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ほの研ブログ - NagahisaHさんのエントリ

オペラの価値

カテゴリ : 
今日の共想法 » 歳を重ねて気づいたこと
執筆 : 
NagahisaH 2021-1-31 8:00
 独身時代に買ったオペラ全集CDです。1巻に3枚の楽曲と説明のCDついており、それが10巻あります。ですから楽曲がおよそ30時間分、解説が3時間半分あります。全部聴き終わるのには、およそ1カ月はかかることになります。モーツァルトからヨハンシュトラウスまで、有名な楽曲がおさめられています。
 歳を重ねると、若い頃理解できなかったこともだんだんできてくるとみえ、オペラはなかなかセクシーな音楽なのだと気づきました。

市民研究員 M.M.さん



若い頃入手したオペラ全集CDをふたたび

コメント:市民研究員H.N.さん
素敵な時間を楽しまれているM.M.さんの様子を想像しながら話題を拝見しました。私は若い頃、父が好んで聴いていたバッハを理解できないでいましたが、年を経るにつれ、その奥深さや神髄を愛でる気持ちが芽生えてきました。年代や環境によって享受されるものが変わり、心を豊かにしてくれるのが、音楽の秘めたる力だと思っています。
 2020年12月22日(火)13時30分より、ほのぼの研究所クリスマス講演会を開催いたしました。ご存知のように、新型コロナウィルス感染拡大中のため、夏の設立記念講演会同様、今回もオンラインで行いました。ライブのオンライン講演会には60名近い方々、事後の動画のご視聴にも多数のお申込みいただきました
 新型コロナウィルス感染の拡大防止のために人との交流が制限された結果、高齢者の認知機能低下・認知症発症者増加へのリスクが高まっています。今回はその防止の取り組みにフォーカスした「コロナ禍での認知症予防」をテーマに掲げ、認知症予防学会を設立し、研究とその実践に日々ご尽力の西野憲史先生を招待講演講師としてお招きし、招待講演」「基調講演」「両講師の対談」の三部形式としました。

講演会投影資料表紙

 大武美保子弊所代表理事・所長の開会挨拶に続き、早速招待講演講師の西野憲史先生に北九州市のご自身の医療施設よりご登壇いただき、「認知症予防の基礎―コロナ禍における実践」と題した講話が始まりました。

招待講演講師 西野憲史先生

西野憲史先生は日本大学医学部ご卒業で、同大学循環器科にて動脈硬化症の予防にて博士号を取得なされました。1986年にご出身の北九州市に西野病院を開設、以降医療法人、社会福祉法人、NPOを設立され理事長として、地域での医療並びに認知症予防活動を実践なさっております。また2011年日本認知症予防学会(2019年に一般社団法人日本認知症予防学会に名称変更)の設立に寄与され、現在副理事長として幅広くご活躍です。また2007年以降、アメリカ、アジア各国の園芸療法士と連携され、園芸療法の非薬物療法としての認知症予防の実践、研究に積極的取り組まれております。
 
 なお、西野先生には、師走のお忙しい中、急遽のご登壇の依頼に加えて、ほのぼの研究所クリスマス講演会恒例のクリスマスコスチュームのご着用までご快諾いただきましたこと、心より感謝申し上げます。今回は視聴希望者にはガーデニングや家庭菜園などで園芸を楽しんだり、身近なテーマと感じたり、施設関係者も多く、先生のご講話への期待は高いものでした。
 ご自身の施設の美しい庭園をバックにご登壇の西野先生は1.わが国の高齢化、2.コロナ禍の暮らしの変化、3.認知症の原因、4.認知症の予防と対策、5.園芸療法の有用性について、興味深い資料や実生活の事例を挙げながら、大変わかりやすいご講話をご提供下さいました。
 講話早々、「加齢に伴う各種身体機能の変化」のグラフで示された20〜24歳の時の身体機能を100とした場合の55〜59歳の人の変化には、日頃の実感を証明されて大いに納得、各項目の変化の落差に愕然としたものでした。

加齢に伴う各種身体機能の変化

また、高齢化が進むにつれ、健康寿命の短縮の可能性があること、さらに、そうした背景や癌に比べて予防や治療が難しいとされていることからも、認知症が、高齢者が一番なりたくない病気でも、子供世代が親になってほしくない病気でもトップだという、厳しい現実を語るデータも示され、日本の超高齢社会の課題、大きな変化は認知症の発症者の増加だとされました。

 さらに、世界中で認知症に関する研究が進む中、認知症発症の様々な危険因子とされるもののうち、特に大きな危険因子として挙げられるのは、アルツハイマー型認知症では糖尿病、脳血管性認知症では高血圧症であること、しかしながらこれらを含めた危険因子の多くはライフスタイルの見直しでリスクを減らす可能性があるという研究が進んでいることを述べられ、アルツハイマー型の発症にかかわる脳へのアミロイドβの沈着を抑制、認知症予防につながるものとして、7時間以上の良い睡眠が注目されているというトピックも提供されました。


認知症の発症にかかる危険因子

 次いで、2011年の設立以来日本認知症予防学会が提唱する認知症予防の3段階予防法に基づき、2500人余の会員の認知症予防のためのエビデンス創出とそれに基づいた研究・実践活動により認知機能の障害を改善できる部分があるということがわかってきたと説明されました。

日本認知症予防学会が提唱する認知機能の3段階予防法

  最後に西野先生が欧米やアジアでその有用性への注目が高まっており、それらの地域の実践・研究の連携も通して、ご自身の各施設、NPOで研究、実践を推進していらっしゃる園芸(自然)療法について熱く語られました。施設で行われる様々なアクティビティに加えて、MCI(軽度認知障害)の進行抑制、認知症のBPSD(行動障害等の周辺症状)の予防と改善のための非薬物療法として、障害のレベルや能力に応じて(すべての予防段階において)取り入れられたところ、園芸療法のもつ「賦活」と「沈静」両作用が見られたと述べられました。BPSD症状を軽減するばかりか、様々な園芸活動に付随する関わりを通じて活動を活性化し、五感を豊かに刺激することになり、長期間実践することにより認知機能の改善が維持されたというエビデンスを解説、園芸(自然)療法の有用性や意義を述べられました。



園芸療法の有用性・効果

 そしてWHOの提唱するQOLの実現に向けての身体面、社会面、精神面に並ぶやる気、意欲の領域において、この不思議な力を持つ園芸療法等による自然とのかかわりが生活の質を大いに高めることができると確信していると結ばれました。

 画面に映し出された、美しい自然豊かな施設や、素晴らしい環境の中での様々な園芸療法の場面の画像から、充実した時間を満喫され、幸福そうにお見受けするご参加の皆様の表情に、心が潤う思いがいたしました。また、事後アンケートでは、自然豊かな環境での取り組みに心を打たれた、園芸療法に改めて興味を持った、やってみたい、できそうという感想や、自らが植物と対峙して心が癒された経験など、嬉しい声が届きました。
 最後に日本認知症予防学会からの新型コロナウィルス拡散に対する提言をお示しいただき、終講となりました。

日本認知症予防学会からの提言

  次いで、大武美保子代表理事・所長から「オンライン認知症予防活動」と題して、基調講演をいたしました。
 遺伝以外の要因が大きい病気に対しては病気ごとにその方策が存在するも、「人との密な接触をさけるべき」新型コロナウィルス感染症と「人との交流をすることが有効である」認知症では、その方策が衝突しており、それがまさしく今般のコロナ禍の課題であるとしました。そこにおいて、「人と交流する以外に、有効とされる活動をする」西野先生の講話にあった園芸療法、五感刺激療法、音楽療法等と並びうるものとして、「人との密な接触を避け、オンラインで人と交流する」方策として、2020年より本格的に取り組んでいる、集合することなく、「同じ写真が表示される端末を見て会話する」遠隔会話支援システムを用いる方策(手法)について解説しました。これらの手法は五感を刺激するという要素は欠ける面がありますが、その分を言葉の力を使う方法として位置づけているとしました。

 会話の認知機能訓練効果が認められているものとして、先行研究として行われた定期的に一定期間高齢者が会話を継続するWEB会議システムによる会話実験では、電話によるインタビューに対して言語流暢性※が向上したという研究とがあります。また、さらにエビデンスの収集が必要ですが、大武研究室が行った会話ロボットが司会する写真を介して行う会話実験研究(共想法)でも自由会話に対して同じような結果が見られています。(言語流暢性:ある文字で始まる言葉、あるカテゴリーの言葉を一定時間内にどれだけいうことができるかで測られる能力)
 
 今回の講話では、コロナ流行下、認知症予防につながると考えて継続してきた「集合して会話する」会話支援手法、共想法の研究開発及び普及が叶わなくなったため、感染症拡大以前より遠隔地との会話を実現するために開発していた、在宅で会話ができる遠隔会話支援システムを活用することで、集合しなくてもオンラインにて交流ができる方策に切り替えた経緯と実態を説明しました。

遠隔会話支援システムの動作フロー(一部抜粋)

 これは、スマートフォンおよびタブレットアプリケーション上に、順に映し出される、参加者が撮影した写真を見ながら、順に会話ができるものです。テーマに沿った写真を持ち寄り、時間と順番を決めて話題提供、質疑応答する、その後自分が話した内容を200字にまとめるという、共想法本来のルールとその活動に伴って加齢により落ちやすい認知機能を活用できるという原則を述べ、IT端末に慣れていない人とは地道にステップを重ねながら、併せて端末の機能評価・改善を図りながら、徐々に多くが参加できるようになった経緯を述べました。
 また、認知機能訓練として共想法に参加し、一定の質を保つ会話をするためには、決められたテーマを心に留めて観察、行動するライフスタイルが求められ、そのことが五感の感度を高め、言葉の理解力が上昇する、すなわち共想法で使われる「見る」「聞く」「話す」の感度が高まり、それが脳の働きにも反映するとの考えと述べ、この6か月間に行った共想法の「観察する」「行動する」カテゴリーのテーマの中から、「歳を重ねて気づいたこと」「免疫力を高める工夫」のテーマで提供された2つの話題を紹介しました。

共想法による認知機能訓練により高められるとされる感度

 最後に、今後しばらくは続くと思われる集合や外出が制限されるwithコロナ、そしてafterコロナの時代に向けて、新しくスタートを切ったこのオンラインによる認知症予防活動ツールを進化、拡大させていく展望と抱負を述べて、終講としました。

 5分間の休憩を挟んで、北九州市の西野先生と東京の大武所長との「コロナ禍での認知症予防」と題した対談が始まりました。今回は短い休憩時間でしたが、講師に質問する機会を設けました。最初に20件ほど寄せられ質問のうち、西野先生が関わっていらっしゃる園芸療法や音楽療法に関する質問に答えられました。なお、当日回答ができなかった全ての質問に対して後日メールにて回答しました。
 

西野憲史先生と大武美保子所長との二元対談

  その後、西野先生は、それまで認知症治療は精神科における重度患者の治療が中心だったため、「認知症になりたくない」という人々の思いを背景に、また内科医の立場から早期発見、生活習慣病の予防・治療を含めた幅広い予防が必要だという思いから、日本認知症予防学会を立ち上げた熱い思いを語られました。

 またご自身で園芸療法を始められたきっかけとして、通院、入院患者さんたちが植物や自然と接する活動の受容性が最も高く、植物が持つ賦活と沈静という不思議な両作用が人間をニュートラルな状態にしてくれることが実感できたからと述べられました。
 認知症の予防となる生活習慣病改善のために必要でも、どうしても食生活の節制ができない人は、入院も視野に入れて一定期間身体によいものを食して、身体にその心地よさを感じさせる方法も一法だとアドバイスされました。
 そして、認知症予防において重要な三要素である〕酸素運動、楽しく頭を使うことコミュニケーションをはかることのうち、共想法は、楽しく頭を使うことコミュニケーションをはかること、を具体的に高めていく上で素晴らしいツールになるとの励みになるコメントを頂きました。

 オンライン講演会は2度目、今回はウェビナーを利用しての開催となりましたが、準備はしたものの不安は尽きず、果たして音声等については、貴重なご意見をいただくことになりました。しかしながら、講演内容や今後の参加意向につきまして、好評価をいただき、大過なく終えることができたことを、安堵すると共に、ここに改めて、ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
 今後もしばらくはオンラインでの講演会や企画が続くと思います。いただいた貴重なアドバイスやご希望に添える、よりよいものにしていきたいと思っております。

 なお、本講演会の模様は以下YouTubeにてご覧いただけます。
 https://www.youtube.com/channel/UCz7L-TE_oqgoLORFqNoIoZA

市民研究員 鈴木 晃・長久 秀子

新年のご挨拶2021

カテゴリ : 
ほの研日誌 » お知らせ
執筆 : 
NagahisaH 2021-1-3 8:00

2021年 丑年 北海道の牧場にて

あけましておめでとうございます

旧年は、感染症流行により、世界中が翻弄された年でした。ほのぼの研究所では、集まって会話をするという、日常の当たり前の営みを丁寧に行うことが、認知症予防につながるという考えから、会話支援手法、共想法の研究開発と普及に取り組んできました。ところが、集まって会話をすることが、感染予防の観点で、危険な行為となってしまいました。この状況は、しばらく続くことが当初より予想できましたので、活動をオンライン中心に切り替え、ますますニーズが高まった認知症予防を、感染症流行下において実施する方法について、実践を通じて研究しました。以下、2020年の主な取り組みについてご紹介します。

第一に、月1回定期的に集まって開催していた、共想法継続コースを、在宅、オンラインの、遠隔共想法に順次切り替えました。これは、感染症拡大以前より開発していた、在宅で会話ができる遠隔会話支援システムを活用するものです。スマートフォンおよびタブレットアプリケーション上に、順に映し出される、参加者が撮影した写真を見ながら、順に会話します。端末に慣れている方から順に導入し、電話などを活用しながら、まずは、実施者同士、次に、実施者と参加者の一対一、実施者に2名、3名の参加者と、ステップを踏んで実施しました。必要な方には、感染予防対策を施した上で、定期開催していた会場に1名ずつお越し頂き、遠隔の実施者と、会場にいる実施者と、参加者とでグループ会話をする、新システムを体験頂き、自宅でできるように練習をしました。

第二に、ウェブシステムを導入し、週1回定期的に集まって開催していた、研究会を、ウェブ会議システムを用いた月1回の研究会に切り替えました。具体的には、感染症流行下で普及が進み、高齢者にとっても比較的使いやすい、zoomを導入しました。1人ずつ練習を重ね、一対一で接続できるようになった後、実施者が一堂に会することができるようになり、各種活動の準備と振り返り、議論することができました。また、年1回開催していた、各地の協働事業者や関係者が一堂に会する合同研修を、同様にウェブ会議システムを用いて実施しました。遠方の参加者からは、移動時間がない分参加しやすいと好評でした。

第三に、2016年より毎年実施協力してきた、柏市主催の認知症予防講座を、感染状況が比較的落ち着いていた秋に、柏市介護予防センターを会場として、オンラインとオンサイトのハイブリッド形式で開催しました。会場から遠くに住む講師と実施者の一部は、ウェブ会議システムから参加、講義を行いました。会場の近くに住む実施者は、会場にいて、共想法を実演し、参加者による体験を支援しました。テーマは「いまこそおうちで認知症予防」とし、在宅で会話ができる遠隔会話支援システムの体験を通じて、認知症予防について学ぶプログラムとしました。

第四に、研究所設立当初より、年2回ペースで開催してきた講演会を、オンラインで開催しました。夏の設立記念講演会は、「今こそ、実践!真の健康づくり」をテーマとし、疲労の研究の第一人者である渡辺恭良先生に神戸からご講演頂きました。冬のクリスマス講演会は、「コロナ禍での認知症予防」をテーマとし、認知症予防の実践研究の第一人者である西野憲史先生に、北九州からご講演頂きました。その後、講演の動画をYouTubeに掲載し、より幅広く多くの方に視聴いただけるようにしました。これに伴い、「NPO法人ほのぼの研究所」というチャンネルを開設しました。2021年年始において、2回の講演会について、それぞれ、招待講演、基調講演、招待講演者と基調講演者による対談の3本ずつ、合計6本の動画を掲載しています。

年初には考えてもいなかった新しいことに、結果として挑戦する1年となりました。いずれの活動も、防ぎうる認知症にならない社会の実現を目指す同志である関係の皆様のご協力、ご支援により実現したものです。困難を共に乗り越える仲間がいることを心強く思います。改めて感謝申し上げます。

活動のオンライン化により、地理的な制約が少なくなったことから、会話による認知症予防研究に、関心があるより多くの方に参加いただくことが可能な状況になったと言えます。2021年も引き続き、2020年に始めた新たな活動を継続しつつ、より効果的な活動方法を、実践を通じて探索し、活動の輪を広げて参りたいと思います。本年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2021年元旦
NPO法人ほのぼの研究所代表理事・所長
理化学研究所 チームリーダー 大武 美保子

 このバッグの表地はマスクを作った端布を利用して作ったものです。たいてい端布は捨ててしまうものですが、たまたま形と寸法が同じような布が残ったので、何かできないかと考えて、このようなバッグを作った次第です。
 新型コロナウイルスの感染を少しでも予防できたらとの思いで作り始めたマスクですが、いろいろな方に差し上げて喜ばれました。また、ある方には大変気に入っていただき、その端布でこのようなバッグができたということです。

2020年度柏市認知症予防講座参加者 S.H.さん



手作りマスクの端布で作ったバッグ

コメント:市民研究員H.N.さん
ひと頃はマスクの入手が困難だったことが思い出され、贈られた方の嬉しそうな様子が想像できます。それにしても、マスクの端布を活用なさったとは思えない、素敵な色づかいのバッグのアイデアと細かい作業に感服です。私も、沢山溜まっているマスクの端布の活用を考えてみることにします。

長くのびたヘチマ

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今日の共想法 » 早寝早起きしてみた
執筆 : 
NagahisaH 2020-12-6 8:00
 日頃から仕事の日は朝早く起き、7時には職場である施設に着くようにしています。道が空いていて、通勤時間が短縮できるからです。真冬は辛いですが、夏は清々しい景色を見ることができて、気持ちがいいものです。ある日車を降りて、駐車場に植えてあるヘチマにふと目を移すと、いつの間にか長く伸びていました。
 これらを植えてくれた運転手さんは、とても親切で、毎年これでヘチマコロンを作り、分けてくれます。

市民研究員E.N.さん



長くのびたヘチマの実

コメント:市民研究員 H.N.さん
この話題が配信される頃、今年産のヘチマコロンがお手許に届けられ、使っていらっしゃるのではないかと想像しています。ゴーヤに押されて軒先で見ることが珍しくなったヘチマの清々しい写真からつらなるストーリーは、何かとても懐かしい思いを呼び起こしてくれました。

お寺カフェの朝食

カテゴリ : 
今日の共想法 » 早寝早起きしてみた
執筆 : 
NagahisaH 2020-11-29 8:00
 平日の朝、散歩を兼ねて築地本願寺境内にある築地本願寺カフェで、話題の「18品の朝ごはん」(1,980円)を食べてみました。
 お盆にお粥と味噌汁と16品のおかずが小皿に見た目も美しく供されました。お粥が美味しくて、おかわりをしてしまうほどでした。お盆の中央のカード裏に「18品目」は「仏様の48の請願のうち18番目の『あなた(生きとし生けるもの)を決して忘れない』という根本的なものに由来していると記されていました。
 こちらのカフェは朝8時オープン、週末は混むので、平日に早起きしてお試しあれ。

江戸共想法実践・参加者E.I.さん



彩りも美しいお寺カフェの朝食


コメント:市民研究員 H.N.さん
開かれたお寺だと聞いていた築地本願寺ですが、カフェもできていたのですね。清々しい朝の空気の中、栄養満点の何よりおいしそうな朝食をいただけば、1日中元気は間違いなしですね。早起きは苦手ですが、この朝食を目当てになら、できそうに思いました。
 柏市認知症予防講座は、今年で実施開始から5年目、6講座目を迎えました。新型コロナウィルス禍、開催が危ぶまれましたが、当初の予定通り、9月29日、10月13日、27日の3回にわたり、ほのぼの研究所大武美保子代表理事・所長を講師として開講致しました。
 感染症対策として、会場の定員が、スタッフを含めて13名となったため、例年18名募集のところ10名の募集と縮小しました。想定外の定員を大幅に上回る34名の応募者があり、抽選の結果、9名の方に受講していただくことになりました。応募者の内訳は60〜70歳代が3分の2、80歳代が3分の1でしたが、34名中、女性が32名と大勢を占めました。

 会場の実施者は人員縮小して、ほのぼの研究所のスタッフ3名のみ、ほのぼのプラザますおのスタッフ1名とし、マスク着用の上、ほのぼのプラザますおの広い会場スペースまなび館にて、十分な間隔をとっての実施となりました。


感染予防を配慮した講座会場

 大武美保子講師、テクニカルサポート1名、ほのぼの研究所スタッフ1名は、東京都、神奈川県からZOOMを利用しての参加で、文字通り遠隔での講座となりました。リハーサルを繰り返す中で、Wi-Fiがうまく繋がらなかった際の対策等の準備を整え、無事に終講することができました。


大武所長のリモート講座画面
 
 「共想法」は元来、テーマに基づいた写真を持ち寄り集合し、それを大きなスクリーンに投影してその話題について説明し、質疑応答を通して想いや情報の交換を行うものです。今年度の講座は認知症予防に関する座学と、新型コロナ流行禍集合することができないために、集合しなくても在宅(おうち)で共想法に参加できるように開発された、スマホアプリを使っての共想法の体験の構成としました。

 共想法のテーマは「好きな物」とし、1日目は研究員の実演をみていただき、2、3日目には9名の参加者に3名ずつ3グループに分かれて共想法を体験していただきました。
 感染を防ぐため、実際にはスタッフがスマホを操作しましたが、参加者は各写真が映し出されるスマホ画面が大きく映し出されるスクリーンの写真を見ながら、説明、質疑応答を交わし、活発な共想法が実現しました。「マスクの端切れで作った手提げ」やお嬢さんがお母さんのために完成させた「紙ひものカゴ」など、参加者の多くを占めた女性ならではの、いまどきの話題が提供されたのが印象的でした。

 すべての参加者がZOOMによる講座が初体験であり、スマホの扱いに不慣れな方もいらした中、ご苦労も多かったとお察しいたしますが、事後アンケートには、この講座に「満足」「ほぼ満足」の回答が寄せられ、「共想法を初めて知ってよかった」「共想法をしてみたい」という意見を多くいただきました。一方、不慣れで難しい面もあったとみえ、遠隔でないほうがよいという本音のご感想もいただきました。

 グローバル化が進み、コロナ感染症だけでなく、様々な感染症の広がりは防ぐことが難しくなると思われる中、コミュニケーションにも、これまでとは異なる方法の工夫が必要に迫られることが想定できます。実施者として、初めての試みでしたので、改善すべき点は多々ありますが、新しい活動方式のひとつの最初の一歩を踏み出せたことは、私たちの明日への糧になると思っています。

 本講座運営に多大なご助力をくださった、柏市ならびに社会福祉協議会のスタッフの皆様、受講者の皆様に厚く御礼申しあげます。

市民研究員 魚谷 茜

 気功を始めて9年ほどになります。私がやっているのは、背骨の運動と瞑想を組み合わせたもので、穏やかな気持ちを保って、ストレスをなくして、健康でいましょうというのがモットーです。運動はしたくないのですが、瞑想が大好きです。簡単にいうと、座禅と同じで、身体をまっすぐに、呼吸を整え、心を整えます。
 今は朝ベランダで30分ほど行っていますが、なかなか虚心になれず、「お昼は何を食べよう」などと、雑念が湧いてきます。悟りの世界は遥かかなたです。

市民研究員 A.U.さん



気功で心身を整えて

コメント:市民研究員H.N.さん
A.U.さんの日ごろのたたずまいや生き方は、長年にわたるこうした心がけや生活習慣に由来するものだということが、大いに納得できました。静かに座ると、瞑想するいとまもなく、夢の国に行きそうになるストレス処理下手の猫背の私、1週間に1度からでも、見習わせていただきたいと思ったのでした。

2020年ほのぼの研究所設立記念講演会

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ほの研日誌 » 行事
執筆 : 
NagahisaH 2020-10-4 8:00
 2020年8月25日(火)13時30分より、ほのぼの研究所設立記念オンライン講演会を開催いたしました。ご存知のように、新型コロナウィルス禍、皆様にご集合いただくことは叶わない世情でありましたので、多々逡巡いたしましたが、今までどおり皆様と認知症やヘルスケアに関する知見、情報の共有は絶やすことなく続けたいという思いから、感染予防を鑑みて、ウェブ会議サービスZoomを使ったオンラインで行いました。ライブのオンライン講演会には40名の方にご参加いただき、事後の動画でのご視聴に約同数の方からお申込みをいただいております。

 講演会のタイトルは、いわゆる巷にあふれる健康情報とは一線を画す、確たる研究、知見に裏付けされた健康に関する情報をお届けすることを目的として、「今こそ、実践!真の健康づくり」としました。前回の設立記念講演会より好評の、「招待講演」「基調講演」「両講師の対談」の三部形式としました。

講演会資料表紙
 
 定刻どおり、大武美保子弊所代表理事・所長の挨拶にて講演会が開始、早速、招待講演講師の渡辺恭良先生に、神戸の研究室よりご登壇いただき、「疲れにくく、生き活きとした毎日を送るために」というタイトルの講話が始まりました。

 渡辺恭良先生は京都大学医学部ご卒業の医学博士で、講演会開催時、理化学研究所生命機能科学研究センター 健康・病態科学研究チーム・チームリーダー並びに大阪市立大学・健康科学イノベーションセンターの顧問でいらっしゃいます。「疲労」の正体を解明し、疲労のメカニズムを科学的に解明し、抗疲労対策にも多くの貢献をすることに成功した、世界の疲労研究をリードする疲労研究の第一人者で、一般社団法人日本疲労学会理事長等多くの要職に就かれております。なお、渡辺先生には、これまでと異なる環境下、ご多忙にもかかわらず、急遽のご登壇の依頼をご快諾いただきましたこと、心より感謝申し上げます。

 繁忙な日常や加齢、そして、今般の新型コロナウィルス感染禍、疲れを感じる日々は少なくないため、学問として伺う「疲労」について、期待を抱いて拝聴いたしました。

招待講演講師 渡辺恭良 理化学研究所チームリーダー
 
 まず、「疲労」いわゆる「疲れ」は、元気な時を100%とした作業効率が60〜70%など、統計的に有意に落ちた状態と定義づけられ、休憩や眠りで治る「急性疲労」、疲れ気味が1週間ほど続く「亜急性疲労」、そして6か月以上続く「慢性疲労」に3分類されます。疲労は、「これ以上仕事や運動等を続けると、心身の正常状態が損なわれることになります」と、それ以上の活動を制限させようとする重要な生体警報(アラーム)であり、多数の病気の下地:未病でもあります。発熱や痛みと並ぶ3大重要警報である、と説かれました。疲労は、近くのお医者さんにかかる2番目に多い(一番目は痛み)主訴でもありますが、医療は疲労に対して体系的な診断法や治療法が確立していません。

疲労と疾病の連続性


疲労と症状
 
 驚くことに、疲労による日本の経済的損失は、単純な因果関係からは、年に1.2兆円、交通事故などの疲労に起因すると思われる事故をも含めると、少なくとも年間約7兆円:日本の総予算の1割近くにも及ぶという衝撃的な数字も示されました。そして、大人ばかりでなく、子供も多くが睡眠不足などから慢性的に疲労を感じているという実情も述べられました。

 もともと身体には、活性酸素の働きを弱めたり無毒化したりする機能が備わっていますが、激しい運動や精神的なストレスなどで大量のエネルギーが必要になると、処理できる以上の活性酸素が発生して体中の細胞内部品をつぎつぎにサビつかせてしまいます。このような活性酸素によって細胞機能が一時的に低下し、身体のある特定の場所での炎症を起こした状態が「疲労」であり、それは長引くと「老化」にもつながるメカニズムである、と解説されました。疲労はまず、全身に張り巡らされた交感神経と副交感神経:自律神経の乱れから始まり、睡眠障害、取れない疲労、未病へと進むこと等を述べられました。また、認知機能と自律神経機能に大きな相関が見られ、とくに高齢者は疲労している時の認知機能低下が大きいことを伺いました。

 疲労そのものについて、渡辺先生を中心に、多くのことが解明され、それによる総合的に評価する主観的、客観的な指標や方法に基づき、防止や快復、治療のための研究が長年にわたり綿々と続けられていること、健康度のアップのための研究に邁進なさっていることに、非常に感謝をしたことでした。被験者の負担の少ない疲労度検査方法も続々開発されているとのこと、ぜひ既存の健康診断に組み込まれるようにと願っています。

 次いで、大武美保子代表理事・所長から「認知機能を保つ、暮らし方の工夫」と題して、基調講演をいたしました。

 まず、認知症予防とは、認知機能低下遅延、認知症発症遅延であるという定義と共に、認知症予防の認知的アプローチとして、知的行動や社会的交流を行う活動をすることが有効と知られていると述べました。防ぎうる認知症にならない社会づくりを目指して、加齢による認知機能低下を遅らせ、認知機能が低下しにくい生活の仕方を実践する手法として、『共想法』を開発し、言語能力と認知能力の生涯発達を支援する研究を進めてきています。

 会話に注目した研究を行う根拠を、次のように述べました。すなわち、1) 言語能力は生涯にわたって向上するとされる結晶性知能であり、全般的に言語能力が高い人の認知機能は低下しにくく、言語能力が認知機能の維持に重要な役割を果たすこと、2) 社会的交流の多寡が、加齢に伴う認知機能低下や認知症発症リスクに関係するという報告に基づいています。会話が言語能力と認知機能に立脚した活動であり、認知機能の維持につながると考え、ルーの法則:器官や機能は、適度に使えば発達し、使わなければ退化・萎縮する;に則り、会話支援手法『共想法』では、認知機能のうち低下しやすい体験記憶、注意分割機能、計画力を、会話を通じて自然にバランスよく使えることを目指しています。

 次いで、『共想法』を考案した経緯、一連の実施プロセスと、それぞれのプロセスで活用される認知機能(体験記憶、注意分割機能、計画力)ついての説明や採用する写真(話題)のテーマについて説明を行いました。そして、東京大学、千葉大学を経て、現在理化学研究所で行っている基礎研究、そして、ほのぼの研究所における実践研究の取り組みを紹介しました。

 最後に、新型コロナウィルス感染下、活動が制限され、高齢者の認知機能低下リスク防止と認知機能維持のためのニーズの緊急性が増した中、元来の目的である、防ぎうる認知症にならない社会の実現に立ち返り、集合せずに会話することを通じて認知機能を訓練する研究テーマに、重点的に取り組むこととした、と述べました。話題提供し質問に答える対話ロボットや、タブレット、スマートフォンを用いた話題共有システム、在宅で会話可能な遠隔共想法システムの開発、利用評価を、急ピッチで進めていること、また、ほのぼの研究所の活動をほぼオンラインにしたことを報告しました。

 

 
 10分の休憩を挟んで、神戸の渡辺先生と、東京の大武所長との「今こそ、実践!真の健康づくり」と題した対談が始まりました。渡辺先生は、本講演会で最も伝えたかったこととして、「疲労は発熱や痛みと同様、大きな生体アラームであり、それを正しい指標で判断を行うことが、それに陥らないようにする対策・予防につながっていく、このプロセスは認知症に関してもあてはまる」と改めて強調されました。また、従来の健康診断結果にAIの分析を添え、疲労度を判断する自律神経と生体酸化等の検査を追加することで、疲労度の高い国民の未病化予防、健康度アップにつながると思うとも述べられました。

 最後に、疲労を蓄積させないためにできることとして、渡辺先生より、以下の2つのアドバイスをいただき、オンライン講演会は閉会いたしました:1)自分を縛りすぎることのない、自らのオリジナルのナビゲーションをつくって、受動的にならずに自分の意思で活動すること。予測できないことがふりかかることが、一番疲れにつながってくるとされているので、不測の事態に対しある程度の準備は整えておくこと;2)楽しいことを思い浮かべること。

両講師の対談
 
 Zoomで招待された会議に参加するレベルで、主催者としての知識も経験もない担当者が、初のオンライン講演会開催まで過ごした日々は、親身のアドバイスを下さる方がいらしたとはいえ、不安の多いことでした。これも初体験のオンラインアンケートでは、音声や資料の判読不備等に対して、貴重なご意見をいただくことになりましたが、満足度や今後の参加意向では、高評価をいただけました。寛容な皆様に支えられて、大過なく終えることができたことを、安堵すると共に、ここに改めて、ご参加いただきましたことに感謝申し上げます。

 今後もしばらくはオンラインでの講演会や企画が続くと思います。いただいた貴重なアドバイスやご希望に添える、よりよりものにしていきたいと思っております。

市民研究員 鈴木 晃・長久 秀子

 5歳になった長男に折り紙ブームがやってきました。検索をすると、作りたいものの折り方が見つかることに味をしめ、好きなものを脈略もなく次々とリクエストします。折り方の図、あるいはYouTubeの動画を一緒に見て、作ります。写真の手前から奥に向かって、コウモリ、江ノ電、赤鬼・青鬼のお面、ペンギン、飛行機、インコ、新幹線、クジャクです。最後のクジャクだけは、私が興味を持って作ったものです。

市民研究員 M.O.さん


 
作品のかずかず

コメント:市民研究員 H.N.さん
某大学学生の超絶技巧作品は別世界のものとして驚くばかりですが、このバラエティ豊かな作品からは、お母さまとの合作の機会を得たお子様の笑顔とほほえましい雰囲気が伝わりました。手先の運動や認知機能にもいいとデーサービスでも行われる折り紙ですが、鶴や奴さんレベルの私は、ボランティア先で通所者さんと一緒に折り方を理解するのにも一苦労したのを思い出しました。