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ほの研ブログ - 2013年ほのぼの研究所クリスマス講演会

2013年ほのぼの研究所クリスマス講演会

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NegishiK 2013-12-29 8:10
  2013年12月17日(火)13時30分より、千葉大学柏の葉キャンパスシーズホールにおいて、恒例の『ほのぼの研究所クリスマス講演会・交流会』が開催されました。講演会112名、交流会65名と、多数の方々に積極的にご参加頂くことができました。師走の半ば過ぎの開催は懸念材料のひとつでしたが、参加お申し込みは猛烈にラストスパートをかけました。仲間に声をかけて一緒に参加するなど、この機会を一人でも多くの方と共有できるよう、働きかけて下さった皆様に、感謝申し上げます。

  「ことばの力で老化に強い脳をつくる」という、時流のニーズにマッチしたテーマの魅力も奏功したのでしょうか、ちょっぴりクリスマス色に染まった開演前の会場は、期待感と穏やかな熱気に包まれていました。
  代表理事の大武先生の開会挨拶に続いて、来賓挨拶を頂きました。千葉大学大学院工学研究科長:北村彰英先生の、大きなエールを込めたご挨拶も、女性研究者として極めてポジティブな研究姿勢に期待を寄せて下さった情報・システム研究機構理事、郷通子先生のご挨拶も、大武先生、ほのぼの研究所の背中を強く押して下さる、心温まるものでした。


来賓挨拶の北村先生



来賓挨拶の郷先生

  最初は、この日のためにアメリカ、カンザス大学からお招きした「言葉と老化の関係」研究の第一人者である、スーザン・ケンパー先生の「ことばの一生」(一生を通じて会話を楽しむために)の講演です。


講演するケンパー先生

  私たちが正しく理解しているつもりの、特に認知機能の衰えが顕著になる80歳代、90歳代の高齢者の気持ちや立場、心身の機能への認識、そして正しく実践しているつもりの彼らとの接し方について、様々な調査・研究から導き出された、沢山の提案・助言をいただきました。それらは、既存の認識や概念を無意識に踏襲し、日々に流されて、おざなりになりがちだった、老親と接する機会の多い報告者にとって、原点に立ち戻り、見直す機会を提供する意義深いものでした。


講演会場風景

  講演は、高齢者とよい関係を保つためには、何よりもよりよいコミュニケーションを図ることが大切との話から始まりました。そのためには、彼らの特徴や立場を理解して、良いイメージを持った上で、認知機能の変化に配慮した話し方をすることが効果的です。具体的な工夫として、次のようなものが挙げられました:「わかりやすく言い換える」「繰り返す」「単純な構文で話す」「一度に複数のことをいわない」「具体的な言葉を使う」「考えを聞く開かれた質問をする」「単語が思い出せずに探している時、音や意味が似た単語をヒントに出す」。この他、言葉以外の工夫も添えて、お互いが集中して対等に向き合う環境づくりが必要である、という大きな助言で締めくくられました。
  気さくなお人柄とお見受けしたケンパー先生と、名通訳のロボット:ぼのちゃんとの初共演は、張り詰めた緊張感がありつつも、絶妙に感じられました。日本人聴衆へのご配慮もあったと思いますが、高齢者ばかりでなく、すべての世代とよりよいコミュニケーションを図るためのお手本となるような、程よいスピードの、丁寧ではっきりした心に染み入る語り口でした。テーマはもとより、ロボットの通訳つき英語での講演という、魅力的企画にひかれて参加された方々も、十分に満足、納得されたことと確信しました。

  続く基調講演は、大武先生の「100歳の美しい脳に学ぶ」です。まずは、ケンパー先生の研究成果が記された書籍『100歳の美しい脳』(Aging With GRACE)との出会いと、この度の講演会に至るまでのケンパー先生への積極的アプローチが熱っぽく語られました。ケンパー先生の研究成果とは、修道女達が修道院に入る前に書いた短い自伝の「意味密度」と、高齢になってからの彼女達の「認知機能」とに相関があるというものです。


基調講演する大武先生

  英語おいて認知機能との関係が示された、意味密度や発話速度等の尺度を、日本語に当てはめるのには、言語学的にかなりの困難や課題があります。この課題を解決する方法について、ケンパー先生から、有意義なヒントやアドバイスを頂いたエピソードも紹介されました。例えば、同一人物の若年期と高齢期の言語能力の比較であれば、言語が異なっても可能ではないか、といったことです。
  そして、「防げる認知症」予防のための会話訓練としての共想法の開発経緯やメソッド、現時点での効果、ケンパー先生の講演内容との関係、ほのぼの研究所の活動が紹介されました。最後に、千葉大学での臨床試験の計画、来年早々の企画「谷中で共想法」を含めた、今後の方向性の披露となりました。

  研究所メンバーの熱い思いが通じたのでしょう、講演終了後間もなく、交流会飛び入り参加、さらには谷中のイベント参加のお申し込みもいただくことになり、一同、今後の活動継続への意義を改めて噛みしめたことでした。

市民研究員 長久秀子

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