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ほの研ブログ - NagahisaHさんのエントリ

 2010年7月20日(火)13時30分より、ほのぼの研究所設立記念講演会「アルツハイマー病と認知症予防研究の最前線」を、昨年度からニューノーマルとして継続して採用しているオンライン形式にて開催しました。講演会のテーマは、認知症の主な原因疾患であるアルツハイマー病の仕組みについて学び、認知症予防に役立てることを意図して設定しました。招待講演「前臨床性アルツハイマー病と先制医療の最前線」、基調講演「言語活動を通じて認知機能の低下を防ぐ」、対談「アルツハイマー病と認知症予防研究の最前線」の三部形式としました。


                   
 ほのぼの研究所代表理事・所長の開会の挨拶に続き、ご来賓の公益財団法人キリン福祉財団の常務理事・事務局長 大島宏之様より、心強いご言葉をいただきました。ほのぼの研究所が提案するコロナ禍「自宅でできる共想法アプリ開発」プロジェクトは、2021年度の当財団の「地域のちから・応援事業」助成事業として、採択していただくという栄に浴しました。そこで、助成元として上記財団からご参加頂く運びとなりました。
  

ご来賓の助成元公益財団法人キリン福祉財団大島宏之常務理事・事務局長
   

 招待講演の理化学研究所脳神経科学研究センター 神経老化制御研究チーム チームリーダー西道隆臣先生に、埼玉県和光市の理化学研究所よりご登壇いただき、「前臨床性アルツハイマー病と先制医療への展望」の講話が始まりました。
  

招待講演 西道隆臣先生

 西道先生は筑波大学生物学類卒業後、東京大学大学院薬学系研究科修了 博士(薬学)。大学院在学中に米国コーネル大学に留学(応用物理)。東京都臨床医学総合研究所・遺伝情報研究部門主事を経て、1997年より現職。2014年に(株)理研バイオを設立、代表取締役を兼務。日本認知症学会理事。早稲田大学客員教授、慶應義塾大学医学部客員教授兼任。横浜市立大学・日本女子大学・千葉大学・東京大学・東北大学等の非常勤講師を歴任されております。また、「アルツハイマー病原因物質を分解する酵素ネプリライシンの発見」、「次世代型アルツハイマー病モデル動物の作製」等多くの業績を挙げられております。

まず、講話のタイトルの「前臨床性アルツハイマー病」とは、病気の原因となる現象が始まっているものの、症状がない状態であることを指します。「先制医療」とは、その段階で進行をとめてやることです。すなわち、先生の研究の目標は「アルツハイマー病がない世界をつくること」。そして団塊の世代の認知症有病率が特に増加する危険年齢:80歳代後半に及ぶまでが、研究開発の勝負の時であるとも述べられ、早々に研究に対する熱い思いを感じることができました。
 認知症発症者の6〜7割がアルツハイマー病、次いで脳血管性認知症が2割を占めるとされます。脳血管障害において、脳の血液の行き場がなくなることで神経細胞死が起きてしまうため、両方の病変がオーバーラップしており、脳血管障害もアルツハイマー病のリスクがあるとされました。
次いで アルツハイマー病の以下を3大病変として、挙げられました。
(1) 老人班(アミロイドβの蓄積)―脳内神経の外に蓄積
(2) 神経原繊維の変化(タウたんぱく質の蓄積)―脳内神経の中に蓄積
(3) 神経変性(神経細胞死→脳の萎縮

 さらに、アルツハイマー病の確定診断方法が、死亡した人の脳を解剖する剖検から、生きているうちから脳内の状態を可視化できるPET(Positron Emission Tomography):陽電子放出断層撮影法によるアミロイドイメージングやタウイメージング、MRIによる神経変性診断へと進歩したと、病変像を示して説明されました。

PETイメージングによる発症前診断画像

 また、1906年にアルツハイマー博士が脳の病気として発見して以来の、アルツハイマー病の研究や、それに伴う治療薬開発等の歴史を、図1によってひも解かれ、病変のもとになるアミロイドβがやくざの親分、タウたんぱく質がヒットマンとして脳細胞を殺してしまうと考えるとわかりやすい、と説かれました。

アルツハイマー病研究史概略(図1)

               
 そして、2000年以降のアルツハイマー病の機構研究から、アミロイドβの蓄積が発症20年前から既に始まっていることがわかったことを含めて、以下のように説明され(図2)、アルツハイマー病を予防する遺伝子変異の発見により、アルツハイマー病の治療標的が1)アミロイβ蓄積(老人班)、2)タウ蓄積(神経原線維変化)であることが確定するに至った経緯を述べられました。

アルツハイマー病の病理的時系列(図2)

               
 なお、先般話題となった18年ぶりにFDAで条件つきで認可された抗体医療であるアデュカヌマブについては、アミロイド蓄積を確かに抑制されるものの、効果が期待される病期が限定的であること、高額な薬価、副作用等に関して問題点を挙げられました。

アデュカヌマブに関する問題点

               
他方、脳内アミロイドβの沈着を抑制するためには、西道先生チームが世界で初めて発見した、アミロイドを分解する酵素【ネプリライシン】が鍵を握ります。すなわち、加齢やアルツハイマー病の進行に伴い低下する脳内ネプリライシン活性を増強することが有効と考えられます。この、ネプリライシン活性を高める遺伝子を、アルツハイマー病モデルマウスの脳に導入、遺伝子治療を試し、蓄積したアミロイドを除去することに成功しました。
まだ不安のある遺伝子治療以外で予防する方法も模索していますが、この実験結果をもとに、安価で安全な経口の先制医療薬の研究開発に邁進していることを強く述べられました。また発症メカニズム研究に欠かせない、アルツハイマー病の病理を持つ次世代型モデルマウスの作製にも世界で初めて成功され、それらは現在ほぼ世界中に供与され、アルツハイマー病治療研究のために貢献しているというエピソードも披露されました。   

 脳の遺伝子治療の概念的進歩

               

 ルツハイマー病の病理を持つ次世代型モデルの作製に関する記事と
アルツハイマー病の病理組織の3次元的再現(緑:アミロイド、赤:血管)


 最後にアルツハイマー病のリスクを抑制するための要件を以下のように述べられ、さらに自身や身近な人に認知症の疑いがあった場合は、日本認知症学会の認定医資格を持つ医師による正しい診断を早め受けるようにとのアドバイスを下さり、終講となりました。
    

 アルツハイマー病のリスクを下げるためのアドバイス


 次いで、大武美保子代表理事・所長が東京の日本橋の理化学研究所から「言語活動を通じて認知機能の低下を防ぐ」と題して、基調講演をいたしました。
  

 基調講演 大武美保子 

 まず導入として、脳や身体の疾患を原因として記憶、判断力などの障害が起こり、普通の社会生活を送れなくなった状態が認知症の定義であると確認した後、認知症発症の原因の大部分がアルツハイマー病と脳血管障害であることから、アルツハイマー病と脳血管障害の危険因子を挙げて、それぞれ予防(進行を遅らせる)ための有効なアプローチ方法を説明しました。
危険因子の一方である生理的要因には、有酸素運動など適度な運動や抗酸化作用がある飲食物を摂るといった食生活の改善等により、認知症の主たる原因疾患である脳血管障害や、アルツハイマー型認知症の病理的徴候のひとつであるアミロイドβ蛋白の沈着をおさえ、神経病理変化を遅らせるという生理的アプローチで対応することが有効です。他方、認知的要因には、複数の料理を同時に準備したり、新聞を読んだりするなどの知的活動や、家族や友人と会うなどの社会的交流により、認知症になると衰える認知機能を必要とする認知活動を行うことで、神経病理変化が認知機能へ与える悪影響を減らすー認知機能の低下を遅らせる認知的アプローチで対応することが有効だと述べました。

 

認知症の予防

  

アルツハイマー病の予防


また、特にアルツハイマー病の予防の観点から、神経病理変化が進行しているにもかかわらず、認知機能が保たれる場合―知的行動や社会的交流が多い人は認知機能低下の幅が小さい―があると付け加えました。
 そうした神経病理変化があっても、認知機能が保たれるケースを示すもののひとつとして、アメリカの修道女の研究“Num Study”(修道女の剖検をしたところ、生前認知機能が保たれていても、アルツハイマー病にかかっていた修道女がいた。言語能力が鍵を握るとの知見)があります。この研究については『100歳の美しい脳』(Aging with grace)という書籍でも紹介されています。その著者らの書いたと論文の中に、20歳代に書かれた文章から推定される、青年期の言語能力が高い修道女は、低い修道女と比べて、80歳代におけるあるアルツハイマー型認知症発症率が低かったこと、その言語能力は意味密度で推定された(意味密度:一文に含まれる命題数÷単語数)ということが導かれていたことを紹介しました。
  

修道女研究が紹介されている『100歳の美しい脳』

 そして、この研究に着目した大武所長がその研究に関わった言語学者であるSusan Kemper先生を日本に招聘、日本語と英語の構造の違いを超えて言語特徴量から認知機能を推定するための考え方について議論することを経て、会話に用いられる語彙の豊かさから認知機能を推定することができるという研究論文を出す至った経緯を述べました。
  

 「会話に用いられる語彙の豊かさから認知機能を推定できる」

 また、言語活動と認知的アプローチの関係について、言語は知的活動(論理や思考)の基盤であると共に、社会的交流や感性・情緒の基盤でもあり、その言語能力を高めるためには言語活動(話す・聞く・書く・読む)をすればよく、このうち、話す・聞くが会話に相当すると整理しました。
 さらに、話す・聞くという言語活動をより効果的に行うために開発実践していた共想法の会話の効果を検証すべく、「ロボットが司会する写真を用いた会話による認知機能介入プログラム(PICMOR)のランダム化対称群付比較試験」を実施したことを報告しました。
   

  PICMORプログラム<

 共想法に参加する人はテーマに沿った写真を用意し、参加者が用意した写真を見ながら会話を行い、さらに(直後・1週間後)に写真を提供した人を当てるというプログラムを1週間に1回、12回行い、この共想法方式の会話をした人と、雑談に参加した人とを比較しました。プログラムに参加する前後に検査をしたところ、共想法形式の会話参加者の方が、言語流暢性という言語能力に関連した認知機能が向上したこと、共想法形式の会話中に用いられる単語数に対する単語種類数が雑談の場合よりも多く、共想法形式の会話は、雑談に比べて、言語能力をより発揮する機会を提供するものであることが確認できました。以上を論文として発表したことを報告しました。

 こうしたことから、神経病理変化がたとえ起こったとしても、言語能力を高めておくことで、認知機能に与える悪影響を小さくできる可能性があり、その言語能力を高めるためには会話を注意深く行うことが有効と説明しました。今後も長期的な影響を調査する実験を継続し、さらにどのような言語活動が認知機能低下の予防に役立つか究明していきたいという抱負を述べて、終講となりました。

 10分間の休憩を挟んで、和光市の西道先生と東京の大武所長との「アルツハイマー病と認知症予防研究の最前線」題した対談が始まりました。
 

 対談 西道先生・大武美保子


対談は、招待講演について、視聴者が難しく感じるであろう内容について大武所長より質問し、西道先生からよりかみ砕いた答えを伺うことから始まりました。西道先生が発見された【ネプリライシン】という酵素を活用した、誰もが手ごろな価格で利用できるような治療薬として開発が成功するまでの要件、点滴薬と経口薬の違い、実験モデル動物、遺伝子治療に関する質問にも丁寧に解説して下さいました。また、言語能力を高めるようなテレビの視聴方法は?睡眠導入剤を使った睡眠でも、脳の中で記憶が整理されるのか?という参加者からの質問を取り上げながら、幅広く議論しました。

分野や手法は異なるものの、西道先生は先制医療を通じて「アルツハイマー病のない世界をつくること」を、大武所長は非薬物療法をもって「防ぎうる認知症にならない社会づくり」を目的として、認知症発症者を一人でも少なくするという、喫緊の大きな課題解消のために同じ方向に向かって日々研究に邁進している研究者同士です。この専門用語が飛び交うことがあり、その道に詳しくない視聴者が入り込みにくい時もありましたが、そうした雰囲気から、かえって両講師の真摯な研究姿勢を感じることのできた対談でもありました。両者の研究がいずれ繋がり、その大きな目的に一歩でも近づく糸口がみつかる時を待ち遠しく思うのは、私達だけではないと感じたことでした。

 事後のアンケートでは、諸般の都合よる音声、進行の不備へのご指摘はいただきましたが、講演内容については、9割以上の方にご満足いただき、同率で「役立つ情報が得られた」というご意見をいただき、開催者として休心しております。今後は機器、進行に関する技術を向上させ、快適な環境で貴重な情報や知見を共有させていただく機会を提供していきたいと思っております。
ご視聴いただいた方々に感謝申し上げます。
なお、本講演会の講演および対談は、弊所公式YouTubeチャンネルにてご覧いただけます。
 NPO法人ほのぼの研究所YouTubeチャンネル

市民研究員 鈴木晃・長久秀子

 ひととき丁寧に自分のために美味しいお茶を淹れてゆったり楽しみたい。あわただしい日常の雑事から離れ、お菓子を添えて日本茶を頂く時間は、充実感を得ると共に、毎日を楽しむ工夫につながると思っています。少し前までは紅茶が大好きで色々な種類の茶葉を取り寄せて味、香りを楽しみ、私の淹れた紅茶は日本一と自認していましたが、いつしか飽きて今は日本茶党に。写真の和菓子は毎年お正月に妹が送ってくれる山形の銘菓「せつだ梅」です。梅の花型にしたのし梅が5枚入って包装してあり、美味しい上に、日持ちします。
 コロナ自粛の時期が明けて、友人が来てくださるようになるお茶の時間は、さらに至福の時間になるでしょうと想像しながら、今はしばらくひとりでお茶を楽しむことに。 

市民研究員 Y.T.さん



ある日の私のお茶のひととき

コメント:市民研究員H.N.さん 
私は忙しくてもお茶やお菓子を必ずいただいてしまいますが、自分のためにゆったりとお茶を淹れて〜という時間は余りないように思い反省しました。お茶をいただきながら、気持ちを整理したり、頭をカラにしたり、リレッシュしたりする時間を持つことは、充実させる過ごし方の工夫の一つですね。のし梅を梅の花型にしたお菓子はきっとほんのり甘く、ふくよかな香りがして、お茶を楽しむのに恰好のお供だと想像しました。
 毎日を楽しくする工夫 撮影場所を探索し続けると…
 屋根裏部屋からでも撮れた日没場面です。この瞬間に合わせたように、『赤トンボ』の
曲が町じゅうに流れてきていました。1月のウオーキング中に日の出の写真を撮ることができたのが動機となり、日没の写真も撮りたいと、場所探しをしていました。ふと、以前家からでも富士山が見えていたのだから、屋根裏部屋からでも撮れるかもしれないと思い付き、試みてみました。そして、さらにこの窓と対面にあるもうひとつの小窓は東方向だと気付き、日の出の撮影も試みると、どうにか成功しました。おまけにベランダの屋根のない部分からは星も撮れそうなのです。これは超高望みですね。

市民研究員K.S.さん



屋根裏部屋からでも撮影できた日没

コメント:市民研究員M.M.さん
屋根裏部屋からの日没の写真とは、素敵ですね。街全体がシルエットになって空の雲が動いているようで、躍動感が伝わってきました。撮影した時刻が、「赤とんぼ」の曲のころと知って、本当は悲しい曲とは知らず、子供のころ元気に歌っていた時代を思い出しました。
 朝食にはいつもトーストを食べていますが、メリハリをつけてみようと思って、ホットケーキを焼いてみました。北海道産小麦粉ミックスに、牛乳、タマゴ、豆乳を入れたたねで2枚焼き、旬の苺をつぶしたものに砂糖を振りかけてはさみ、頂上にはいちごと青い大豆を飾りました。見た目も綺麗でお味も良く、いつもと違った変化のある食事で、大変快適な朝になりました。またぜひ作ってみたいと思いました。朝食にはコーヒーを飲んでいます。

継続コース参加者 Y.A.さん


イチゴをたっぷり使った朝食用ホットケーキ

コメント:市民研究員H.N.さん 
見るからに栄養豊富、フレッシュイチゴがたっぷりの焼き色もとても美しいホットケーキは、本当においしそう!これを召し上がれば、1日じゅうハッピーに、元気にお過ごしになれること請け合いですね。私も休日の朝には少し早起きして、趣向を変えた美味しいものを作ってみようかなという気持ちになりましたが、誰かがつくってくれたらもっとハッピー…というのが本音です。
 新しい発見をしながら歩くのは、毎日を面白くする工夫のひとつだと思っています。
 散歩中に、皇居の内堀で白鳥がすいすいと進むのを遠目に見つけて興奮しました。最初はカメラの拡大機能を使って、遠くの白鳥を撮影していましたが、餌をもらえると思ったのか、どんどん近づいてきました。それでも、シャッターばかり切っていて、餌をもらえないと分かったのか、首を水面に突っ込んで、何か餌を探すような仕草をした後、引き返して行きました。

市民研究員 M.O.さん



皇居の内堀を泳ぐ白鳥

コメント:市民研究員M.M.さん
皇居の内堀での白鳥の写真を拝見して、30年前に,皇居の内堀でのカルガモ親子が列をなして遊んでいたのを思い出しました。悠然と泳ぐ白鳥には、人間社会の世知辛い世相など、まったく眼中にないと感じられました。これこそ別格の白鳥だと思いました。
 明け方の富士山も、夕方の富士山も元気を与えてくれます。ワインがあれば、気分は一層楽しくなります。ベランダの端ギリギリにグラスを置いたので、落ちたら大変とドキドキしながら写真を撮りました。いい角度に調整しているうちにワインを飲んでしまい、残りが少なくなりました。
 富士山に登ったことはありません。登った人の話では、岩だらけでゴツゴツしていたということですので、高嶺の花は見ているだけで近づかない方が、怪我をしないようです。

市民研究員A.U.さん


富士山を眺めながらいただくワインは〜

コメント:市民研究員H.N.さん
共想法で提供される話題から、A.U.さんのお好きなものは富士山、高層階のお住まいのベランダでのひととき、ワイン〜と頭に入っていましたが、それらを上手にまとめての撮影にはさぞ熱が入り、ワインも進んで、格別楽しい日になったのではと想像しました。毎日異なる表情を見せてくれる霊峰を拝むことができるなんて、千葉県の低層階に住む私には夢のようです。
 娘家族が同じ市内に引っ越してきました。彼らの家のネット工事の遅れのため、我が家が仕事場のようになってしまった上に、夜の仕事もあったり、泊りがけが増えたりとで、その間、孫の子守と食事の世話をすることになり、大変多忙になりました。
 けれども、1日は24時間と限られています。そこで色々考えた末、朝の片づけをしながら昼ごはんの支度を済ませるという、食事支度の回数を減らすプランを思いつきました。
 孫の離乳食は市販品を使わないように言われている上に、大食いのためカロリー控えめにと、なかなか神経を遣います。最近は「ゴハン」「オフロ」だけはっきりと言えるようになりました。どうやら、既に亭主関白の兆しありというところです。

市民研究員E.N.さん


家事の効率化+α

コメント:市民研究員H.N.さん
コロナ禍で孫と会えないと嘆いているだけの同世代として、超多忙な生活に感服するばかり。ただ、お疲れはあるも、E.N.さんに最近活き活きした様子を感じるのは私だけでしょうか?あるコラムに、孫育(て)のメリットは〜追稱譴和垢寮長を感じる時間が増え、乳幼児期特有のかわいらしさを堪能できる孫は愛情をより多く受けて孫の精神が安定し、健やかに育つその両親達は余裕ができて仕事とストレス発散ができる とありました。ご苦労も多いと察しますが、上手な工夫で皆様がメリットを享受なされますように。
 2021年3月2日、2020年度ほのぼの研究所合同研修を開催しました。これは、毎年1回、防ぎうる認知症にならない方法について、共に考え行動するために設立された、NPO法人ほのぼの研究所の存在意義を改めて確認し、通期で得られた知見を持ち寄り、確認し、次の1年に繋げるために行われているものです。

 2020年度の活動は4月7日の緊急事態宣言でスタート。在宅高齢者の外出自粛による認知機能低下リスクが高まる中、集合して会話をすることが認知症予防につながるという考えから会話支援手法「共想法」の研究開発と普及に取り組んできたほのぼの研究所は、感染予防上集合して会話することが危険であるとして、活動をオンライン中心に切り替えた1年でした。
 果たしてオンライン活動にもかなり慣れてきたことから、昨年度同様、協働事業者(埼玉県の認定NPO法人きらりびとみやしろ、茨城県の介護老人保健施設マカベシルバートピア、大阪府の有限会社野花ヘルスプロモート)、共想法継続コース参加者、「お江戸共想法」の実施者、理化学研究所の担当者、そして市民研究員の20数名が、延べ4時間以上にわたり、オンラインにて参加いたしました。
 

2020年度合同研修参加者

 合同研修の開催意義と2020年度活動の概要を述べた大武所長のあいさつを皮切りに、以下の順にて各拠点の活動報告をしました。今回は司会の鈴木晃研究員の、10分間の持ち時間終了3分前にベルで合図するなど、徹底したスケジュール管理のもと、遅滞なく進行していきました。それぞれの発表報告を順にご紹介いたします。※氏名後(S)は発表者

≪2020年度活動報告≫

発表資料

【協働事業者 きらびとみやしろ】「令和2年度「きらりびと共想法」活動報告-<きらり姫宮〉〈子育て支援事業〉のコロナ禍の工夫・過ごし方」

野口宗昭市民研究員・田崎誉代市民研究員(S)


 10年目に入ったきらりびと共想法が、集合形式での実施が中断していること、他拠点で試行が始まった遠隔共想法のスタートが、諸般の都合で遅延しているとの報告がありました。2020年後半から準備が始まったということで、2021年度の本格導入を待ち望む気持ちが述べられました。福祉活動を広く行っている認定NPO法人きらびとみやしろが、綿密な感染予防対策を施して展開している「きらり姫宮」「子育て支援事業」の活動の実態報告もあり、ご苦労を痛感しました。そして、1日も早いきらりびと共想法のメンバーとの遠隔共想法を通しての交流再開が待たれることでした。

【協働事業者のマカべシルバートピア】「マカベ゙シルバートピアの活動報告」

永田映子市民研究員(S)


 2011年のスタートから9年16期を迎えた介護老人保健施設における共想法やお話の会の実施報告がありました。参加者の平均年齢が90歳近いこともあり、もとよりその実施のご苦労は並大抵ではありません。さらにコロナ禍で、参加が制限されたり、家族との交流が途絶えた中で、認知機能検査結果(長谷川式)が明らかに低下したという報告は、察せられる結果とはいえ、コロナ禍の影響を現実のものとしてとらえたのでした。
 最後の、全国介護老人保健施設記念大会別府大分(2019年度開催)での「会話支援ロボットと高齢者とともに創る共想法の未来」の研究発表が奨励賞を受賞したという嬉しい報告は、多忙の業務の中での絶え間ない研究活動に敬服、誇らしく思うと共に、メンバーへの良い刺激にもなりました。

【協働事業者有限会社野花ヘルスプロモート】「野花cocofit共想法から報告及び現状と報告」

「共野花cocofiモート 正木慎三(s)・篠倉拓


 施設関係者のコロナ感染者発生はなくても、介護福祉施設としては、参加者募集や集合、固定が不可能になり、加えてスタッフの勤務体制変化などもあり、共想法の実践はできなかったとの報告がありました。また、メンタルを傷めた方々を対象にした「こころと行動を支える施設」として、2019年に開設された同社が運営するcocofitは当初利用者への支援プログラムとして「共想法」を取り入れていましたが、コロナ禍で悩みを抱える利用者は増えるも、個別ニーズに応じた対応や心療内科との連携、Zoom等のツールも用いてのプログラム変更等があり、活用できていないという課題が報告されました。
 そのため、大武所長からは、次年度からの、使い勝手が改善された次世代遠隔共想法支援システムの活用の提案がありました。
 なお、事後のWEBアンケートでは、心に不安を持つ人々が多くなっているという時世がらもあるのでしょう、cocofitについては参加者の関心の高いテーマとされました。
 
 協働事業者3拠点の発表を終了した時点で設けた質疑応答の時間では、諸般の事情はあるものの、感染や自粛に対する誤った反応が、高齢者のQOL低下や、施設運営やスタッフへの影響にもつながったという現実が語られ、新型コロナウィルス感染を「正しく恐れる」ことの大切さを改めて実感しました。なお、事後アンケートでは、コロナ禍で難題、課題を有しながらも様々な工夫をこらして、果敢かつ柔軟に対応している3施設の事例の発表が、興味を持ったり、参考になった発表のトップに挙げられました。


発表資料
 
          
【ほのぼの研究所 共想法継続コース】「共想法継続コース」

田口良江市民研究員(S)・根岸勝壽市民研究員(S)


 10年目を迎える継続コースは「認知症になりにくい暮らし」を年間テーマに設定し、実施しました。コロナ禍により、実施会場:柏市介護予防センター:ほのぼのプラザの利用制限時期もあり、集合しての共想法を実施せず、可能な方から順に、遠隔共想法を実施しました。その間、参加者十数名それぞれと、Eーmail、ショートメッセージ、電話、郵送と、参加者の都合に合わせた手段で連絡を途切れずに行ったこと、ほのぼのプラザが制限を設けて利用可能になった時には、個別に時間を決めて1対1からの遠隔共想法を始めるサポートを丁寧に行ったこと、参加者と相互学習をしながら遠隔共想法の参加方法を会得していった事例など、交流の途絶えがちな方々とも密に連絡を取りながら、徐々に遠隔共想法の参加者が増えていったプロセスを語りました。まだ共想法と遠ざかっている方々の近況報告からは、誰もがいつでも快く参加を継続、再開できるよう、たゆまず、フラットな信頼関係を築いている熱意を感じました。最後に根岸研究員から、コロナ禍でも遠隔共想法を通して繋がることができることへの感謝が述べられました。

【ほのぼの研究所 柏市認知症予防講座】「柏市認知症予防講座『今こそおうちで認知症予防』」

松村光輝市民研究員・魚谷茜市民研究員(S)


 まず初めに、コロナ禍でありながら、9月から会場のほのぼのプラザますおの利用制限が緩和され、予定どおり9〜10月の3日間開講できた幸運を述べました。長い自粛期間による認知機能低下への懸念や、学びや外出の機会を得たいという気持ちの反映か、30名を超える応募者がありました。しかし、感染予防の観点で、会場の定員が本来の半分以下と定められたことから、参加者9名、現地スタッフ3名での開催となったとの報告がありました。その代わり、遠隔会議システム(Zoom)を活用し、講師の大武所長が東京から、市民研究員とテクニカルスタッフがそれぞれ神奈川、埼玉からサポートし、会場の千葉県と合計4カ所をつないでの、初のハイブリッドオンライン講座としたとの報告が続きました。
 会場スタッフの多大なご協力と入念な準備の結果、大過なく終講しました。しかし、オンライン会議システムの音声が対面と比べて聴き取りづらかったこと、遠隔共想法に用いるスマホ端末を感染予防上直接触って操作していただけなかったことなど、コミュニケーション上の制約を実感しました。withコロナ、afterコロナを含めた、魅力ある講座の企画や、より若い高齢者層や、男性の参加を促す講座タイトルについてが課題として挙げられ、その後の質疑応答に続きました。

【ほのぼの研究所 講演会】「2020年度講演会実施報告」

鈴木晃市民研究員・長久秀子市民研究員(S)


 例年、会場で開催してきた設立記念講演会、クリスマス講演会を、共にオンラインにて開催した報告をしました。2020年8月25日には、疲労学の権威である理化学研究所の渡辺恭良先生を講師にお招きして、設立記念講演会「今こそ、実践!真の健康づくり」を開催しました。2020年12月22日には、認知症予防学会副理事長で園芸療法を第一線で実践研究される西野憲史先生を講師にお招きして、クリスマス講演会「コロナ禍での認知症予防」を開催しました。いずれも、招待講演・大武所長の基調講演・両講師の対談の3部形式としました。
 12月末にはほのぼの研究所の公式YouTubeのチャンネルを開設し、2講演、計6講演の動画配信も始め、2020年度がオンライン講演会元年であったと述べました。
 2回のオンライン講演会と、2019年度までのオフラインの講演会の時系列の参加実態と比較して得られた、集客の課題、賛助会員様の特典としての講演会のあるべき姿、そして視聴しやすく、魅力的なオンライン講演会企画のための、運営初心者としてスキル獲得の必要性等の課題を述べて結びました。


合同研修資料

【お江戸共想法】「2020年度実施報告 お江戸共想法」

お江戸共想法実施者斉藤千鶴子(S)・江口美代子(S)


 お江戸共想法もコロナ禍で開催が中断されましたが、夏からは遠隔共想法を12名が参加して継続して実施しているという報告がありました。ほのぼの研究所の参加者同様、1人対1人から初めて、最近はシステムの扱いにも慣れてきて4名間でのグループ会話を楽しんでいる模様を報告しました。9月には、直接会ったことがない者同士で遠隔共想法ができるか確かめることを目的として、お江戸共想法参加者と、柏のほのぼの研究所の市民研究員、継続コース参加者とで、「早寝、早起きしてみた」のテーマにて遠隔共想法を実施、交流したとの報告がありました。
 次に、遠隔共想法に対する感想や、コロナ禍前後の交流の比較についてのアンケート結果報告では、コロナ禍での交流機会が激減した中、顔が見えなくて残念でも、遠隔地や在宅でも楽しんで交流ができることを楽しめるようになったこと、機器の不慣れ、不具合や使い勝手に課題があることが述べられました。最後に、コロナ禍がおさまった折には、実施したことのない街歩き共想法をしたい!という熱い思いで締めくくられました。

【ほのぼの研究所】「遠隔共想法アンケート結果」

松村光輝市民研究員(S)・清水きよみ市民研究員


 お江戸共想法と同じアンケート調査の、市民研究員と継続コース参加者の結果報告がありました。遠隔共想法については、在宅で、同世代の人に先駆けて、オンラインで共想法を通して交流が可能になったとの意見と共に、お江戸共想法で挙げられた課題の他、非対面であることにより、会話が対面ほどスムーズではないことが挙げられました。交流については、外出・対面機会が激減したため、電話やZoomでのコミュニケーションが増加したという実態や、空いた時間、いわゆるおうち時間の有効活用を考えたという前向きな意見に加えて、遠隔共想法参加や、定例のオンラインの研究会が心のよりどころになっているという、市民研究員の声もありました。
 質疑応答では、試作段階ながら、コロナ禍によるニーズに応えるために試験運用している現システムと平行して、次世代遠隔共想法支援システムを急ピッチで開発しており、間もなく試用できるという明るい情報を知るに至り、大いに期待を膨らませたことでした。

【企業連携】「企業連携を主として」

小暮純生理化学研究所 認知行動支援技術チーム 技術経営顧問


 各拠点の報告に続いての小暮先生の報告では、2020年度の概要報告に続いて、最近の主要活動として、飲料メーカーや和光市との共同研究の支援を引き続き行うこと、また新規の連携開拓、推進案件として、松戸PJ関連の東葛エリアで活動を開始したNPO法人と、さらにマスコミでも広く報道されたポテンシャルがあるとされるW社や、高齢者向けロボットの評価を期待するV社との連携開拓が推進されているという、興味深いトピックの報告がありました。これまで連携していた研究機関、企業との、別の形での関係維持等、幅広い分野での進捗状況の報告がありました。
 
【2020年度まとめ・2021年度方針】

NPO法人ほのぼの研究所 大武美保子代表理事・所長


 まず、2007年から5年ごとに設定した共想法研究の中期計画について、改めて整理しました。共想法を種(シーズ)とした時に、どのように展開するかをまとめたものです。
2007年- 種を苗(サービス)に
2012年- 苗を畑(非営利事業)に
2017年- 畑を試験農園(検証事業)に
2022年- 試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援
2027年- 農園を各地、各国に
2020年度に至るまでの共想法の研究体制の推移、ほのぼの研究所の役割、さらにほのぼの研究所の実施・普及・支援・育成・研究という5つの柱の事業の進捗説明がありました。
 続けて、2020年度の5つの事業の実績を述べた後、2022年- 試験農園を各地、各国に、農園(営利事業)の立ち上げを支援、を見据えた、前タームの最終年としての2021年度のイメージを述べました。
 次いで2020年度には「新型コロナウィルス流行により、薬やワクチンが確立するまで、集まって行動することができないこと」を前提に「目的に即して新しいやり方を考えて実践する」という目標を目指して活動した以下の成果を具体的に述べました。
〆濛陲任粒萋以法の確立(研究会・研修)
一カ所に集まらないで社会的交流を実現し、認知機能を訓練する方法の考案、実践
 続いて「ワクチン接種が進んでも、集合しての活動は慎重に行うことが求められること」を前提として、2021年度の目標を「新しいやり方の実践の輪を広げる」と掲げ、2020年度に構築を始めた遠隔共想法を基盤とするサービスを外部に展開すること(遠隔共想法参加者から実施者へ・連携先の遠隔共想法を支援)をメインに、これまでの事業を続けながら、さらに新しく取り組む活動案が示されました。


 すべての発表後の総合討論では、「初めての人に共想法の良さを伝え、参加してみたいという気持ちになっていただくためにはどうしたらいいか」という根本的かつ難しい質疑に対して、各拠点から経験に基づいた妙案が多数挙げられたのは大変興味深いことでした。一般的に、高齢者は何かを始めること自体に前向きでない場合が多いためです。共想法のよさは体験すると伝わるので、詳細に説明するよりもまず体験してもらった方がよい、といった意見が寄せられました。
 近々の高機能な次世代遠隔共想法支援システムの試用開始という、期待できる報告に加えて、「世の中に高齢者が受け身で使うシステムは多数あるものの、高齢者がシステムを使いながらサービスを提供する側に回ることができる、遠隔共想法のようなサービス・システムは最先端である。それによって、みんなを元気にする推進力になるよう一歩一歩近づいていきたい。」という、大武所長の熱い思いを伺い、2021年度の活動への意欲が高められたことでした。
 
 そして、1年間オンライン活動、相互学習を重ねた結果、合同研修への初参加者が増え、大変スムーズに遂行できたこと自体が、大きな成果のひとつであると確認し、無事終会となりました。

市民研究員 長久秀子

コロナ太り

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今日の共想法 » 去年のニ大ニュース
執筆 : 
NagahisaH 2021-3-21 8:00
 私にとっての昨年の一番大きなニュース、それはなんといっても半年間で、6.5kgも大きくなってしまったことです。ご多分に漏れず、コロナ太り。在宅勤務で通勤時間がない分、もっと運動できるかと思いきや、なんと、一生懸命仕事をし過ぎてしまいました(笑)。一日中、椅子からお尻が離れません。たまに出勤するときには、なんとかお肉を服に押し込める始末。あまりにお見苦しいので、写真はスマホアプリのスタンプにかえさせていただきました、悪しからず。
 すでにご想像のとおりだと思いますが、今年のテーマはこの大きくなった分を減らすことです。

お江戸共想法参加者S.I.さん



コロナ太り体重計測イメージ

コメント:市民研究員H.N.さん
私は出勤こそいたしませんが、自宅のパソコン前の椅子には、なるべく離席させないような魔法がかけられているのではないかと思うような時があります。集中できること、集中し過ぎることもできることが、在宅勤務の功罪かもしれません。3月になりました。そろそろ今年のテーマの達成効果が出始めた頃かしらと、想像しています。

ハチの逆襲

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今日の共想法 » 去年のニ大ニュース
執筆 : 
NagahisaH 2021-3-7 8:00
 7月にアシナガバチに顔を刺されました。ベランダの床に置いたハチの巣が気になっていましたが、夫が刺されないからそのままでいいと。しかし、夜に完全防備をして巣に殺虫剤をかけて家に入ったところ、その中の1匹が家の中に入ってしまい、それをやっつけようとして、顔を刺されました。翌日は何ともなかったのですが、だんだん腫れて臼のような顔になりました。残りのハチもどんどん飛び回り、結局業者を頼み、念のため医者にも行き、高い授業料になりました。
 自業自得だと夫からいわれ、もっともだと思い、これからはハチには近づかないことにしました。

継続コース参加者 C.O.さん


アシナガバチとその巣

コメント:市民研究員H.N.さん
テレビ等でスズメバチの巣の壮絶な駆除の様子を見ていたため、アシナガバチもスズメバチ科ということで、危険な存在かと思いましたが、益虫とのこと。巣を襲ったりしなければ人を刺したりしないということですから、きっと彼らの逆鱗に触れてしまったのですね。実に大変痛い目にあわれた貴重な体験をなさったと思います。身近な生物たちとのよりよい共生には、知識と経験が大切なことがよくわかりました。