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ほの研ブログ - 2023年度合同研修実施報告

2023年度合同研修実施報告

カテゴリ : 
ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2024-3-24 8:00
 2024年2月27日13時より、ほのぼの研究所恒例の2023年度合同研修を開催いたしました。コロナ禍がおさまり始めた2023年度から、理事会や講演会をハイブリッド形式で開催してきましたが、今回の合同研修会についても初のハイブリッド形式での開催となりました。
 オンサイトの理研のAIPセンターの会場には、大阪府岸和田市から上京された協働事業者:有限会社ヘルスプロモートの方々、理研の研究員・スタッフ、お江戸共想法、ほのぼの研究所の市民研究員有志が集合、大武先生、協働事業者きらりびとみやしろ、マカベシルバートピアのメンバー、お江戸共想法参加者、ほのぼの研究所の市民研究員がオンラインて参加しました。
 

オンライン(上)、オンサイト(下)参加者

 まず、大武代表理事・所長が共想法を基点に認知症にならない方法について共に考え行動するために設立した当法人の存在意義を確認するともに、1年間得られた知見を持ち寄り、持ち帰り、新しい方法につなげるために行うという開催目的と意義を述べました。
 また、発表時間を、招待講演部分を除き、1事案10分に設定、質疑応答は事後まとめて行うなど、効率的な時間の使い方をして、午後のみの開催形式に設定したことを添えました。
 

オンサイトでの参加の様子


 それぞれの事業の報告概要を順にご紹介いたします。(標題下記は発表者)
【協働事業者 野花ヘルスプロモート こころとからだへアプローチ認知症予防】 

正木慎三・村田智恵、蓑田真澄、新原和


 本発表は、共同研究先である理化学研究所からの招待講演として、位置づけて行われたものです。
 まず、2023年2月14日契約が成立した 理化学研究所 革新知能統合研究センター 目的指向基盤技術研究グループ認知行動支援技術チームと有限会社 野花ヘルスプロモートと岸和田市とが協力し、「遠隔会話法を用いた新しい社会参加とその認知機能向上効果に関わる実証研究」を、合計64名の認知症ではない高齢者に対して行ったランダム化比較試験の、準備段階から事後の認知機能検査までのプロセスが詳細に説明されました。この研究は共想法アプリの高齢者への効果を明らかにすること、及び地域での効果検証を通して遠隔ステムを用いた地域包括ケアシステムの中での新しい社会参加の可能性を模索することを目的としたものです。
 その後担当者4人それぞれがパネル形式で、実際に初めて遠隔共想法実験の実施者としての体験談を、被験者グループメンバーの特性を交えて述べました。共通して挙げられたのは被験者も実施者も「質問する」ということの難しさを痛感したこと。また業務で高齢者と常に接していても、話のキャッチボールを展開させるのがなかなか容易でなかったこと、そして、話題に使う写真の著作権に対する配慮。それらは、実施者を経験している者共通の課題であるため共感することでした。しかし試行錯誤を重ねる中で、終盤戦になると、共想法を続けたいという声を伺うことにもなったという嬉しい結果を伺い、ご苦労が報われたことを喜ばしく思いました。研修事後のアンケートではこの共同研究、共想法実験に興味を抱いたという声が多く挙がりました。
 
 なお、後日談になりますが、3月11日に岸和田市で開催された「今からできる認知症の予防」と題した、遠隔会話システムを活用した認知症の発症を楽しく予防する取り組みとして紹介する「認知症ケア報告会」(講師:大武所長・野花)には、被験者の多くがご参加になり、参加者の中から、共想法に興味を持たれ、即日ほのぼの研究所賛助会員になりたいと連絡を下さった方がいらっしゃいました。

【お江戸共想法2023年度共想法実施報告】

お江戸共想法 竹田加江子・小西達夫・山藤千賀子・熊坂正博



お江戸共想法メンバーS.T.さんの漢字デザインイラストを活用したテンプレート使用の報告書

 2020年から開始、42回目を迎えたお江戸共想法の2023年度の報告は、コロナ禍移住先の軽井沢の竹田加江子さんがオンラインでメインに発表し、参加者の小西達夫・熊坂正博・山藤千賀子鶴子さんらがそれぞれのサイトから、共想法参加への経緯や感想を添える形式で行われました。運営に関しては、連絡システムの構築や、役割を分担する等、徐々に理研のサポートから自立していこうという姿勢を感じさせるプロセスや結果を披露。また、独自に和光市の理化学研究所で街歩き共想法を実施、この3月に開催予定の日本橋桜通り街歩き共想法等々、お江戸共想法のモットー「楽しく参加する」を具現化しながら、アクティブに活動を進めている報告がなされました。

【協働事業者 マカべシルバートピアの活動報告】

マカベ―シルバートピア・市民研究員 永田映子




 2011年のスタートから12年、2024年1月の20期終了時には、驚くことに単身にて通算504回にもなるという、介護老人保健施設における共想法の実践について述べました。2023年度も引き続き感染予防上、通所者に対してのみ、共想法方式、写真共想法形式を織り交ぜて火・木曜日に実施。コロナ禍での工夫を凝らした継続実施が奏功したようで、コロナ禍後の参加者の認知機能は維持されていたこと、90代になると、セルフコントロールができなくなるなどの老化現象が誰にでもあらわれる傾向のようだとする興味深い知見も述べられました。
 なお、今年度は後期高齢者になった実施者が、入院が必要な病気や幾つかの体調変化を経験し不安の多かったこともあり、加齢に応じた充分な体調管理の重要性を実感するとともに、これまでと同じような実践の継続については大変悩ましいという、思いの丈を述べました。発表者の合同研修会における人生の大先輩を参加対象とする共想法実施報告からは、例年、参加者と実施者の時(歳)流れを実感し、同年代の仲間として共感することが年々増えているのを感じました。

【協働事業者 きらりびとみやしろ活動報告】

理化学研究所 岩田幸子(代理発表)




 2022年2月から開始した遠隔共想法には2023年度はほぼ欠席なく、他拠点と同じテーマで12名の参加があったとのこと。ただし、視力・聴力の低下によるスマホ操作困難、家庭環境等の変化などで参加が難しい、従来型の集合式共想法を参加したい要望が強い等の声があるため、当初のきらりびとみやしろの共想法参加ポリシー「住み慣れた地域でいつまでもきらきらと暮らしていく」ことを改めて具現化するために、次年度からは、集合式共想法を再開する方向で体制を作る準備を進めたいとの報告がありました。

【ほのぼの研究所 講演会2022年度講演会(ブログ)実施報告】

市民研究員 長久秀子




  新型コロナが第五類の伝染病に分類されたために、3年間続けたオンライン形式から、感染予防に留意して、初めてハイブリッド形式へと移行して開催したNPO法人設立15周年記念講演会(於・東大柏キャンパス)とクリスマス講演会(於・パレット柏)の実施報告を行いました。このハイブリッド講演会元年の講演会はコロナ禍でのオンライン講演会への参加阻害要因が解消され、久方ぶりの対面、新属性の方々の参加があり、さらに両講演会の招待講師が当研究所主催の2度目のご登壇の、高名な方々でいらしたこともあり、賑わいの再来は大変嬉しいことでした。
 ただし、ハイブリッド開催のための新しく複雑なシステム機器の操作等へのテクニカルな能力や(時間を含む)準備不足、高齢化を含む人員体制等の事情から、視聴者にご満足いただけるものをお届けできなかったことも大きな課題となりました。NPO設立以来15年、数十回にわたりヘルスケアや認知症研究分野の錚々たる講師陣が提供下さる知見を多くの方々と共有できることは、ご好評も得ている当所の「ウリ」や伝統でもあるとして認識しているため、これをつつがなく継承していくために、実施者側にも負担を軽減した、より好ましい開催のために、改善・検討を進めていきたいという思いを述べました。

【ほのぼの研究所継続コース】

市民研究員 魚谷茜

 


 コロナ禍の2020年の6月から、遠隔共想法のアプリの開発に応じて、理研の大きなサポートを受けながら、共に試行錯誤やトレーニングにも励み、進んできたプロセスを交えて、2023年の実施状況を説明しました。大武先生の積極的なPR戦略や様々な周知ツールを契機に、自発的に共想法参加を希望する方々もあり、福岡市、東京都、大阪府、横浜市等の遠隔地、拠点の東葛地域の15名の継続コース参加者(賛助会員)と9名の市民研究員の大所帯になりました。参加1年目の方には共想法の基本の12テーマで参加していただく等慣れていただく工夫をこらし、少々難しい「創造性を育みレジリエンスを高める」という年間テーマも共有していただきながら、ネットワークの接続不具合によるアクシデント以外は、スムーズな運用に至っているとしました。また、2020年から協力を始めた、飲料メーカーとの「お茶によるコミュニケーションが気分、QOLに与える影響」研究のために、お茶等のドリンク類の飲用を交互に行いながら、共想法後のフリートークを続けていることも添えました。
 参加者が増える予定の次年度は、複数日実施ともなりそうですが、快く参加していただくための実施者の接遇等、人材としてのクオリティの維持向上を目指したスキルアップ研修を行う等の方向性を述べ、共同研究に役立つ実施提案を添えて、終話しました。

【街歩き共想法 流山本町 実施報告】

市民研究員 根岸勝壽

 
 ほのぼの研究所主催によるものは6年ぶりとなった、流山市本旧市街界隈にて2023年11月7日(火)に行った街歩き共想法実施報告を様々な場面の写真を添えて報告。主に拠点である東葛地方の継続コース参加者、大武先生と理研のメンバー、共想法参加希望者2名を含めた21名が参加しました。最近は子育て世代の街としてのイメージが強いも、江戸川沿いの旧市街は江戸時代から明治、大正にかけて商業の中心地として栄えており、今も当時の面影を偲ばせる老舗の店舗や多くの社寺があり、白みりん発祥の地でもある界隈を散策し、カフェ併設の杜のアトリエ黎明で司会ロボットぼのちゃんの司会で共想法を行った経緯を述べました。
 コロナ禍以降、オンラインによる遠隔共想法がメインで、対面共想法実施は久しぶりであったため、進行にトラブルがややありましたが、久しぶりの再会、集合しての活動に、何より参加者誰もが楽しい時を共有できたこと、さらには、体験参加者2名が揃って共想法継続コース(賛助会員として入会)に参加下さるという、嬉しい結果が生まれたと述べました。

【ほのぼの研究所 柏市共想法体験講座 「今から始める認知症予防」実施報告】

 大武美保子・市民研究員 松村光輝・吉田美枝子

 
 ほのぼの研究所の命名の由来でもあり、設立以来定期的な共想法の実践や、柏市の認知症予防に関する講座を開催してきた介護予防施設:ほのぼのプラザますおの施設としての機能変更に伴い、当施設での継続的な活動は行わないこととなりました。これに伴い、柏市社会福祉協議会のご提案もあり、1月9日(火)ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)の多世代交流スペースにて、当会場における初の体験講座を開催しました。共想法は話を聞いただけでは、参加のイメージが湧きにくいため、興味を持って頂いた方には、参加している様子を直に見学、体感いただくことが必要だと考えたためです。当日は、大武先生の講話の後、参加者全員が「好きなものごと」のテーマで対面共想法の体験、研究員による遠隔共想法の実施状況の見学をメインプログラムとしました。
 事後のアンケートでは、「役立つ知識を得られた」「参加者との交流や情報交換が得られた」と好評価がある一方、ロボットやスマートフォンを使うことが難しそう、説明が難解といったご意見を頂きました。続いて3月に実施の講座では、認知症予防を実践する手段としての共想法を、より身近に感じてわかりやすく理解していただけるような対策を講じていきたいと述べました。

 ティーブレイクの後は、大武代表理事、所長が2023年を総括し、2024年への展望を述べました。
【2023年度まとめ・2024年度方針】

ほのぼの研究所 代表理事・所長 大武美保子


 まず、初めて合同研修に初参加の方もいらしたため、共想法の成り立ちや、目的、さらに2007年からの研究体制と共想法についての研究成果を、次のように、5年ごとの中期計画に区切り、フェーズごとに述べました。2007年〜種(手法)を苗(サービス)に、2012年〜苗を畑(非営利事業)に、2017年〜畑を試験農園(検証事業)に、2022年〜試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援)。併せてほのぼの研究所の事業の柱(実施・普及・育成・教育・研究)と、現在行われている事業や研究との結びつきについても説明しました。
 そして、改めて2023年度の目標:「2022年度に引き続き、(コロナ禍4年目& afterコロナ1年目として)さらに新しいやり方を作る」に対して、できたことを、以下のようにまとめました。


2023年度にできたこと

 次いで、2024年度の目標としては、コロナ禍の2020〜2023年に得られた知見と、実施者や参加者が歳を重ね、時間の流れへの対応が必要であるということを踏まえて、持続可能なやり方に必要な体制を作るとする、と述べました。以下の具体例を挙げ、世の中に認知症予防活動や知識を伝え、それを常識にすべく一石を投じるため、活動の幅を広げる元年にしたいという構想を述べて、終話しました。


2024年度の目標

 その後、参加者のうち事業報告などで発言をしなかった人全員が、参加しての感想や担当の事業についての意見を述べたところで、終了の時間となりました。初めてご参加の方は、共想法やほのぼの研究所、そして大武先生の研究に関する時系列の情報を把握することができたとの感想をいただきました。また、担当者それぞれは、各拠点・各事業の報告によって、共想法を実施する上での共通の難しさを共有したり、基本のキに立ち返ることができたり、多くの拠点や事業報告で、キーワードとして散見された時(歳)の流れについての対応の必要性も共有できた3時間半でした。大武所長の今後の議論の種が沢山得られたという前向きな終わりの挨拶で、合同研修は終了しました。正に、引き続き議論は続けていかなければならないと実感したことでした。

市民研究員 長久秀子

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