B. ほの研ブログ
C .ほの研通信第26号(1月)   D.きらりびとみやしろ
E.マカベシルバートピア   F .野花ヘルスプロモート
G .合同研修(1月)   H.研究会
 さわやかちば県民プラザ3階大研修室での講演会終了後、ご参加の皆様には1階のレストラン赤坂クー・ポールに速やかに移動していただきました。すっかりクリスマスモードに整えられた会場に、サンタ帽やトナカイのカチューシャ等を身に着けた40名近い方が勢ぞろいしました。テーブルにはサンドイッチ、プチケーキが並び、フリードリンクコーナーも。乾杯用のドリンクもサーブされ、開会を待つばかりです。
 定刻の16時15分に、司会の魚谷、根岸市民研究員の合図でクリスマス交流会がスタートしました。大武 美保子代表理事・所長は、ご参集のお礼と歓迎の意を述べ、一期一会の出会いを大切にしてご歓談いただきますようにと、開会の挨拶をしました。
 

大武所長開会挨拶

 次にほのぼの研究所三宅 徳久副代表理事からは、従来の仕事に少し時間的余裕ができそうなので、来年からは頻繁に柏市のほのぼの研究所の活動に顔を出したいと、嬉しいお言葉を戴きました。
 

三宅 徳久 ほのぼの研究所副代表理事

 まずは思い思いのテーブルを囲んでの乾杯の音頭は、住友生命保険相互会社の藤井 貴大様にお願いしました。「カンパ〜イ」の後は、瞬く間に同じテーブルの方々と打ち解けて、話が弾んでいきました。

 

歓談の輪

 

住友生命保険相互会社 藤井 貴大様の乾杯の音頭

 しばらくすると、名札の裏に1枚ずつしのばせてあったトランプのマークにしたがって、定められたテーブルに着くようにという指示が出ました。つまり、また異なるメンバーとの会話が弾むようにという仕掛けです。

 それに続いて、いよいよお待ちかねの景品当選発表とになりました。名札に入っていたトランプカードのマークと数字が読み上げられたら、相応の景品がプレゼントされる仕組みです。プレゼンターは大武所長です。

 景品は、法人賛助会員様、個人会員様、その他、関係者の皆様から、脳トレアプリ1カ月無料お試しクーポン、環境対応洗剤、缶入り緑茶葉、そして、鉢植えの花など、多種多彩に提供されました。ネーミングも「Me Too賞」、「ボーッと生きないでチコりま賞」、「空前絶後の錬金術賞」、「スーパーシニアフード賞」と、今年の流行語大賞をもじるなど、色々工夫されたもので、当選者には大喜びしていただいたり、クスっと笑っていただけたりしました。
 最後は、当たらなかった方全員が輪になってじゃんけん、「残り物には福がある」となかなかの優れものをゲットした方もいらして、楽しいひとときとなりました。改めて、景品をご提供下さった方々に御礼を申し上げます。
 

大武所長が景品のプレゼンター

 

かわいい鉢植えの花が当たりました!!


お励ましの挨拶を下さった上橋泉先生


 次の自己紹介は、遠来の方、帰宅を急ぐ方を優先して、持ち時間1人1分が目安でスタート、最後の市民研究員は1人30秒と短縮されましたが、来年の抱負を盛り込んで要領よく進みました。
 楽しい余興と談笑のひとときは刻々と過ぎて、夕闇が迫ってきたころ、市議会終了後急ぎかけつけて下さった柏市議会議員、ほのぼの研究所監事の上橋 泉様から、高齢者人口が増加中の柏市において、今後も介護予防への協力を期待したいという力強い励ましの挨拶をいただきました。そしてほのぼのとした交流会の最終章は、同じく上橋様による、今後の皆様の安寧とほのぼの研究所の発展を祈念しての元気な「いよ〜ッ」の掛け声の1本締めにて、無事終了となりました。
 ご参加の方々に心より御礼申し上げます。また次回、お目にかかるのを楽しみにしております。

市民研究員 田口 良江

 2018年12月11日(火)13時30分より、柏市柏の葉のさわやかちば県民プラザ大研修室にて、ほのぼの研究所NPO設立10周年記念クリスマス講演会を開催いたしました。講演会テーマは「質の高いエージングを共に目指す」をコンセプトとした「介護予防のイロハ」。
 当日は、師走に入っても続いていた暖かさに慣れていた身には少々つらい厳しい寒さが到来しましたが、介護予防に高い関心をお持ちの近隣の方々、病院・福祉、研究団体、企業等の関係者、70名あまりの方々がご参集下さいました。
  まず、来賓のご挨拶として、さわやかちば県民プラザ 藤田 武所長から、人生100年時代における生涯学習実践の必要性と、ほのぼの研究所への期待が述べられました。

 

藤田 武所長

 次に大阪府岸和田市からはるばるご参加下さった、有限会社野花ヘルスプロモート代表取締役 冨田 昌秀様よりNPO法人設立10周年のお祝詞と共想法との出会いや関わりについてご説明がありました。数年前から地域とも連携をはかりながら、ほのぼの研究所の協働事業者として、ご自身の施設等で認知症予防の手法として実践・活用するばかりでなく、スタッフ間のコミュニケーション能力の向上等にも役立てて下さっている事例の紹介もあり、大変嬉しいことでした。


冨田 昌秀様

 招待講演1は、東京都健康長寿医療センター研究所、高齢者健康増進事業支援室研究員 河合 恒先生より「地域で取り組む介護予防〜介護予防リーダーのススメ〜」と題して ご講話いただきました。

 

河合 恒先生

 研究所のフィールドワークや実習プログラムの開発等を通して養成された、地域で主体的に介護予防活動を行う人材:介護予防リーダーへの参加と育成が必要であることを熱く語られました。介護予防のターゲットは身体的&社会的フレイル(明確な病気とはいえない、加齢による生活機能低下)であるとして、国の介護予防の指針の移行にも準じて、専門家中心ではなく、「地域で」住民が「主体的」に進めるべきで、そのためには、地域住民がお互いに尊重し合い、協働しながら活動していくことが急務であることを、自治体の展開事例を挙げながら説かれました。なお、講義の中では、参加者全員が、豊島区で行っている、筋肉に軽く負荷をかけて立ち上がる「お尻上げ」体操を『くるみ割り人形』のメロディにのせて行うなど、笑顔で介護予防体験もすることができました。
 
 

参加者もそろって介護予防のための「お尻上げ」体操を体験

 招待講演2では、社会医療法人財団仁医会 牧田総合病院 地域ささえあいセンター センター長 澤登 久雄様が、「まちづくりのために今、自分たちができること〜おおた高齢者見守りネットワーク(みま〜も)の取り組み〜」と題して、その生い立ちから活動実態までが披露されました。
 長年携われた地域包括センター業務のご経験から、今後の超高齢社会においては、専門職による支援が必要な人を「点」で支えることには限界があるとして、地域で暮らすすべての人、地域で働くすべての人達と共に、「面」で支える仕組みづくりが始まりました。


澤登 久雄様

 そして、みま〜もは多くの地域の方々、企業、医療・介護施設、福祉団体等と連携する新たなネットワークモデルとして28年度の厚労省の労働白書モデル事業に取り挙げられるほどに成長し、さらに「のれん分け」として、地域特性に準じて、開会のご挨拶をいただいた冨田様の野花ヘルスプロモートが所在する岸和田市をはじめとする、幾つかの自治体でも展開されるようになったという、サクセスストーリーが語られました。澤登様の熱い思いと語り口に、そして紹介される元気な高齢者や地域の方々の笑顔に、参加者は引き込まれ、元気や勇気をいただいたことでした。


みま〜ものキャラクター:みま〜もちゃん、みま〜も君と司会ロボットぼのちゃん5号

 最後は、大武 美保子 ほのぼの研究所代表理事・所長、理化学研究所革新知能統合研究センター チームリーダーが、「認知症予防手法を高齢者と共に開発する取り組み」と題した基調講演で、ほのぼの研究所の10年の歩み、共想法の進化、そして高齢者と共に研究する意義を力強く語りました。
 なお、会場入口付近にはNPO法人設立以来の『ほの研通信』や講演会・講習会・イベントなどの案内チラシを数十枚貼付して、これまでの歩みもご覧いただきました。また、併せて、スクリーン脇には、共想法にいろいろな形でかかわってきたロボットぼのちゃん1号〜5号の写真掲示と5号の実物を展示も行いました。~

大武 美保子代表理事・所長
 

会場受付前に掲示した10年間のニューズペーパーと講演会・講習会等販促物


 今回の講演会において、改めて介護予防に対する正しい認識と知見を、そしてさらに進む超高齢社会において取り組むべき課題をご参加の皆様と共有できたことは、大きな収穫でした。 おかげさまで、事後のアンケートでは、それぞれの立場で、地域の人々と連携して進められている素晴らしい介護予防の活動や研究を知る良い機会であったこと、また地域連携の必要性を再認識した旨の自由回答が多く寄せられ、好評価をいただきました。
 最後に今講演会開催に際し、ご尽力をいただきました皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 
 

市民研究員 松村光輝

認知症予防無料講習会 実施報告

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
TasakiT 2018-11-18 8:00
 2018年11月6日(火)13:30より、柏市介護予防センターほのぼのプラザますお まなび館において「よりよく生きるために、もっとよく識る」と題した認知症予防無料講習会を開催しました。これは、「認知機能」そのもの、また自身の認知機能について、より深く理解した上で、認知症予防に取り組むことがより効果的であろうと考え、企画したものです。
 周知期間は約1か月と短いものでしたが、近隣の関連団体や福祉関係者向けの積極的告知が奏功し、当日正午過ぎからの突然の荒天にもかかわらず、関係者含めて70歳代を中心とした多世代、計34名が参集しました。
 ただ「聴いて帰る」というのではなく、参加者それぞれが自身の立場で得た知見を共有し、高めていくという、「参加型」の講習会にしたいと、参加者には予め指定した席次の4グル―プに分けて着席していただき、動線やレイアウト等も工夫もしました。

 まず、大武所長からの主催者開会挨拶に続き、講師の榎本哲先生が所属する、株式会社のトータルブレインケアの河越社長からもご挨拶をいただき、早速講話に入りました。
 3部構成の第1部は、つむぐびとプロジェクト代表・トータルブレインケア認知機能見える化研究所顧問の榎本哲先生の、「認知機能の見える化で何がわかるの?」。資料「認知機能って知っていますか?」をもとに、まずは、計画力、記憶力、注意力、見当識、空間認識力という5つの認知機能が、日々の暮らしにどのように関係しているかという説明がありました。


榎本哲先生の「認知機能の見える化で、何がわかるの?」の講話スタート


 その後、各グループに1台ずつ設置したタブレット・パソコンを使用してゲーム感覚で認知機能の程度を知る「脳活バランサー・CogEvo」体験演習に入りました。他のメンバーも賑やかに応援?しながら、数名が挑戦し、「注意分割機能」「エピソード(体験)記憶」「計画力」の3機能のゲーム結果について、年齢に照らして高めの得点-(特級)のレベルが画面表示されると、歓声や笑い声が挙がり、グループ全体が盛り上がりました。


初めはおそるおそるだった認知機能チェック演習が、間もなくエスカレート?!


 演習終了後は、5つの認知機能を低下させないための、生活のなかでのトレーニング方法や工夫についての丁寧な説明で、講話が締め括られました。
 
 10分間の休憩を挟んでの第2部は、大武所長の「認知症予防の最前線と『共想法』」と題する講話でした。『共想法』が、前の時間に演習で体験した、「注意分割機能」「エピソード(体験)記憶」「計画力」の3機能を活用する行動をすることで、長年の機能の使い方の偏りが引き金となるタイプの認知症を予防することを目指していると述べました。『共想法』の各プロセスにおける「話す」「見る」「聴く」「考える」の具体的行動が第1部の演習でもチェックに挑戦した3機能のうち、具体的にどれを鍛えるのに結びついているのかを定義づけて説明しました。

 引き続いて第3部は、参加者全員の自己紹介から始まりました。その後、グループごとに、講習や演習を受けての感想、日頃の認知症予防への意識などについて、話し合いました。グループ全体で演習を楽しく体験したこともあったからでしょうか、なごやかな雰囲気での意見交換となり、最後に各グループの代表がまとめを発表しました。認知機能を見ることができた演習の楽しさや、体験者からの共想法参加の充実感等を評価する声が多く挙がったのが印象的でした。


講評を聴く参加者


 最後にアンケートの記入のお願いと共想法やクリスマス講演会へ参加へのご案内をして、定刻の16時15分に終了致しました。

 事後のアンケートでは、「認知機能」「認知症予防の取り組み方」についてよく理解していただいた模様で、講習会全体に対しても、堅苦しくなく、新しい情報や知見が得られ、さらに『共想法』への理解が深まったとする嬉しいお声を多くいただきました。また、いつも接している高齢者の方々とは違う、とても活動的で若々しい方々との出会いで元気をもらえたという感想もあり、安堵いたしました。

 最後になりましたが、この講習会の企画立案のために、数カ月も前から重ねて打ち合わせにご協力を賜りました講師の榎本先生とその関係者の皆様に、心より感謝を申し上げるとともに、ご参加の皆様にも心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

 市民研究員 鈴木 晃

 2016年度から柏市より受託開講している認知症予防講座は3年目を迎え、大武美保子代表理事・所長を講師として、柏市介護予防施設ほのぼのプラザますおにて、6月19日、7月10日、31日の全3日間コースが開講されました。『共想法』は「話す」「見る」「聴く」「考える」「質問する」ことで、体験記憶・計画力・注意分割機能をバランスよく使うように設計されています。今回は受講者がどの話題にも質問ができるくらい関心をもってよく「聴く」「考える」トレーニングのために、「質問力をつけて認知症予防」というテーマを掲げました。定員18名に、20名の応募があり、応募者の中に毎年参加されている方が見受けられることは、嬉しいことでした。
 順調にスタートした1日目は、講話の後、市民研究員による『共想法』の実演を見て、見学者である受講生が『共想法』に参加したつもりで質問をするという試みを行いました。折よく、健康情報誌『健康365』の取材があり、早速10月号には掲載されましたので、『共想法』が周知される一助となるよい機会にもなりました。

熱心に聴講する受講生

 2日目は受講者が「好きな食べ物」をテーマに『共想法』を体験、見学者からは、楽しい質問や「ヤマトイモの簡単な食べ方をもう一度教えてください」という熱心な要望も飛び出し、初めての『共想法』とは思えないほど、共感あり、笑いありの和やかな雰囲気になりました。
 3日目は気温35度の猛暑にもかかわらず、大勢が参加、ご自身の話題を200字にまとめる作業にも挑戦しました。

 今回は、受動的に聴講するだけでなく、体験参加型の講座でもあったため、集中して参加いただけたようでした。そのためでしょうか、事後アンケートでも満足度に関して、高い評価をいただきました。
 本講座運営にご助力下さった柏市ならびに社会福祉協議会のスタッフの皆様、酷暑の中ご参加下さった受講者の皆様に厚く御礼申しあげます。

 なお、今年度より、柏市認知症予防講座修了者が、ほのぼの研究所が月1回のペースで継続的に実施している『ふれあい共想法』継続コースに、スムーズにご参加いただける仕組みを整えました。また別途、認知症予防に興味のある60歳以上の方のご参加、ご見学も募っております。以下サイトにてご確認の上、お申込み、お問い合わせ下さい。(新しいウィンドウが開きます)

市民研究員 魚谷 茜

 2018年6月26日、柏駅近くの京北ホールにおける、ほのぼの研究所NPO法人設立10周年記念講演会が無事に終わりました。その後、交流会参加者をお待たせして、同ホールを研究員がレイアウト変更、白いテーブルクロスが掛けられた3つ机の島に、サンドイッチ、ケーキ、フルーツ盛り合わせ、お菓子やスナック、コーヒー、ソフトドリンク、グラスが並ぶと、たちまち交流会場に早変わりしました。

 司会は魚谷茜・根岸勝壽市民研究員です。大武美保子代表理事・所長の開会挨拶の後、三宅徳久様より、ほのぼの研究所副代表理事着任挨拶を兼ねたお言葉をいただきました。NPO法人設立当初から理事を務めて下さっている明るい、お馴染みの三宅様に、長谷川多度翁勇退に伴い、引き継いでいただくことになりました。「設立当初より長く副代表理事を務められた長谷川さんの誕生日は1月18日、私は1月19日です。その私がこのたび長谷川さんから副代表理事を引き継ぐことになりました」と述べられました。


三宅徳久 新副代表理事の着任挨拶

 次いで、理化学研究所 革新知能統合研究センター 認知行動支援技術チーム技術経営顧問の小暮純生先生に、弊所のますますの発展を願って、「乾杯!」の音頭を取っていただき、参加者40名一同グラスを合わせてリラックスムードの交流会が始まりました。


理化学研究所 小暮純生先生の乾杯の音頭

 魚谷研究員から、誕生日の下一桁の数字を3で割った時のあまりの数により、いずれかの島を囲むように指示があり、参加者は3テーブルに分かれて歓談を始めました。


歓談のひととき

 まずは、司会者の、「お一人一分間で、自己紹介、そして、最近興味があることを一言加えて下さい」との指示で、自己紹介が始まりました。一番手は長谷川多度元副代表理事、「新聞を広げてまず読むのは漫画です。凝縮した内容を数コマに書いて最後に必ずオチがあります。今朝の漫画は……」。次々と隣の方にマイクが回りますが、それぞれが秘めた想いを語るにはとても一分では足りません。司会がロボットのぼのちゃんだったら、優しそうな顔をして、「タイムオーバーです、ありがとうございました!」とバッサリ切ることができるのですが、寛容な司会者だったため、皆様から沢山の話を聞くことができて、楽しい自己紹介タイムになりました。大勢の中でひときわ若い、千葉大学大学院大武研究室卒業生は、10周年の節目ということで有休を取ってのご参加でした。今後も、時間を作って、是非ほの研の活動に参加して頂きたいものです。

 自己紹介が終わると、大武先生が中央に呼ばれました。研究員一同からの感謝の気持ちを伝えるサプライズ企画です。大武先生は、10年の長きにわたって、研究に携わりつつ、高齢の市民研究員一人一人に気配りをしながら、適切な指導をして下さいました。お陰様で年を重ねても、学びつつ、前向きに生きる術を身に付けることができました。


大武所長への感謝のプレゼント

 思いがけなく、私が寄せ書き、プレゼント(ウェアラブルメモ)、花束をお渡しするプレゼンターの大役を仰せつかりました。それらを渡しながら、10年間のできごとが走馬灯のように浮かびました。プレゼントのウェアラブルメモは、ベルトが手首に巻きつくようにできており、油性ボールペンでメモが書け、不要になったメモは消しゴムできれいに消せて、また使えるすぐれものです。司会者が、ときどき忘れ物をする先生に、「大事なものを網棚に忘れたりしないように」と添えたところ、先生は「見つかったけれども、実はそういうこともありました」と告白、会場の笑いを誘いました。お気に召したのか、交流会が終わってもそのベルトを付けたままでいらしたのは、嬉しいことでした。

 しばらく談笑が続き、早くも、終演の時が迫りました。中締めの挨拶は、ほのぼの研究所監事・柏市議会議員の上橋泉先生にお願いし、ご参加の皆様とほのぼの研究所の一層の発展を祈りつつ元気に一本締めで、名残惜しい中17時45分散会となりました。


上橋泉 監事・柏市議会議員の締めの挨拶

 ご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げるとともに、次回もお目にかかるのを楽しみにしております。ありがとうございました。

市民研究員 田口良江