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ほの研ブログ - ほのぼの研究所 2021年度合同研修報告

ほのぼの研究所 2021年度合同研修報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2022-4-17 8:00
 2022年3月8日、ほのぼの研究所恒例の2021年度同合同研修をオンラインにて開催いたしました。開会の挨拶で大武代表理事・所長が共想法を基点に認知症にならない方法について共に考え行動するために設立した当法人の存在意義を確認するともに、1年間、考え行動し、得られた 知見を持ち寄り、持ち帰り、次の1年につなげる 参考にするために行うものだと開催目的と意義を述べました。
 また、改めて共想法の基本概念を述べ、コロナ禍に於いて取り入れた新しい活動方式における活動の進捗概要を説明しました。

合同研修参加者
 
 大武代表理事・所長を筆頭に、連携先のNPO法人コミュニティ活性化応援団(STeLa)2名、国立国語研究所2名の初お目見えに加えて、協働事業者(埼玉県の認定NPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピア、大阪府の有限会社野花ヘルスプロモート)、お江戸共想法の参加者、継続コース参加者、理化学研究所の関係者、そして市民研究員の約30名が、延べ5時間、知見の共有や討議をいたしました。
 長引くコロナ禍の中、オンラインでの開催もはや3回目となりましたので、ほとんどのグル―プが発表持ち時間の10分+質疑応答5分を遵守し、時宜を得た鈴木晃市民研究員の司会により、お昼休みを含めた5時間のプログラムは全く遅滞することなくスムーズに進行しました。
それぞれの発表報告の概要を順にご紹介いたします。※氏名後(S)は発表(言)者

【お江戸共想法】

お江戸共想法 山藤千賀子・齋藤千鶴子・竹田邦彦・竹田加江子(S)

 2020年6月のコロナ禍の中始まった、遠隔共想法の進捗状況が述べられました。柏市の拠点よりも参加人数が少ないなりの工夫や苦労も多かったようですが、東京から地方(長野県)へ転居しても遠隔でも参加できるというメリットを活用しているご夫婦での参加者、コロナ感染下、参加を中断するも、熱心な仲間の勧めで戻ってきたメンバー等の登場やコメント活用と、遠隔共想法参加者らしいハイブリッドな発表から、理研のテクニカルスタッフの熱意と強い後押しで、和気あいあいと参加できる遠隔共想法が軌道に乗ってきた様子を伺い知ることができました。

お江戸共想法報告


【NPO法人コミュニティ活性化応援団(STeLA)について】

NPO法人コミュニティ活性化応援団(略称STeLA)代表  杉山 喜宏(S)

 2021年度に当所と相互に賛助会員となり連携を結んだSTeLAは、2020年末に様々な活動を通して高齢者のためのコミュニティを幅広く支援すること目的に設立された団体です。高齢者の健康維持や現役世代の社会参加に向けての活動に貢献するべく、活動なさっており、現在準備中のHPを示しながら、活動システムの説明がありました。
活動事例としてはコロナ禍でも重点的に各所で展開されている高齢者のためのオンライン体操を挙げられ、これまで担当者との遠隔共想法の体験参加や情報共有を始めた共想法ついてもHPを通しての紹介にご尽力下さると述べられました。メンバーの多くがコーディネーターご出身ということで、共想法の周知、ほのぼの研究所の活性化ためお力添えいただけることを確信し、心強く思いました。

STeLAの活動紹介


【協働事業者 マカべシルバートピア】

市民研究員・マカベ―シルバートピア 市民研究員 永田映子(S)

 2011年のスタートから10年、17期を迎えた介護老人保健施設における通所者、入所者が参加なさる共想法やお話の会の実施者として、コロナ感染下の厳しい環境での実施状況をつぶさな報告がありました。
 想像を超えるほど厳しく自身の生活面でも制限を設けざるを得ない中、感染状況による規制にタイムリーかつきめ細かく応じて参加方法の工夫、参加者対応を行い、2021年度はほぼ予定通り、実践をこなしたという報告に、感服させられました。また、コロナ禍では、大変案じられる高齢者の認知機能の低下も、それらの努力の結果が反映され、低下した方が大変わずかだという報告に安堵しました。一方、コロナ感染が全国的には高止まり傾向であるも、茨城県内では減少率が低いため、施設内での感染対策がさらに厳しくなり、共想法実施可否が常に気になるという心の内を伺い、施設での継続的実施の課題も浮き彫りにされました。

【協働事業者 有限会社野花ヘルスプロモート のばな共想法】

野花ヘルスプロモート 正木慎三(S)


 初めて参加者にも理解していただけるようにと、施設の所在地岸和田市、だんぢりや野花ヘルスプロモートの事業説明から始まりました。また、共想法に出会った経緯やその後の野花での介護サービス・メンタルヘルスサービス・従業員間での共想法の実施履歴が続きました。コロナ禍もあり、2021年度の共想法の実施はありませんでしたが、その間には要介護になる前の予防サービス事業の(通所)サービス樹立を目指し、共想法を、要支援認定を受けた方、また事業対象者を対象とした認知症発症予防サービスとして実施できないかについて大武先生等と協議を重ねられていました。そして当該サービスに関する潜在ニーズの調査を、想定した対象者、サービス提供者、ケアマネージャ、行政等に向けて行うこととなった経緯を説明しました。

マカベシルバートピアでの共想法開催時注意点(左)
野花の認知症発症予防サービス事業検討オンライン会議(右)両所発表資料より


【ほのぼの研究所 継続コース】

市民研究員田口良江(S)・根岸勝壽(S)

 コロナ禍に於いて、活動拠点のほのぼのプラザますおでの参集も制限されるに従い、当該施設での共想法の継続コース参加者の多くは、何度かのトレーニングを経てスマホを使っての遠隔共想法参加に移行ができました。ただし、そうした端末操作に不慣れだったり、家庭・健康上の理由で参集も叶わなくなってしまった3名(平均年齢85歳、最高齢96歳)に対して、電話や郵便物を通して安否確認を兼ねて話し相手なると同時に、ほのぼの研究所の活動等の報告を行い、集合せずとも個々の事情にあった方法で共想法をしていただり、オンライン講演会ライブ視聴会に参加いただくなど、アフターコロナの折に、スムーズに復帰していただけるためのパイプ役を地道に続けている報告がありました。
 高齢者同士意思が通じ合うことも多かったと思いますが、担当者の心の通った傾聴・共感の姿勢、要した時間、そして丁寧な対応や継続するための根気や気力を想像するに、市民研究員仲間としても感謝の念を禁じ得ないことでした。

【ほのぼの研究所 柏市認知症予防講座】

市民研究員 松村光輝・魚谷茜(S)

 コロナ禍で開講が危ぶまれるも、予定通り10月〜11月の3日間開講できた、2016年以来6年目となった柏市認知症予防講座の実施報告がありました。昨年度の「3日間コース」の講座は、感染対策による厳しい人数制限等もあり、多数のご応募にお応えできず、参加者にはややお馴染みの薄いZOOMシステムも活用したハイブリッドな講座でした。今年度はより多くの方にご理解を深めていただけるよう、会場にて講師の大武所長が対面講座を行う「1日コース」(同じ内容の講座を3回開講)企画とし、延べ18名にご参加いただけた模様を述べました。そしてこの6年間の応募・参加状況(後期高齢者層が増加傾向)、参加動機、感想等の時系列変化から導かれた結果と実施者の感想として、認知症予防への関心への確実に高まっていること、参加者に後期高齢者が増加したこと、高齢者へのスマホ普及も影響して、メールで共想法に使う話題の写真を送れる受講者が増えてきたこと等を挙げました。
 また、受講生の一部の興味を持っていただいた方々が「1日コース」とは別枠で開催した「遠隔共想法」の説明・体験会にご参加、そのうちの3名が継続コースへのご参加につながるというほのぼの研究所にとって嬉しい報告で説明を結びました。

継続コース(左)柏市認知症予防講座(右)


【ほのぼの研究所 継続コース遠隔共想法】

市民研究員 魚谷茜(S)

 2021年度は、コロナ禍で集合式共想法の実施が叶わなくなったことから、2019年度末から着手した遠隔共想法の端末アプリを、当事者(高齢者)目線でより使いやすいものにするための改善を目指して、参加と実践に励んだ濃密な進捗の詳細説明がなされました。
思い起こせば、今では笑い話になるほど、スマホの基本的用語、扱い方への知識や能力にバラつきがある中、暗中模索のスタートでした。
 しかしながら、理化学研究所テクニカルスタッフの方々のわかりやすさへの工夫満載、やる気を大いに喚起させるパワフルで「超」根気強いサポートとで、(共想法をするのなら、集合型と同様に)「参加者の顔を見て参加したい」というニーズを具現化する機能を、幾つかの不具合の解消→バージョンアップを重ねて、どうやら使いやすいようにできるまでのプロセスをこの発表で確認することができました。また同時に、市民研究員を適宜、懇切丁寧にリードしてくれた担当者である発表者の尽力にも改めて感謝したことでした。

【ほのぼの研究所 講演会】

市民研究員 鈴木晃・長久秀子(S)

 コロナ禍のため、恒例の2つの講演会をオンラインでの開催へと転換しての2年目の実態を事後アンケート結果を交えて述べました。
 理研の西道隆臣先生をお迎えした設立記念講演会では、両講師の「アルツハイマー病がない世界」と「防ぎうる認知症にならない社会」の実現に向けた真摯な姿勢と貴重な知見を共有。クリスマス講演会では、認知症予防に関する根強い偏見や、玉石混交の誤った情報や商品の氾濫を背景に認知症予防への否定的意見があるも、科学的にしっかり検証されたエビデンスのある認知症予防方法を啓蒙、普及していくことが必要であり、研究者の責務であると述べられた、鳥取大学の浦上克哉先生の思いや、両講師の認知症予防研究取り組みへの契機やご苦労を伺い、敬服しました。
 集客ツールにSMS追加、口コミの積極的活用、初のオンライン講演会ライブ視聴会開催などは、新規参加者獲得や呼び戻しに奏功しましたが、時勢の流れで急増中のオンライン企画ヘビーユーザーの質の高いニーズに応えるには「役立つ情報を提供している」という高評価ポイントの維持のためにも、臨場感の演出を含めた運営スキルアップと、そのための十分な準備期間の確保を課題と総括しました。

ほのぼの研究所継続コース遠隔共想法(左)と講演会開催履歴(資料より)(右)


【企業連携等】

理化学研究所認知機能支援技術チーム技術経営顧問 小暮 純生(S)

 ランチタイム休憩後の午後の部は、理化学研究所の小暮先生の活動報告からスタート。多くの企業、研究機関等との連携についての進捗状況の報告がありました。そのうちのひとつ、マスコミ等で取り上げられることも多い、WプロジェクトとのNDA締結後の会議で共想法が認知症予防だけでなく、よりよい人間の幸福度well-beingにつながるということを発表されたという報告を興味深く伺いました。
 また、連携の際の基盤となる知的財産としての様々な共想法関連の全ての特許が成立していること、また共想法司会ロボットぼのちゃんの意匠登録、共想法、ほのぼの研究所の商標登録の更改が済んでいるという報告もありました。

ほのぼの研究所の知的財産 (資料より)


【国立国語研究所紹介 ことばを記録・保存する】

国立国語研究所教授 小磯花絵 (S)

 ゲストとして国立国語研究所の田中研究員と共にご参加いただいた、小磯花絵教授から同所のご紹介をしていただきました。2018年から「共想法による談話の研究」において、大武所長と共に研究をはじめられたご縁とのことでした。国語研究所が戦後まもなく設立された経緯や目的、「言語生活」をキーワードに生活の中で用いられる言葉の姿や働きを調べるという研究活動についての収集された様々な時や場面の音声データも交えてのご説明を、参加者の多くが大変興味深く伺いました。また今後音源「昭和話し言葉コーパス」「日常会話コーパス」として整備、公開されることを伺い、昨今の様々な言葉の乱れや変化が気がかりな昭和生まれとして、期待を抱きました。
 共想法に対して言語学的な研究が進んでいるのは承知しておりますが、小磯先生との研究で、共想法の会話について、どのようなことが導き出されているのでしょうか。また講話後に、昨今進んでいるオンライン、非対面で(相手の視覚情報のない場合)の会話時の戸惑いに関して質疑が出されましたが、集合型で行う共想法と遠隔共想法の会話間に何か格別差異のある研究結果が出てくるのでしょうか?私どもも参加・実践者の立場としても意識するとともに、共想法の会話が何か研究に役立つことがあれば嬉しいことです。

国語研究所「言葉を記録・保存する」資料


「理研による実施支援」(含・きらりびとみやしろ)

理化学研究所 テクニカルスタッフ 岩田幸子(S)
きらびとみやしろ 市民研究員 野口宗昭(S)

 ほのぼの研究所継続コース、お江戸共想法、そしてきらりびとみやしろと、それぞれのグループ特性・事情に応じて、2021年5月より開始した遠隔共想法の導入から実施までの幾多のご苦労があったと想像に難くないプロセスの説明がありました。

 また、ほのぼの研究所やお江戸共想法メンバーに対して行った、積極的参加に繋げるための、当然の規律の徹底、共想法に関する学び直しやポイント学習、情報共有を行う「共想法学習会」を定期的実施や、市民研究員に対する研究材料としての画像トリミング学習会、市民研究員のきらりびとのメンバーとのほのバリュー(共想法の200要旨)入力の相互学習による支援が予定として挙げられました。
 そして、「共想法は楽しい!」をモットーに今後も支援を続けて下さるという頼もしく熱いメッセージに、いつも通りパワーをいただきました。

理研による実施支援


 この後、岩田さんの司会でオンラインお茶会を兼ねて、参加者全員が一言ずつでも話す機会を持つく、質疑応答や感想を交わす時間を設けました。最初に投げかけられた「困っていること」として多く挙げられた「加齢に伴い共想法に使うスマホの扱いやアプリヴァージョンアップへの対応等、新しいことを憶えるのに難儀している」という発言に対しては共感が多く、ご同輩の存在に却って安心したり、それでも頑張ってる、頑張ろうと思っているという声や岩田さんの励ましに、背中を押されたように感じました。また意味が理解しにくかったり、マニュアル作成上日本語として表現するのが難しICT関連のカタカナ専門用語に関して、国語研究所の田中様から専門家としての貴重な見解をいただいたり、ロボットとの会話に関してのタイミングに関する問いかけに対しては、司会ロボットぼのちゃんと評価協力をした声掛けロボットの仕様規格の差異があることを教えていただいたりと、大阪府、長野県、東京都、千葉県、埼玉県、茨城県の参加者が硬軟取り混ぜた話題や知見を、画面を通して和やかに共有する時間を過ごしました。

【2020年度まとめ・2021年度方針】

ほのぼの研究所 代表理事・所長 大武美保子

 コロナ1年目の2020年度には「新型コロナウィルス流行により、薬やワクチンが確立するまで、集まって行動することができないこと」を前提に「目的に即して新しいやり方を考えて実践する」という目標を目指して活動、2年目の2021年度は「新しいやり方の実践の輪を広げる」という目標のもと、ワクチン接種が進んでも、現段階で根本的な治療薬がないことから、集合しての活動を慎重に行うことを前提として、遠隔共想法基盤とするサービスを外部に展開できるよう、
1)遠隔共想法の参加者から実施者になる
2)連携先の遠隔共想法活用の支援を行う 
ことを行ってきたと述べ、主に午前中に報告があった2021年度の具体的活動を、ほのぼの研究所の実施、普及、支援、育成、研究の5つの柱にあてはめて説明しました。
また、共想法を種(シーズ)とした時に、どのように展開するかを、2007年から5年ごとに設定した共想法研究の中期計画のテーマと、それに即して実行してきた活動を述べました。そして、次期:2022年度は、【鹸2022年―試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援】元年にあたるとして、その方針のもとに計画が呈示されました。

ほのぼの研究所の事業の柱と2021年度総括・2022年度方針
 

 振り返ると、「コロナ」というワードやそれに類する表現がこんなにも多く出てきたことは合同研修がオンラインになってからありませんでした。約30名の参加者のうちにも、当日も濃厚接触とされた家族が発熱が続き、検査を受けたら感染が確定した、家族全員家庭内感染で自身が今も自宅で療養中という2人を含めて、家族や職場の人たちの感染を経験、また疑いを含めて濃厚接触者となった経験がある人も何人もいて、感染拡大が3年目になり、蔓延防止重点措置が解除される時期に、感染をいまだに身近に感ぜざるを得ないとを残念に思いました。
 幸いにも当所では、早々に新しい活動様式を取り入れ、様々な苦労、困難や不便は感じながらも、変わらずに交流が続けられるような遠隔共想法やオンライン会合のテクニックをマスターできたというメリットもあったと前向きに捉えたいと思います。
 事後のアンケートでは、「外部の参加者の発表を伺えて貴重な験だった」「他拠点・事業の活動が参考になった」「居ながらにして未知の方々とお会いでき、意見交換できてよかった」「和やかな雰囲気でよかった」等の声が寄せられました。
 集合が叶い、参加者の表情や場の空気を直に感じながら、タイミングよい会話を交わすことのできる日が遠からず来ることを期待しつつ、それまでは、遠隔共想法を通して認知機能維持に役立つ会話の練習に励みたいと思います。

市民研究員 長久秀子 

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