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ほの研ブログ - 「今から始める認知症予防」〜安全なカーライフを続けるために〜講演会・体験会実施報告

「今から始める認知症予防」〜安全なカーライフを続けるために〜講演会・体験会実施報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
UotaniA 2019-11-3 8:00
 2019年10月10日(木)13:30から千葉県松戸市のあいおいニッセイ同和損保松戸支社の会議室において、MS&ADインターリスク総研とNPO法人ほのぼの研究所共催による、「今からはじめる認知症予防」〜安全なカーライフを続けるために〜をテーマの、講演会・体験会を開催いたしました。

 あいおいニッセイ同和損保の保険代理店6社を含む関係者25名、MS&ADインターリスク総研の杉澤昇様、中井大介様、理化学研究所小暮純生先生、ほのぼの研究所大武美保子所長他3名が参加いたしました。

 はじめに、MS&ADインターリスク総研基礎研究本部シニア研究員杉澤昇様が、認知症発症者が交通事故を起こすケースが増えていることに触れ、会話を切り口に認知症予防を研究している大武美保子ほのぼの研究所代表理事・所長、理化学研究所チームリーダーを紹介しました。
 大武所長は祖母が認知症になったこと、専門は工学であるも、機械はどんどん進歩するが、人間の頭がどんどん衰えていくことを防ぎたいと、研究の動機と抱負を語りました。そして、損保関係の方にも理解しやすいように、車を例にとり、車が丁寧に使えば長持ちするのと同じように頭も丁寧に使えば長持ちするという考えから、頭が長持ちする使い方を研究していると述べました。そして、ほのぼの研究所は研究に参加した被験者の中で、予防に興味を抱いた人が共に活動している、参加型の研究組織であること、参加した理化学研究所の技術開発顧問の小暮先生と市民研究員を紹介しました。

大武代表理事・所長の「頭の健康チェックのすすめ」の講話

  認知症になりにくい暮らし方として「ふれあい共想法」をビデオで紹介しました。何を話そうか―写真を撮る―話す―会話の輪を拡げる―どう伝えようか考える―質問する―思いを共有する―普通の会話と違ってテーマを決める、など、共想法の特徴と効用についての話を展開、「考えることを避けない生活を送ること」が認知機能が下がりにくい生活のポイントであると述べました。さらに、一見当たり前に見えるものの、認知症を発症するとできなくなってしまう行動の事例を挙げ、共想法に定期的に参加することで、認知機能低下の底上げを図ることができることを具体的に解説しました。
 最後に「頭の健康チェックのすすめ」として骨粗しょう症有病率同様、認知症有病率は、加齢と共に上昇すると述べました。80歳代後半には40%、90歳代前半では60%と、加齢に伴う認知機能の低下は、現時点では避けられないものの、「頭の健康チェック」をする=「自分の認知機能を知る勇気」を持ち知ることを契機に、低い場合は訓練により機能が低下しないように努めることにつなげられるため、重要であると締め括りました。 

 次いで、MS&ADインターリスク総研上席コンサルタントで、認知症予防専門士資格をお持ちの中川大介様より、「高齢者安全運転検査」についての説明がありました。まず、加齢に伴い、認知機能が低下することはやむを得ないこと、現段階では認知症の薬物療法が確立していないこと、また近年高齢に起因する交通事故が増加していることから、認知症発症前の予防の重要性は高まっているという背景を述べられました。そして、運転免許更新時の認知機能検査を嫌い、免許を返納する人が増えていること、高齢者の交通事故が認知機能と身体機能の低下に起因する単独事故が多いという現実を踏まえた、高齢者に「いつまでも安全運転を支援するサービス」:「安全運転支援メニュー」の開発経緯が述べられました。
 MCI(軽度認知症)の段階で改善に取り組めば、正常に戻れるチャンスがあるので、スクリーニングで認知機能と身体機能の度合いを数値化して、危険要素の自覚を促し、MCIや認知症の疑いがある人を早期に発見することが、事故を防ぐことにつながると、認知症の早期発見と予防の必要性を強調されました。

中山大介様の「高齢者安全運転検査」についての講話

 お二人の講話の後、体験会に移りました。
 共想法には6名の損保関係者が体験され、「好きなものごと」をテーマに、「俳優 岡田准一」「お茶 綾鷹」「自社ビル」「柏レイソルのマーク」「国会中継」「一万円札紙幣一千万円分」など、ユニークな写真が持ち寄られました。若い方が多く、共想法にすぐになじまれて、笑いが絶えず、大盛り上がりでした。

若い世代も交えて、大盛り上がりの共想法体験

 もう一方では、運転適性診断と物忘れ相談プログラムにも挑戦しました。運転適性検査ではアクセルチェッカーでアクセルを踏み続けて、サインがでたら、すばやく、正確に、むらなく、アクセルを離すことをチェックしました。数値化された結果を見て、「納得!」といったお顔をされていました。

物忘れ相談プログラムを体験

 参加者の中には、認知症予防ということで興味を持っていただけたのか、ご自身のお母様とそのお友達を誘って下さった方もあり、総勢30余名和やかな雰囲気の中、無事終了することができました。
 開催に当たり、お骨折り下さったMD&ADインターリスク総研、並びにお忙しい中、貴重な時間をさいて下さったあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

(市民研究員 松村光輝・魚谷茜)

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