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ほの研ブログ - 「今から始める認知症予防 親も私も心配な方へ」講座実施報告

「今から始める認知症予防 親も私も心配な方へ」講座実施報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2025-7-6 8:00
 2025年6月3日13:30より、ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の2F多世代交流スペースにて、ほのぼの研究所主催の2025年度初めてのの認知症予防体験講座「今から始める認知症予防 親も私も心配な方へ」を開催いたしました。一昨年度より、コロナ禍で中断を余儀なくされていた対面講座を再開、ラコルタ柏での認知症予防体験講座開催は3年目に入りました。

 なお、この講座を2025年に取り組む新規事業のうちの「多世代交流を通じた認知症予防意識向上プロジェクト」の一環として位置付けて、「親も私も心配な方へ」と冠しました。このプロジェクトは、認知症予防の知識を家族で共有することにより、子ども世代には、脳は自分の身体の一部として一生かけて意識して育てるものであることを啓発するとともに、その親世代、祖父母世代には、脳が長持ちするために有効な生活習慣を広める仕組みづくりを目指しています。

 当日は、タイトルに魅力を感じて下さったようで、いつもの体験講座の参加者より若い50歳代から80歳以上までと、まさに多世代の13名がご参集下さいました。
 柏市社協福祉協会の岩田様と、ほのぼの研究所の大武代表理事・所長の開会あいさつに続き、講座参加者とほのぼの研究所の市民研究員が自己紹介を行いました。そこでは、切実な講座参加動機が語られました。身近な方が認知症になられた方、ご親族や知人の認知症が心配な方、現在の生活スタイルや健康状態、そして認知症発症者が多い家系などがご自身の認知症に繋がるではないかと案じる方などから、具体的でつぶさなお声を伺うことができたことは、これまでに余りなかったことでした。

講座風景

 講話では、共想法を考案した経緯やこれまでの研究のプロセス、海外の関連研究を含めた会話が認知機能に与える影響の実験結果等について説明しました。そして、認知症が進行すると、人の話を聴き、理解して、それに対して質問をするということができにくくなること。「話す」「聴く」考える」という一連の作業を通して、加齢に伴い誰にでも起こりうる認知機能の低下を「脳の使い方を工夫する」ことにより、防ぐことを目指しているのが、会話支援手法:共想法であると説きました。また、認知機能をあまり必要としない脳の使い方をしていると、加齢にともない、認知機能が低下する可能性が高くなるため、共想法は、脳を長持ちさせ、その人の人生を、豊かにしてくれるツールになるとも述べました。

 休憩後には、市民研究員4名が、共想法デモンストレーションを行いました。テーマは、「最近体験した好きなものごと」で、孫の運動会、ヘラブナ釣り、蛍の写真撮影など、それぞれが紹介した、充実した暮らしの一面に関する会話を、興味深く御覧いただけたようでした。

共想法デモンストレーション

 最後の質疑応答では、アルツハイマー病以外の認知症の割合、帯状疱疹ワクチンと認知症予防の関係性、普段のおしゃべりでも気をつけて行うと効果的な方法等、認知症予防に対しての関心を高さを伺える質問が寄せられました。
 
 事後のアンケートでは、回答者全員が共想法や共想法と認知症予防との関係を理解したと回答され、満足度も、次回の同様講座への参加意向も9割と、認知症に興味があって参加した方々から、好評価をいただけたことは有難いことでした。今後もこの結果を活かして、さらに充実したものにしていきたいと思います。
 さらに、参加者のうち、2名が賛助会員として入会され、そのうち1名が早速次々月から共想法に参加いただくことが決まったことは、何より嬉しい限りです。

 最後に、この企画のためにご尽力いただきました柏市社会福祉協議会の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。

市民研究員 松村光輝 吉田美枝子

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